最初から皮がむいてあるむき甘栗。あの硬い皮をどうやってむいてるか考えたことある?/ウソでしょ!? マジです!! たべものびっくり事典⑥
公開日:2021/7/12
こざきゆう・えのきのこ著の書籍『ウソでしょ!? マジです!! たべものびっくり事典』から厳選して全8回連載でお届けします。今回は第6回です。身近なたべものから、世界のびっくりたべものまで「たべもの」には、ふしぎや歴史がいっぱい! 知ることで、今まで以上においしくて楽しくなる、たべもの雑学をお教えします。

むき甘栗は人の手でむいている

クリの実を熱した小石で焼いて作る、甘栗。甘くておいしいけど、クリの皮をむくのがちょっとめんどうだね。
そこで、最初から皮がむいてある甘栗が人気だ。この甘栗の皮は、なんと、工場で加工するときに人の手でひとつひとつ、ていねいにむいているんだ。
というのも、機械ではむくのが難しいから。結局、自分でむく代わりに、ほかの人がむいてくれていたというわけ。
あるむき甘栗工場では、ひとりで1日に1500個も皮をむいている。手慣れた人なら、なんと1分間に30個もむいちゃうんだって。
また、甘栗に使われるのは、日本のクリとはちがう、「天津甘栗」の名で知られる中国の品種。じつは日本のクリは渋皮といううすい皮がはがれにくく、甘栗には向いていないんだ。天津甘栗は加熱すると、外側のかたい皮や渋皮がパリッとむきやすくなるんだよ。
ところで、小骨がない魚の切り身を食べたことはないかな? これもまた、食べやすくするために、甘栗のように、人の手が加わっている。魚から、小骨の1本1本をていねいに取っているんだ。
もともとは、病院やお年寄りの施設で、骨がのどにささる事故を防ぐために始められたこと。それが広がり、今では一般的な商品として売られるようになったんだ。
