不安になりやすい人へ——心のリミッターを外して自由に生きるコツ
公開日:2018/3/5

「明日のプレゼンが上手くいかなかったらどうしよう」とか、「試験なのにインフルエンザになったらどうしよう」とか、日々の小さな不安は誰にでもあるもの。むしろ不安があるから慎重に行動したり、予防策を講じたりするものだ。
だが、「ちょっと調子が悪いのでインターネットで調べたら思わぬ大病の予兆に当てはまってしまい、不安で仕事まで手につかない」とか、「夜中に“仕事が終わらないのでは?”と不安で眠れなくなりかえって仕事に支障を来たす」とか、不安が不安を呼んでむしろ身動きが取れなくなってしまうようであればかなり問題。
人気カウンセラーの大嶋信頼氏の著書『リミットレス! あなたを縛るリミッターを外す簡単なワーク』(飛鳥新社)によれば、そんな人は将来の不幸に備える心の安全装置「リミッター」をかけすぎている状態だという。そんなときにはリミッターの原因や対処法を知ってリミッターを外し、心を自由にすること。そうすれば“人生を思いのままに変える”ことすらできるという。
たとえばあなたは以下のチェックリストに該当することはないだろうか。
□朝起きた瞬間から嫌な記憶が浮かぶ。
□嫌な気分でどんどん身体がだるくなる。
□夜にイライラしてなかなか寝付けないときがある。
□周りの人に自分は理解してもらえないと思っている。
□必要以上にダメ出しをされることがある。
□能力はあるはずなのに、仕事が思うように進まない。
□自分が誰かに嫉妬されているなどと考えたことはない。
本書によれば、上記のうちで4つ以上当てはまる人は、朝がとにかくつらい「起きられないリミッター」がきいているタイプとのこと。これに該当するのは、ズバリひとつのことを追求したら突き詰める力があり、仕事でも勉強でも他の人よりもできてしまう人。そのため無駄に他人から嫉妬ややっかみを受けやすい面があり、それを防ぐために無意識にテンションや意欲を下げるリミッターをかけているのだという。
そのほか、何もやる気がでない「動けないリミッター」、怒りや嫉妬の感情が抑えられない「正しさ主張リミッター」、将来に希望が持てない「自虐リミッター」、相手の感情や気分に振り回される「空気読みすぎリミッター」、人からどう見られているか気になって仕方がない「人の目気にしすぎリミッター」、お金や仕事、健康など心配事が多すぎて何も楽しめない「心配性リミッター」など、リミッターには7種あり、自分には何かリミッターがかかっていないかチェックしてみるのもおもしろい。知らないうちにいくつものリミッターをかけていた!なんて人もいるかもしれない。
問題はそのリミッターをどう外すのか。本書では、かつて著者自身が「催眠療法」で悩みから救われた経験をヒントに生み出した、「心に聞く」というリミッターの外し方を教えてくれる。それは「最初に“心よ”と呼びかけてから、自分自身に質問する」という、いたってシンプルな方法。実際に著者のカウンセリングの現場ではこの方法で人生が大きく変わった人が多数いるとのこと。本にはそうした実例をもとにしながら、「仕事」「恋愛」「金銭」「家族」など悩みタイプ別に詳しい「心の声」の聞き方を紹介してくれているので参考にするといいだろう。
ちなみに「心の声を聞く」ためには、世の中の常識や「心の声なんて聞こえるわけがない」という固定観念はさっさとなくすこと。本当の意味で「自問自答」できたとき、きっと心の声が聞こえてくると本書はいう。実は誰しも心の奥では「自分の進むべき道」がすでにわかっているのかも…そんな不思議な感覚も覚える興味深い1冊だ。
文=荒井理恵
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