新一年生へ! 入学前おすすめBOOK(2023年3月 新刊&おすすめ絵本)

文芸・カルチャー

公開日:2023/3/25

さぁ、いよいよ一年生! ピカピカのランドセルや文房具。学校、教室、勉強に、初めて出会う友だち。 これからの新しい毎日に、ワクワクきらきらした期待でいっぱいのはず!

でもきっとそれだけでなく、「お友だちできるかな……」「学校ってどんな所なんだろう」「先生に怒られたらどうしよう……」というドキドキや不安を抱えている子もきっといるはずです。

いろんな気持ちを抱えはじめる学童期のスタート。さまざまな変化を優しく受け止めながら、そっと背中を押してくれる絵本やおはなしを集めました。

大人のみなさんも、我が子の不安な気持ちは痛いほど感じているはず。ご自身が一年生だったあの頃を懐かしく思い出しながら、隣にいるお子さんに寄り添ってあげてくださいね。

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おおきくなるって、どんなこと? 広がる世界へ歩み出していく子どもたちへ。成長の節目に贈りたい一冊『おおきくなるっていうことは』

おおきくなるっていうことは

作:中川 ひろたか絵:村上 康成

みどころ

2歳が3歳になって、4歳になって…
どんどん大きくなる子どもたちに向かって、私たち大人は言わずにはいられません。

「おおきくなったね」

でも、子どもたちはどう感じているのかな。
おおきくなるって、どういうことなのかな。
この絵本は、一緒に考えてくれます。

「おおきくなるっていうことは…」

洋服が小さくなるってこと。新しい歯がはえてくること。
あんまり泣かないこと、高いところに登れること。
それから、それから。

小さい子どもたちの毎日は「おおきくなる」喜びでいっぱい!
だけど、園長先生は言います。

「おおきくなるっていうことは
 じぶんより ちいさなひとが
 おおきくなるってこと」

それって、どういうことなのかな?

ピーマン村シリーズの中でも、特に進学・卒園の時期に人気のこの絵本。保育士でもあった中川ひろたかさんが投げかける一つ一つの言葉は、小さな子どもたちが自分たちでも考えられるように優しくわかりやすいのです。そして、そのシンプルな言葉に心情をのせてくれるのが村上康成さんの絵と構成。熱い気持ちには体温を感じる背景色、未知の世界へ飛び出していくかのような場面には、白の背景を。読んでいる人たちが思い思いに気持ちを映していきます。

ところで、おおきくなるっていうのは、どういうことなのか。大人だって一緒に考えたくなる一大テーマなのかもしれません。読んだあとも、絵本を大切にとっておいてくださいね。

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学校「いきたくなーい」に、おかあさんねずみが思いついた作戦は……? 子どもへの向き合い方のヒントにも『ねずみのでんしゃ』

ねずみのでんしゃ

作:山下 明生絵:いわむら かずお

出版社からの内容紹介

明日から始まるねずみたちの“ちゅうがっこう”。でも7つ子たちは「いきたくなーい」。そこでお母さんはいいことを思いつきます。

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ワクワクドキドキ、悲しいうれしい……谷川俊太郎さん&和田誠さんコンビが紡ぐ一年生のみずみずしい気持ち『いちねんせい』

いちねんせい

詩:谷川 俊太郎絵:和田 誠

みどころ

一年生になった時って、どんな気持ちだったかな。
どんなことを考えていたっけ。

この絵本は、谷川俊太郎さんの詩と和田誠さんの絵で、初めての学校生活にふみ出す新一年生の期待と不安と感動が入り交じった日常を生き生きと描き出します。

「せんせいが わたしの なまえを よびました
 せんせいは わたしの なまえを しってるんだね」

「わたしは たかしくんが すき 
 でも どうすればいいか わからない」

「ぼく このやろと いったら
 あいつ ばかやろと いった」

一つ一つの詩から聞こえてくるのは、子どもたちのささいなつぶやき。
でも、声に出して読んでみると、豊かな言葉の世界が広がっていきます。
そういえば小学校生活って、こんな風にこまぎれな毎日が重なりあって出来ていたなあ・・・
なんて大人も思い出します。
新学期がはじまって、緊張でちょっぴり凝り固まっている子どもたちが読めば、
心を開放してくれるような気持ちよさもあるかもしれませんね。

さあ、新一年生の諸君!
大きくて広くて豊かな小学校生活が待っています。
『いちねんせい』を大きな声で読んで。
ランドセルにピカピカの教科書をつめて。
元気に小学校へいってらっしゃーい!!

時代を超えて子どもたちに愛されてきた、ロングセラー詩集です。

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かっこいいな、ぼくだけのランドセル! 期待も不安もまるっと詰め込んで、さぁ、飛び出そう!『ランドセルがやってきた』

ランドセルがやってきた

作:中川 ひろたか絵:村上 康成

みどころ

ある日、うみひこくんが、ようちえんから帰ってくると、大きな箱が届いています。
「あ、おじいちゃんから」
開けてみると、入っていたのは…ランドセル!
「やったー!ランドセル!うゎおー!あお!」
かっこいい。おじいちゃんは、ぼくの好きな色を覚えていたんだ。

早速、背中にしょってみると、なんだか大きい。
「だって 6ねんせいに なるまで つかうのよ。」
とお母さん。そうか、6ねんせいかぁ。
うみひこくんが、中に色々入れて、外へ出かけてみると、近所の人たちが声をかけてくれます。「りっぱだねぇ」「かっこいいね」ちょっぴり、おにいさんになった気分です。
「あ、そうだ! 」
うみひこくんは、大事なことを忘れていましたよ……。

新一年生になる直前の、ドキドキとワクワクが入り混ざった、あの特別な期間。新しいことばかりが始まるんですから、当然ですよね。だけど、そんな時に、初めて手にする自分だけの「ランドセル」。その嬉しさに、不安なんて一気に吹きとんでいきます。

中川ひろたか&村上康成の大人気コンビによる、春にぴったりなこの絵本。うみひこくんの張り切る様子に、読んでいる方も清々しい気持ちになってくるのです。
かっこいいね、青いランドセル。そして、がんばれ新一年生!

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「1ねんせいになんて、なりたくない!」駄々をこねるとのさま……どうする、家来たち!? 愉快なおはなし絵本『とのさま1ねんせい』

とのさま1ねんせい

作・絵:長野 ヒデ子 本田 カヨ子

出版社からの内容紹介

あの、おかしなとのさまが帰ってきた! ちょんまげなのに、ランドセル!
長新太さんも赤木かん子さんも大絶賛した幻の絵本『とのさまサンタ』の続編、待望の刊行!

とのさまは、あそぶの、だいすき。おべんきょうは、だいきらい!
「いやじゃ、いやじゃ。1ねんせいになんて、なりたくないのじゃ!」
困りはてた家来たちは…

クラスが爆笑のうずに包まれる読み語り絵本!

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教室にあるおなじみの道具たちが繰り広げる、ほっこり楽しいおはなし30話。ひとり読みや読み聞かせにもぴったり『おはなし きょうしつ』

おはなし きょうしつ

作・絵:さいとう しのぶ

みどころ

学校に通う子どもたちが教室でふだん目にしている、たくさんの道具やものたち。
ページを開くと、なにやら楽しそうなひそひそ声が聞こえてきますよ。
ちょっと聞いてみましょう。

「ふでばこ」―ふでばこがしたじきに、もんだいを出しています。
「さて、もんだいです。きょう、ぼく ふでばこの なかには、なにが はいっているでしょうか?」
したじきはすぐに こたえます。「えんぴつと けしごむと ものさし、それから、あかえんぴつも はいってる」
「せいかいです。でも、まだ、なにか はいっています」…。
(さて何がはいっていたのでしょうか?)

「うわぐつ」―うわぐつの かたほうが いいました。「あした、おやすみだよね」「うん、そうだよ」もうかたほうが答えると、
「もうすぐだね。もうすぐしたら、いえに かえって きれいに あらって もらえるんだね」「たのしみだね」…。
(うわぐつたちは、このあと無事に洗ってもらえたのでしょうか?)

教室で使われているものたちがどんなことを考えているのか、それぞれの特徴がよく表れていて、なるほど!と思ったり、くすっと笑ってしまったり。他にも、リコーダーとピアニカ、あかしろぼう、ランドセル、給食のパン、黒板消し、通知表など、教室でおなじみのものがつぎつぎに登場してきては、楽しいお話を繰り広げていきます。
1話の長さは見開き1ページ。親子での読み聞かせタイムや、学校でのちょっとした時間の読み聞かせにもちょうどいいボリューム。読み終わった後には「どのお話が好きだった?」と気に入ったお話を交流してみたり、お話のオチをクイズにして出し合ってみるのも面白そう。さらに何かお話を作ってみようかなと、子どもたちの想像力や創作意欲もかきたててくれそうです。

見ているだけで楽しくなるような明るい色使いで、愛らしい教室の仲間たちの様子をユーモラスに描いているのは、ことばあそび絵本『あっちゃんあがつく』でおなじみのさいとうしのぶさん。次は何が出てくるのかな?どんなお話なんだろう?と気になってどんどんページをめくってしまいます。あっという間に読み終わってしまったら、次は台所にある道具や食べものたちが活躍する第1弾『おはなしだいどころ』も合わせて、どうぞ。

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関連書籍

おはなし だいどころ

作・絵:さいとう しのぶ

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一緒に帰ろう!友だちが誘ってくれたのに、家が学校から1分のさくらちゃんは……。子ども心に寄り添う物語『さくらちゃんのかえりみち 』

さくらちゃんのかえりみち

著:かさい まり絵:吉田 尚令

出版社からの内容紹介

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新学期に読みたい友だちづくりの絵本
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新学期は、新しいクラスが始まって、期待と不安が混ざってドキドキしますね。
さくらちゃんも、クラスにまだ仲良しの友だちがいません。学校から友だちと帰りたいのに、家が近くて誰も誘ってくれません。そんなある日、転校生のあおいちゃんが一緒に帰ろうと声をかけてくれます。嬉しいさくらちゃんは、つい家が遠いと嘘をついてしまって……。

子どもの心のゆれに寄り添いながらお話作りを続けるかさいまりさんの、心温まる友だちの物語。

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【ちょっと内気な子、友だちづくりに悩んでいる子にお勧め】の絵本です。
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読者・保護者からの声
・さくらちゃんの通学路の話は今の自分と重なって、友だちと肩並べて帰るのが楽しいのがすごく伝わってよかったです(小1女の子)
・この絵本を通して友だちの作り方だったり、友だちが子どもの小学校生活の心の支えになることがわかった気がします(小1女の子のママ)

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【動画公開中】世界を知る 自分と出会える絵本22選

文/竹原雅子 編集/木村春子

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