スペシャルなハンバーガーが人生の複雑な問題を解決する! 本日のバーガーは…

マンガ

更新日:2018/10/22

『本日のバーガー』9巻(才谷ウメタロウ:著、花形 怜:原作/芳文社)

 おなかすきましたね…。そんな時には、ハンバーガーをおひとついかがですか?

「ランチする時間がない!」という時にファストフード店でパパっと食べるもよし、「今日は特別においしいものを食べよう!」という時に、専門店でこだわりの具材をはさんだハンバーガーをじっくり味わうもよし、はたまた家で自分で作って食べてもよし。具材の組み合わせの自由度が高く、味のおいしさはもちろんのこと、SNS映えする見た目も素敵なハンバーガー。最近は、「ハンバーガー本」の出版も相次ぐなど、アツい食べ物のひとつです。本稿では、そんなハンバーガーづくしのグルメ漫画、『本日のバーガー』(才谷ウメタロウ:著、花形 怜:原作/芳文社)を紹介します。

■世界を股にかけるハンバーガー・イベントを成功させたい!

 物語の舞台は、確かなおいしさが大人気のハンバーガー専門店「UNLIMITED SOULS」。オーナーの神宮寺は、かつては食品商社の腕利きバイヤーでした。商社マン時代に、世界各国の食材や歴史や文化に触れるうち、ハンバーガーが持つ無限のポテンシャルに着目。「ハンバーガーを日本の食文化に根付かせたい!」というビジョンのもと、脱サラして店をオープンし、自らがハンバーガーの伝道師となりました。

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 日々、さまざまな悩みや思いを抱えたお客さんに寄り添った「本日のバーガー」を提供するうちに、神宮寺が作るハンバーガーは評判を呼び、お店はリピーターたちで繁盛していきます。そんな中、神宮寺は本来の目的である「ハンバーガーを日本の食文化に根付かせる」ため、人気のハンバーガー専門店や、一見ハンバーガーとは無縁に思える中華料理店などにも声をかけ、“バーガーフェス”イベントの開催に向けて動き出します。日本未進出の、アメリカの名ハンバーガー店にもこのイベントに出店してほしいと考えた神宮寺は、持ち前の行動力ですぐさま渡米。アポなしだったにもかかわらず、社長たちに直談判するチャンスを得て、自分が作ったハンバーガーを食べてもらうことで熱い思いを伝えます。イベント開催に向けて勢いづく神宮寺たちを待ち受けているものは…?

■ハンバーガーが人生の複雑な問題を解決する!

 本書は、丁寧に描き込まれたハンバーガーや、表情豊かな登場人物たち(特に女の子たちがどの子もカワイイ!)が物語を引っ張る魅力的な作品で、ハンバーガーに関する歴史や、世界各国の食文化についての豊富なエピソードも読みどころ。ページをめくれば、ハンバーガーが食べたくなるのはもちろんのこと、自分がまるで海外旅行をしているような気分にもなることでしょう。

 そして何といっても一番の読みどころは、神宮寺が作るハンバーガーを通じた“人間ドラマ”です。神宮寺は、自分が持つ知識や技術をフル活用して「本日のバーガー」を作り、お客さんに届けます。そこには、おいしさだけではなく、事情を抱えたお客さんへの明確なメッセージが込められており、それがお客さんの心に届くのです。食べる人に寄り添う、元気がでるグルメ漫画、あなたもおひとついかがですか。

文=水野さちえ