発想は良かった? 世界にはざんねんすぎる兵器がたくさん!/ざんねんな兵器図鑑・極①
公開日:2021/5/18
『ざんねんな兵器図鑑・極』から厳選して全5回連載でお届けします。今回は第1回です。
開発者が大真面目に考えて作った結果、出来上がった“見た目も性能もざんねん”な兵器たちをご紹介。陸・海・空のユニークすぎるざんねん兵器の世界へようこそ!


兵器の中に歴史あり! 潜水艦の誕生
「新兵器」は活躍して歴史に名を残す
人類の歴史は戦いの歴史、その中で多くの人が「新兵器」を考案していますが、実際にその兵器が活躍したのはほんのわずかしかありません。その一例が、H・L・ハンリーが開発したハンリー潜水艇です。
海中から敵を攻撃するという発想は当時すでにあったものの、実際に敵艦を撃沈できたのはハンリーが初めてでした。南北戦争は合衆国(北軍)が勝利し連合国(南軍)は滅びてしまいましたが、ハンリーは「潜水艦」という新しい兵器のスタイルを確立し、その活躍は今も語り継がれています。

所属:アメリカ連合国 年代:1864年
プロフィール
■全長…12.0m
■最高速度…7.4km/h(水上)
■兵装…外装水雷×1
■排水量…7.5t
■乗員…8名
アメリカ南北戦争でアメリカ連合国軍(南軍)に所属した潜水艇。ホレス・L・ハンリーによって開発され、合衆国軍(北軍)の軍艦フーサトニックを撃沈したが、自身も沈没した。
兵器の中に歴史あり! 優れた兵器とは何なのか
ただ強いことが良い兵器の条件ではない
兵器とは、必ずしも強ければ良いというものではありません。第二次世界大戦におけるドイツ軍のティーガーIとアメリカ軍のM4シャーマンは、その好対照と言えるでしょう。
ティーガーIは高い火力と厚い装甲を備え、アメリカやイギリスの戦車を圧倒する強さを見せました。これだけならティーガーIが最良の兵器に思えますが、必ずしもそうとは言えません。ティーガーIはその実力と引きかえに車体が重すぎて整備性が悪く、1輌作るのにとてもお金と時間がかかるのです。
一方シャーマンはスペックこそ劣っているものの、量産性や稼働率の高さなど、スペックでは見えにくい部分でティーガーIより優れていました。そのため、戦争後半になるとティーガーIよりシャーマンの方が物量で圧倒していくようになりました。たとえ性能は並でも、量産できて扱いやすいという要素も兵器には必要なのです。

兵器の中に歴史あり! ジェットエンジンの軌跡
兵器開発は身近な分野にもつながっている
兵器の開発、軍事技術の発展は、私たちの身近にある民間技術とつよく関係しています。代表例が、世界初のジェット戦闘機であるメッサーシュミットMe262シュヴァルベに使われているジェットエンジンです。
今日、ジェットエンジンは飛行機の動力として日常的に使われていますが、元々は軍事的に、相手より速いスピードを出す戦闘機を開発するために研究されてきたものでした。そして実用化されたジェット戦闘機は、第二次世界大戦後に民間へ技術が伝わり、より速いスピードで乗客を運ぶ、ジェット旅客機を生むことになったのです。現代の戦闘機はジェットエンジンを胴体の中に入れてしまうのが多いですが、これは敵の弾に当たらないようにするため。それを考える必要のないジェット旅客機などは、今でもこのMe262のように、翼にエンジンを提げるスタイルが続いています。

所属:ドイツ 年代:1944年
プロフィール
■全長…10.6m
■最高速度…869km/h
■乗員…1名
■全幅(翼長)…12.5m
■兵装…30mmMK 108 機関砲×4
ドイツ軍のジェット戦闘機。世界で初めてジェットエンジンを実用化させた飛行機として知られ、第二次世界大戦末期に活躍した。