『二人と一匹の本格捜査ミステリー1消えたボウリングボールの行方』読書感想文コンクール結果発表(文研出版)

文芸・カルチャー

公開日:2023/11/20

ほの国法律事務所、弁護士法人クローバー主催(文研出版 協力)で開催された「二人と一匹の本格捜査ミステリー」感想文コンクールの受賞者が決定いたしました。お知らせと共に、応募いただいた皆様全員に心より感謝申し伝えます。

二人と一匹の本格捜査ミステリー(1) 消えたボウリングボールの行方

著:村松由紀子 絵:ao

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出版社からの内容紹介

『ホワイト』で保管していたボウリングボールが盗まれた!
退屈していた冬休みにその事件がとびこんできた。現場は父親が働くボウリング場「ホワイトボウル」。週末に行う大会用に預かっていたプロボウラーたちのボールが十個も盗まれたらしい。頼りになるのは出入り口の監視カメラ。でもあんな重いものをどうやって?なんのために?小学五年生のリョウタは、幼馴染のナナ、愛犬のジュンとともに、ボールを見つけるべく動き出す。現役弁護士が描く本格捜査ミステリー!

審査員メッセージ

全ての感想文を楽しく読みました。

小学生の皆さんは一つ一つの場面を丁寧に読んで、素直に感動したり、喜んだりしている姿勢が印象的でした。大人であれば、読み飛ばしてしまうような細かい部分に対する観察力に驚かされたりもしました。

中学生以上の皆さんは、自分自身の体験に置き換えて共感したり、今後に生かそうとしたりするところが、流石だと感じました。「小学生向きかと思ったけれど、本当に面白かった」の声をたくさん頂き嬉しく思っています。

リョウタとナナとジュンの今後の活躍も是非見守って下さい!

(著者・村松由紀子)

本を読んで思い出された経験、イラスト、ジュンくんやリョウタ、ナナのことなど、たくさんの観点から感想があつまり、物語をひろくとらえなおすことができました。本を読んだみなさんの楽しい気持ちやドキドキする気持ちがぐんぐん伝わり、どれもほんとうに素晴らしい感想文でした。

(文研出版 編集部)

感想文抜粋

*トリックなど本の内容に触れています。未読の方はお気を付けください。

小学生の部 最優秀賞 八木菜々海さん

私がこのお話で、一ばんかんどうしたのは、お父さんがはんにんじゃないと分かったところです。お父さんがはんにんだったら、家族もバラバラになってしまうので、リョウタの気もちがすごく分かってドキドキしました。でも、ナナがはげましてはんにんじゃないと分かったときなみだが出そうなぐらい、うれしかったです。そのときのイラストも、すごく良かったです。ジュンが、よかったねーと言うかおをしていてかわいかったです。

小学生の部 優秀賞 河津美詞さん

もしも私のお父さんが犯人だったら、リョウタのように信じられなくて気まずくなってしまうかもしれません。でも「犯人じゃないかもしれない」と思い直して、大きな布ぶくろを探していて、私だったらできないなと思いました。なぜなら、もしも本当にお父さんが犯人で、大きな布ぶくろの中身が盗まれた三つのボールだったらとこわくて見れないかもしれないので・・・。

それでも、リョウタが大きな布ぶくろを探せたのは、ジュンとナナがいたからだと思います。

小学生の部 審査員特別賞 松尾悠月さん

うれしかったことは、リョウタのお父さんが犯人じゃないということが分かったことです。もしも自分のお父さんが犯人だってうたがわれると悲しいけど、犯人じゃなかったら安心して、うれしい気持ちになると思いました。絵を見るとリョウタがなみだを流しているのに気がつきました。そのことから私は、なみだを流すほどうれしかったんだなと思いました。

中学生以上の部 最優秀賞 吉田帆花さん

この物語に引き込まれた最初のシーンは、リョウタとナナがガラスケースの中のボールを発見したところだった。場所が予想外で驚いたし、自分がみつけたわけでもないのに、なんだか少し、うれしくなった。ここからは機械室に入るシーンでドキドキしたり、怪しい雰囲気を出してくる中川さんをリョウタたちと一緒になって疑ったりしながら、どんどん話を読み進めた。

 本を読む手がとまったのは、八十五ページ。リョウタが、布ぶくろを持ったお父さんをパソコンで確認した時だった。ショックだった。信じられなかった。ここで初めて、私は、本の語り手のリョウタに感情移入していたことに気がついた。最初からここまで読んできてリョウタが考えたように、お父さんには“動機”があることもわかってしまった。だから、ナナがお父さんをかばってくれてもより不安になって、「相棒は解散」なんて言ってしまうリョウタの気持ちに共感した。お母さんを気にして無理に夕飯を食べるリョウタの姿も、合唱部でうまく歌えなかった日の自分に重なって思えて、私も辛く感じた。

中学生以上の部 優秀賞 川又 彩さん

私がこの話で一番印象に残ったところは、リョウタとナナがリョウタのお父さんが犯人になる証拠を見つけてしまう場面です。リョウタは動揺してナナに怒鳴ってしまったり、お父さんやお母さんに不自然な態度をとって黙っていたりして心配をかけていました。でも、次の日ナナに正直な気持ちを伝えると、仲直りできてまた一緒に犯人を探すことができました。

 私はこのリョウタの行動に共感しました。私も動揺していて心配されている時に、その時の気持ちや意見を言わないでいることがよくあるからです。

 部活で次の大きな大会に向けて練習をしている時に、一年生にアドバイスや家でやってきてほしいことがたくさんあって、私が伝えなければいけませんでした。でも伝えられないまま練習を続けていってしまって、このまま練習を続けていると間に合わない状態になっていました。顧問の先生にも、「一年生に練習してほしい事ややってきてほしい事があるなら、ちゃんと言いなさい。」と注意されてしまいました。私はちゃんと伝えておけばよかったと後悔し、次からはちゃんと伝えようと思いました。

中学生以上の部 優秀賞 原 理人さん

私は続きが気になって夢中になって読み進めました、こんなに続きを読みたいと思う本は初めてで、漫画よりも楽しく読んだかもしれません。

様々な局面があり、最後は動機も犯人もわかりましたが、人間は追いつめられるとつまらない罪をつい犯してしまうのだと知りました。私はそこまで追い詰められたことは思い当たりませんが、学生が入試でカンニングなど時々ニュースで見聞きします。後でわかったら犯罪者より不合格のほうがましなのに。私はよく考えて行動しようと改めて思いました。

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