「角野栄子あたらしい童話大賞」応募数2000超の中から受賞作が決定! 審査委員長・角野栄子「見たこともないような新しい幼年童話を生み出してほしい」《贈呈式レポート》

文芸・カルチャー

更新日:2025/1/16

2024優秀賞 卯月きいろさん『ねこふとん』

角野栄子あたらしい童話大賞

【あらすじ】ふとんのセールスマンである猫が、人間の子どもに「ねこふとん」を売りに来るかわいらしいお話。

角野栄子氏・選評】“こうなったら面白いな”と読者を引っ張る力のある作品ですが、最後の場面で作者が悩んだ気持ちが伝わってきました。何回も最初から書き直すと、新しい発見があって物語が動いていくんですね。読者があっと驚きながらも納得する最後も見えてきます。面白い世界を書きたい気持ちが伝わりました。これからも頑張ってください。

【原ゆたか氏・選評】私自身も子どもたちをびっくりさせるような意外なラストを書くほうなので、このお話のラストの意図もわかります。ただ、ラストのオチに繋げるための伏線がほしかったです。または逆に、驚かせるというより、ほのぼのとしたドラマに仕上げた方が良かったかもしれません。

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【受賞者・卯月さんの言葉】先生方のお言葉にありましたように、推敲を重ねながら、これからも書き続けていきたいと思います(塾講師。静岡県在住)。

2024奨励賞 黒石かおるさん『タロウくんのいつものとくべつないちにち』

角野栄子あたらしい童話大賞

【あらすじ】花山小学校1年3組 田中タロウくんの、生まれてから2555日目のいつもの朝をコミカルに描く。

角野栄子氏・選評】主人公の一日を実況放送する設定が面白かった。平凡だけど特別な一日は誰にでもあって、それを実況放送すれば連作になる可能性も秘めている。作者が日常でいろんなことに興味を持ち、どれだけ冒険するのかが勝負のしどころ。天才は(物語を)パッと書けるかもしれないけど、私のような凡才は職人のようにいつも書いていないと。でもね、それがまた楽しいんですよ。これからも大いに期待しています。

原ゆたか氏・選評】小学生の日常を実況中継するっていうアイデアがものすごく面白い。もっとこうなったら、ああなったら…と想像できて、昔絵描きだった頃の自分なら絵を描いてみたいと思うようなお話でした。実況をもっと派手にしてもいいし、ワクワクするような事件がたくさん作れそうです。

【受賞者・黒石さんの言葉】(贈呈式が行われた)魔法の文学館の本棚を見ていたら、子どもの頃に何回も読み返した本に出会い、大人になってから忘れていたいろんな記憶がよみがえって、童話の素晴らしさを実感しました。これからも楽しいお話を書いていきたいです(会社員。兵庫県神戸市出身、東京都在住)。

2024奨励賞 こなみるいさん『ロブくんのぼうけんレストラン』

角野栄子あたらしい童話大賞

【あらすじ】シェフであり冒険家であるロブスターのロブくんが、冒険の思い出話と共に料理をふるまう。イラストも満載。

角野栄子氏・選評】シェフで冒険家のロブくんしか作れないような、びっくりするような料理を見せてもらったらグンと面白くなりますよ。気になったのは、ザリガニとワニの大きさにリアリティがないんです。ファンタジー作品やナンセンス作品だからこそ、ちょっとしたところにリアリティがほしい。発想はとてもユニークで、驚くようなお話を書ける作家さん。ロブくんストーリーをどんどん書いてほしい。楽しみにしています。

原ゆたか氏・選評】子どもは食べ物が大好きだから、お話の中で書く時には、どんな味がするんだろう…と想像させるところまでいかないともったいないなと。みんなが食べてみたいと思えるような未知の料理とワクワクさせる冒険が合体したら、シリーズ化できそう。大きな可能性を感じました。

【受賞者・こなみさんの言葉】応募した日に落選の夢を見るほど自信がなかったのですが、このような賞をいただき、そちらのほうが夢のようです(デザイナー。北海道札幌市出身、東京都在住)。

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