別れの場面やお礼を伝える場面。どんなフレーズが好印象?/人間関係がラクになる 言い方&返し方の技術
公開日:2021/9/18
「何か言われてもうまく返せない」「言葉足らずでイラッとさせてしまう」など、会話でのモヤモヤを実感することはありませんか?会議がウェブ上で行われるようになっても、メールでのやり取りやSNSの活用が増えても、コミュニケーションの重要性は変わりません。
そこで、伝える力【話す・書く】研究所所長である山口拓朗さんが、会話がスムーズにいくようになるうまい言い方や、一目置かれるスマートな返し方をご紹介します。
いますぐ役立つ!お礼や感謝の気持ちを伝える場面で好印象な「言葉」とは?
※本作品は山口拓朗著の書籍『好かれて人間関係がラクになる! 言い方&返し方の技術』から一部抜粋・編集しました

お別れの挨拶

\ 無愛想 / × それでは、また
\ 好印象! / 〇 お話しできて嬉しかったです。失礼いたします
言いかえPOINT
「それでは、また」だけでは淡白すぎて、相手に「なんだか感じが悪いなあ」と思われかねません。別れる際の定番フレーズは「失礼します」ですが、それだけでも少しそっけない印象。お目にかかれた嬉しさやお礼の言葉を添えると、グッと丁寧な印象になります。笑顔で「お話しできて嬉しかったです」と伝えればGOOD!
\ う~ん / × お疲れさまでした。さようなら
\ スマート! / 〇 ご足労いただき、ありがとうございました。
言いかえPOINT
相手に足を運んでもらったにもかかわらず「お疲れさま」や「さようなら」だけで済ませようものなら、雑な対応だと思われても仕方がありません。「ご足労」は「足を疲れさせる」ということを意味する敬語。雨の日なら「あいにくの雨のなか~」などと添えれば、気遣いが感じられ、別れ際の印象がよくなります。
\ イヤな感じ / × すいません、急いでおりますので
\ スマート! / 〇 本日は次の予定がありまして
言いかえPOINT
次の予定があり、急いで立ち去らなくてはならない場合に、「急いでいる」と自分の都合を押しつけて、慌てて立ち去るのは失礼。「次の予定がある」と伝えることで、相手にも快く納得してもらえます。事前に「本日は別件があり、○時で失礼させていただきます」と予定を伝えておくとスマートです。
感謝を伝える

\ 普通… / × ありがとうございます
\ 好かれる! / 〇 心より感謝申し上げます
言いかえPOINT
「ありがとうございます」はお礼を伝える定番フレーズ。コミュニケーションには欠かせないフレーズですが、より丁寧に気持ちを伝えるなら、「心より感謝申し上げます」や「感謝してやみません」「感謝の気持ちでいっぱいです」などの言い方を使い分けましょう。直前に「○○していただき~」と添えると、さらにスマートです。
\ 普通… / × お世話さまです
\ 好印象! / 〇 いつもお力添えいただき、誠にありがとうございます
言いかえPOINT
「お世話さまです」は砕けた表現なので、少し敬意に欠ける印象です。部下や後輩、上下関係のない相手に対して使うのはOKですが、目上の人や社外の人に対して使うのは控えましょう。「お力添え」は、「力を貸してもらい」という意味。お世話になった感謝を伝えたいときにぴったり。プライベートでも使えます。
\ ムムッ… / × お忙しいところ、わざわざすみません
\ スマート! / 〇 お忙しいところお時間をいただきありがとうございます
言いかえPOINT
「すみません」は申し訳ない気持ちを含む言葉なので、お礼を伝えるには不向き。素直に「ありがとうございます」と伝えましょう。「わざわざ」は、ときとして上から目線だと受け取られ、相手に不快感を抱かせてしまうことがあります。「お忙しいところお時間をいただき~」と言うのがオススメです。
仕事のお礼

\ 普通… / × お世話になりました
\ スッキリ! / 〇 おかげさまで○○することができました
言いかえPOINT
お礼の言葉が「お世話になりました」だけでは、ぶっきらぼうだと思われても仕方がありません。力を貸してもらったときは「おかげさまで○○できました~」「ご尽力のおかげです」「○○さんのおかげにほかなりません」と具体的な内容を添えたり、相手の名前を出したりすることで、感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
\ 普通… / × お疲れさまでした
\ スマート! / 〇 ご尽力いただきありがとうございました
言いかえPOINT
「お疲れさまでした」は相手をねぎらう言葉であり、感謝を伝えるには不十分。仕事で力を借りたときは「ご尽力いただき」や「ご協力いただき」「お骨折りをいただき」などがオススメ。場面に応じて、「ご配慮いただき」「ご教示いただき」「お口添えいただき」など最適な言葉を選びましょう。
\ う~ん / × 本当に助かりました
\ デキる人! / 〇 ありがたく存じます
言いかえPOINT
親しい間柄であれば「本当に助かりました」でもOKですが、大きな仕事やかしこまった冠婚葬祭の場面では、一段上の丁寧さと気配りが大切。「ありがたく存じます」という謙譲語を使えば礼儀正しく感謝の気持ちを伝えることができます。“恐縮する” という意味を含ませたいときは「痛み入ります」も使えます。
\ 普通… / × いろいろとありがとうございました
\ 好印象! / 〇 お礼の言葉もありません
言いかえPOINT
言葉では表現できないくらい深く感謝していることを伝えるには「いろいろとありがとうございました」では物足りません。たっぷりと気持ちを込めて「お礼の言葉もありません」と伝えてみましょう。感謝してもしきれないという意味の「感謝(の念)に堪えません」を使うのもオススメです。
\ う~ん / × (助言へのお礼)とてもためになりました
\ 好かれる! / 〇 大変励みになります
言いかえPOINT
助言していただいたお礼を伝える場合、近い存在の先輩や上司であれば「ためになりました」を使っても問題ありません。一方、かなり上の立場の人には馴れ馴れしい印象を与えてしまうことがあります。「大変励みになります」とお礼の気持ちを伝えれば、誠実さ、礼儀正しさを印象づけられるでしょう。
\ う~ん / × (ほめ言葉へのお礼)私なんて、全然ダメで…
\ スマート! / 〇 そのようなお言葉をいただき光栄です
言いかえPOINT
おほめの言葉をいただいたら、素直に嬉しい気持ちを伝えましょう。謙遜のつもりであっても「私なんて全然ダメで…」などと、後ろ向きな言葉を発すると、ほめてくれた人をガッカリさせてしまうかもしれません。ほめられたとき、笑顔で「光栄です」と前向きな言葉を使える人は相手から可愛がられます。
\ ムムッ… / × おかげさまです
\ 好印象! / 〇 お力添えいただいたおかげです
言いかえPOINT
「おかげさまで〜」は決まった形の言い方なので「おかげさまです」は文法的に間違った使い方。「おかげさまで○○できました」とするのが正解です。ほかにも、「○○さんのおかげで○○できました」という表現も使えます。相手の名前や具体的な内容を添えることで、感謝の気持ちがより伝わるでしょう。