火は弱めずに一気に仕上げて! 旨味たっぷりの卵とじ/『自炊のトリセツ おいしいごはんの法則』⑧

食・料理

公開日:2020/3/23

長年ビギナー向けの料理書を手がけ、料理初心者の気持ちを知り尽くした料理研究家・栄養士の小田真規子先生が手掛ける自炊本。砂糖・塩・酢・醤油・味噌の5つの基礎調味料を使った、わかりやすく簡単で、絶対に失敗しない料理のコツを紹介します。

『自炊のトリセツ おいしいごはんの法則』(小田真規子/池田書店)

卵のトリセツ5 卵とじ

旨みたっぷりの卵とじは、小さいフライパンで一気に仕上げるのがコツ。煮汁の水分を多くすることで調理中の熱を保ち、その浮力によって卵がふんわり固まります。


材料(1人分)

●鶏こま切れ肉…50g
●玉ねぎ…50g(1/4個)
A ●水…1/2カップ
A ●しょうゆ…大さじ1
A ●みりん…大さじ2
●卵…2個
●粉山椒(好みで)…少々
※菜箸とお玉はあらかじめ準備しておく。

下ごしらえ

玉ねぎは幅3㎜程度の薄切りにする。ボウルに卵を割り入れ、卵黄を菜箸でつついて割り、箸先をボウルにつけて15~20回ほど軽く混ぜる(均一に混ざっていなくてもOK)。


POINT

【白身を切る】混ぜたあと箸先を何度か持ち上げると白身が切れ、卵液がなめらかに。食感がよくなります。

具を入れる

フライパン小(20㎝)にAを入れて中火にかけ、1 分ほど煮立てる。鶏肉と玉ねぎを加えてさらに2~3分煮て、途中、菜箸で上下を返す。


POINT

【調味料は煮立てる】煮立てることでみりんのアルコールが飛び、甘みがまとまり濃厚な味わいに。

卵でとじる

卵1/2量をお玉で中心から外に向かって円を描くように回し入れ、中火で30秒火を通す。


POINT

【卵は中心→外】フライパンは外側のほうが温度が高いので、外から回し入れると卵がすぐ固まってしまいます。必ず中心から外に向かって注いで!

【火は弱めない】同じ火加減のまま浮力を活かし、短時間で一気に仕上げます。

残りの卵液も同様に中心から外へ流し入れ、半熟状になるまでゆすりながら30秒火を通す。最後にフライパンごと斜めに傾け、卵とじをスライドさせるように器に盛り、好みで粉山椒を散らす。


POINT

【フライパンはゆする】残りの卵液を加えたら、フライパンをゆすり、均一に熱をあてながら味を全体になじませます。

卵とじのかんたんアレンジ

ねぎと豚肉の卵とじ

豚肉は小麦粉をまぶすと卵が絡みやすく、食感も柔らかくなります。


材料(1人分)

●豚こま切れ肉…50g
●小麦粉…小さじ1
●長ねぎ…30g(1/3本)
A ●水…1/2カップ
A ●しょうゆ…大さじ1
A ●みりん…大さじ2
●卵…2個
●粉山椒(好みで)…少々
※菜箸とお玉はあらかじめ準備しておく。

作り方

1 長ねぎは幅5㎜ほどの斜め切りにする。豚肉は小麦粉をまぶす。

2 ボウルに卵を割り入れ、卵黄を菜箸でつついて割り、箸先をボウルにつけて15~20回ほど軽く混ぜる。

3 フライパン小(20㎝)にAを入れて中火にかけ、1分ほど煮立てる。1を加え、2~3分煮る。途中、菜箸で上下を返す。

4 2の卵1/2量を、お玉で中心から外へ円を描くように全体に回し入れ、中火で30秒火を通す。

5 残りの卵液も同様に中心から外へ流し入れ、半熟状になるまでゆすりながら30秒火を通す。フライパンごと斜めに傾け、卵とじをスライドさせて器に盛り、好みで粉山椒を散らす。

にらの卵とじ

シンプルににらだけを加えた卵とじ。たっぷりのつゆと一緒に、ご飯にのせても◎。


材料(1人分)

●にら…30g(1/3束)
A ●水…1/2カップ
A ●塩…小さじ1/4
A ●しょうゆ…小さじ1
A ●みりん…大さじ1と1/2
●卵…2個
※菜箸とお玉はあらかじめ準備しておく。

作り方

1 にらは5㎝ほどの長さに切る。

2 ボウルに卵を割り入れ、卵黄を菜箸でつついて割り、箸先をボウルにつけて15~20回ほど軽く混ぜる。

3 フライパン小(20㎝)にAを入れて中火にかけ、1分ほど煮立てる。1 を加え、1~2分煮る。途中菜箸で上下を返す。

4 2の卵1/2量を、お玉で中心から全体に回し入れ、中火で30秒火を通す。

5 残りの卵液も同様に中心から外へ流し入れ、半熟状になるまでゆすりながら30秒火を通す。フライパンごと斜めに傾け、卵とじをスライドさせて器に盛る。

<第9回に続く>