『いま持っている株は手放しなさい!』。株が暴落してからでは遅いのです。あなたの生活が激変することにやっと気がつき始めたこと(後編)
公開日:2020/3/24

いまの株価はようやく正常になったのか?
『いま持っている株は手放しなさい!』(KADOKAWA 塚澤健二)では、
「バブル期を超えて45年ぶりの有効求人倍率の高さ。あなたはそれを正常だと思いますか? それとも異常だと思いますか?」
という問いかけに対して、
「異常です。グラフからわかるように、実は株価と雇用には大きな相関関係があります。でも、よく見ると株式時価総額は下がり始めています。80年代後半のバブル期を見ても株価が下がってから、その後を追うように求人も減っていてます。ということは…… レッツ・シンク!!」
と答えている(本文より)。
このグラフとは、日本株式時価総額と有効求人倍率を比較したもので、確かに連動しているところが多い。

「株価がどうなろうと自分の生活に関係ないのでは?」と思っている人もいるかもしれませんね。
株価が下がるとどういうことが起こるのか。
その影響はまず雇用の部分に出てきます。今は企業に就職したら、よっぽどのことがない限り職を失うことはありませんよね。でも、世界的金融危機というのは、その「よっぽど」のことなのです。「自分は正社員だから大丈夫」などと安心していられる状況ではなくなります。このままボーッと生きていると、周りでリストラなどが始まってきて、自分の番になって初めてビックリ――なんてことも」
と、警告していた(本文より)。
さらに
「金融危機での雇用カットは、リーマン・ショックの時と違って、多くの人に影響を及ぼすはずです。なぜなら、10年前は正規雇用者が多く、企業側は希望退職を募るなど、穏便な形でリストラを行いましたが、現在は非正規雇用者が4割弱ほどいます。企業は、まずはバイトや派遣、契約社員など非正規雇用者をバサバサ切っていくことでしょう」
と書いている(本文より)。
「これまでは、サラリーマンが増えてきた時は、ジェネラリストが求められてきました。つまり、何でも仕事をこなせる人。(中略)これからは、複数のスペシャルを持っているスーパージェネラリスト」か、あるいはそのスペシャリストを教える、スーパースペシャリストしか食えなくなってきています。
(中略)いま何もスペシャルなものを持っていないというのでしたら、今からでも遅くないので何かスペシャルを身につけていく努力を忘れないでください。できればそれを複数身につけていくのが理想です」
とも、付け加えている(本文より)。
人間は目の当たりし、自分に危害が迫らないと気づかないものだ。だが、2020年からの激変は目の当たりにしてからでは遅いということ。その証拠に今回の下落は史上最速で起こっているから、だから事前に予測し、想像して前もって動かないといけないというのが今回の暴落の教訓だろう。
暴落する前に現物株を手放し、本では株価が下がるときに利益の出るETF「日経平均ダブルインバース・インデックス(コード1357)」などを勧めていた著者が、次の著書で何をしたほうがいいのかを教えてくれるのかが今から待ち遠しい。
【著者プロフィール】
塚澤 健二(つかざわ けんじ)
1960年生まれ。株式会社T-Model.i代表取締役。
理系出身経済アナリスト。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。北海道大学工学部卒業後、理系出身アナリスト第1号として、日興リサーチセンター、ジャーデンフレミング証券、JPモルガン証券で、23年間にわたりトップクラスのファンダメンタルアナリストとして活躍。07年10月に独立し、世の中にない独自の予測モデル「T-Model」「T2」による的確な予測を提供して人気を集めている。インターネットラーニング『生活防衛の教室』は350回を超えるロングセラー番組。塚澤.com (http://tsukazawa.com/)を主宰。著書に『そしてフェイク経済の終わりが仕組まれる』『そして偽装経済の崩壊が仕組まれる』『そして大恐慌が仕組まれる』(いずれもビジネス社)、『未来からの警告2 トランプの破壊経済がはじまる』『未来からの警告! 2017年超恐慌時代の幕が開く』(いずれも集英社)など多数。
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