藤本さきこの本喰族!! この世は、神の愛が隅々まで行きわたっている『神父燦燦―カトリック司祭58人に聴く』カトリック新聞社 /連載第13回
公開日:2020/5/7

私にとって本は、食べて吸収し細胞にするもの。
食べることと同じくらいを作っていく。
食物が肉体のエネルギーを作るなら、書物は魂のエネルギーをつくる。
ひとつだけ違うことは、魂には「お腹いっぱい」という感覚がないこと。
お腹いっぱいにするために読むのではないのだ。
この連載「本喰族」では、読んだ本の中から頭に残っている「言葉」から次の本をリレー形式で検索し、魂がピンときた本をどんどん喰っていきたいと思います♡
『神父燦燦―カトリック司祭58人に聴く』カトリック新聞社

カトリックの神父58名に、神父の道を選んだきっかけや、神学生の頃の思い出、挫折しそうになった時のことなどをインタビュー形式にまとめた本。
それぞれの神父の人生が淡々と語られ、それがまったく重苦しくなく、学校の文集を読んでいるような気分になった。
神父には、神に自分の人生すべてを捧げる「自己犠牲」のイメージを、私は持っていた。
なぜ、神父になるという「重大な決断」ができるのか、不思議だった。
たった一度の人生なのに、結婚もせず、子どもも持たず、有名になることやお金を稼ぐといった「人生の楽しみ」をすべて放棄し、自分の人生を神に捧げるのだから。「自分の人生の楽しみを捨てた人」だと思っていた。
とても重い決断に感じた。とても固い想いがあるのだろうと。
しかし、この本の中に出てくる58名の神父たちは、軽やかに笑いながら神父生活を語っている。私たちの毎日の生活とまったく変わりがない。
「成り行きでそうなっちゃたんだよね(笑)」という神父もいれば、
「神の啓示があったんだ」という神父もいる。
「断りきれなくて……」という神父もいれば、
「ナチス解放の時、おじいちゃんが味方のユダヤ人に殺されて、その時に神の声が聴こえた」という神父もいる。
十人十色、どの神父の話も本当にユニーク!
軽快に語られるそれぞれの道が、逆にその奥にある神への信仰をくっきりと浮かび上がらせる。完全に神の存在を信じているのだ。神に仕えること(神の道具になること)こそが、自分たちの心からの喜びであり、幸せ、なのである。
その神とは、この世界のどこかにいるのではなく、自分の内面にいつも一緒にいると言う。
結局、自分自身に仕えることと同じ。神の喜びのために仕えるのではなく、自分の喜びのために仕えているのだ。
神父たちはこぞって、「神はユーモアに溢れている」と言う。
「神様に捕まっちゃった」という言い方もする。
「犠牲」という言葉には、マイナスなイメージが多いが、本来の意味は「重要な目的のために、自分の生命や大切なものを捧げること」。喜んで犠牲になれるって、実はものすごく豊かなことなのではないだろうか。
「この世には毛細血管のように、神の愛が隅々まで行きわたっており、誰一人見捨てられる者はない」。
その意味をたくさんの人に伝えることに、自分の人生を捧げた神父たち。
心から神を信じ、神を感じ取れたからこそだと思う。
どんなに豊かな人生だろうかと、と想像する。
次回は、「道具」というキーワードで美味しそうな本を探します!
文=藤本さきこ
(プロフィール)
藤本さきこ●ふじもとさきこ/株式会社ラデスペリテ 代表取締役
1981年生まれ、青森県出身。累計3万人以上を動員した「宇宙レベルで人生の設定変更セミナー」を主宰する人気講演家。4人の子の母でありながら、実業家としても活躍。1日20万アクセスを誇るアメーバのオフィシャルブロガーとしても知られる。友人と共同創業した「petite la' deux( プティラドゥ)」は実店舗からネットショップへ事業形態を変更。布ナプキンや化粧品、香油、ハンドメイド雑貨を販売。そして、「Laddess perite(ラデスペリテ)」では、自身が開発したオリジナルの万年筆やノートやスタンプ、自ら選んだ文房具を発売し、いまや年商3億円を超える規模に拡大。自らの人生を「明らめた(明らかに見た)」結果、宇宙の叡智に触れる経験をして以来、「女性性開花」をテーマに人生の在り方を追求。著書『お金の神様に可愛がられる』シリーズ3部作はベストセラーになり、『お金の神様に可愛がられる手帳』(いずれもKADOKAWA)は、4年連続で刊行している。