子どもの「なぜ? どうして?」の質問攻めにウンザリ…は禁物!目の前のわが子の“伸び時”を見逃さないで

出産・子育て

公開日:2018/11/12

 先日、ノーベル賞を受賞した本庶佑さんから、子どもたちにこんな言葉が送られました。「いちばん重要なのは、何か知りたいと思う不思議だなという心を大切にすること」。子どもたちの頭の中は、いつでも「なぜ?」「どうして?」でいっぱい。この好奇心のタネを見逃す手はありません。

 累計100万部を突破する「頭のいい子を育てる」(主婦の友社)シリーズから新たに登場したのは、子どもたちの“小さなギモン”の答えを、イラストや写真でわかりやすく教えてくれる『なぜ?どうして?ふしぎ366』(主婦の友社)です。この本のすごさは、小さなギモンをきっかけに、子どもの興味が大きく広がる内容が満載なこと。1日1ページ、366日分。大人もハマるおもしろさなので、明日の分まで読み進めてしまうかも!? もちろん、「なぜ? どうして?」の質問攻めにあったママやパパの手引きとしても大いに役立ちます。

「ちょんまげ」のギモンから歴史に興味を

 子どもの小さなギモンは思わぬところから生まれます。武将の本を真剣に読んでいるなと思ったら、「変な髪型!」とちょんまげを指差して…。そんなことがあっても、「え! そこ?」とがっかりせずに本書をチェック! ちょんまげの由来はもちろん、作り方や当時流行したオシャレなちょんまげまで解説されていて、いろんな種類があることがわかります。武将といっても戦いばかりでなく、その暮らしにも目を向けることで、むしろ親近感を持って積極的に歴史を学んでいけるのではないでしょうか。

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「サッカーボール」のギモンから算数に興味が!

 身近なものが勉強に結びついていく「ふしぎ」もあります。たとえば子どもたちは、サッカーボールがなぜ白と黒の図形が組み合わさっているのか、ふしぎに感じるかもしれません。図形を取り上げたページを開いてみると…その正体は、白い部分が正六角形で、黒い部分が正五角形。白黒になった理由もきちんと解説されています。小さなお子さんには、小学校で算数を学ぶときの下地になるでしょうし、小学生のお子さんには、学校で学んだ図形を身近なサッカーボールにひもづけ、ますます広げることができそうです。算数が苦手な筆者のようなママにもわかりやすく、これなら子どもに説明できそうだな、と感じました。

「これって英語?」で興味を広げる

 親としても力を入れたい英語ですが、周りに英語圏の友だちでもいない限り、どうやって興味を持たせたら…? そんなときは、本書を見ながら「ジュースって英語だと思う?」と話しかけたいと思います。大好きな「ジュース」は英語。にが~い「ピーマン」はフランス語! 英語では「グリーンペッパー」なのです。何が英語で何が英語ではないのか、身の回りのものを親子で当てっこするのも楽しいですね。

新教科「道徳」のギモンにも答える

 中には、答えがひとつではないギモンもあります。子どもが友だちとケンカして、泣きながら「友だちってなに?」と聞かれたら、どう答えますか? そんなときは、本書を開いて、友だちってなんなのかを話し合ってみるのもいいかもしれません。いっしょにいると成長できるとか、本音で話すからケンカもするなど、いろんな考えがあるからです。教科書ではなかなか教えてくれないことや、ふだん気づかないようなことに気づき、考え、話し合うきっかけになりますね。

お茶の水女子大学附属小学校、全面監修!

 その他に、小さなギモン…というより、子どもにありがちなとてつもないギモン「宇宙はどうやって生まれたの?」といった質問にも、「長い時間をかけて今の宇宙になり、今でも宇宙は広がり続けている」という宇宙の歴史を、「世界の名画、何がすごいの?」という質問には、「住む国や生きている時代が違っても、たくさんの人が感動するというところがすごい」と、なかなかスラスラ出てこないような答えが示されています。これら全ページの答えは、国立大学法人お茶の水女子大学附属小学校、各教科担当の先生方によって監修されています。

2020年教育改革に備える一冊

 本書は「ふしぎ」を軸に、小学校主要10教科にジャンル分けされ、「知識・技能」をただ身につけるだけでなく、それをどのように使うかという「思考力・判断力・表現力」、課題にどのように取り組むかという「主体性・多様性・協調性」までをサポート。2020年の教育改革で求められる“答えのない問題”に取り組む力も育ててくれます。個人的に気になるのは、各ページに必ず載っている「もっと!ふしぎ」という豆知識的なコラムです。ここには、紹介されている内容を自分事に置き換えられるようなヒントが載っていて、物事の知識とは、得るだけではなく活用することが大事なのだと感じられました。

わが子の“伸び時”のサイン「なぜ? どうして?」

「なぜ? どうして?」が「わかった!」に変わったとき、子どもたちの興味はどこまで広がっていくのでしょうか。それは親にとっても楽しみなことです。ですから、質問攻めは、目の前のお子さんの“伸び時”のサインです。このチャンス、逃す手はありません! 本書を広げて、全力で答えてあげてくださいね。キラキラ加工の表紙は豪華でかわいらしく、これからのクリスマスや誕生日、入学・進級のお祝いにも喜ばれるはずです。

文=吉田有希