井口裕香「地球みたいに丸いおしりが撮れた」。“飾らないエロさ”を意識して生まれたセカンド写真集「MORE MORE MORE」の本気度を語るロングインタビュー

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更新日:2024/4/26

井口裕香さん

 声優・井口裕香さんがセカンド写真集「MORE MORE MORE」を発売した。約12年ぶりとなる本作は、鍛え上げられた体と大胆なカットが話題を呼んでいる。

 本記事では井口さんにインタビューを実施。写真集への意気込みや手応えを聞いた。「“地球みたいだな”と思えるくらいの存在感のあるおしりが撮れた」など、包み隠さず語られたエピソードの数々をお届けする。

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■むちっとした、丸みのある女性の写真集が好き

――今日は2nd写真集「MORE MORE MORE」の取材なんですが、1st写真集の「Le chouchou」を持ってきてみました。

井口:わ、なつかしい!(笑)

――12年前の本ですもんね。1st写真集も、今回の2nd写真集も、内容からとても楽しそうに撮影に取り組んでおられる様子が伝わってきます。

井口:あはは。たしかに、撮影には昔から前のめりです。

――1st写真集の刊行時のことを、少し振り返っていただいてもよろしいですか?

井口:あのときは仕事というよりも、ご褒美のような感覚でしたね。アーティストデビューもそうですけど、当時は今以上に、声優業から派生した別のお仕事ってがんばったからもらえるチャンスというか、ご褒美みたいな時間だと思っていたんです。だから本当に「うれしい!」「楽しい!」気持ちばかりだったんですよ。このときはまだ、体作りもしっかりしていないときでしたしね。運動はもともと好きではあったんですけど、今のようにトレーニングはしておらず、本当に素直に生まれ育ったままの自分というか、20代のポテンシャルを詰め込んだみたいな写真集でした。

――今回、2nd写真集を出すきっかけはなんだったんですか?

井口:以前から出したい気持ちはあって、いろいろなところで実際に口に出してもいたんです。その話を「My Girl」(※女性声優のビジュアルブック)の担当編集さんが聞きつけて、声をかけていただいたのがきっかけですね。時期は去年(2023年)の8月くらいだったと思います。「My Girl」ではそれ以前に、タイトなニットのワンピースを着たりして、それまでにない雰囲気での写真を撮ってもらったことがあったので、その流れで提案していただけたのかな? と。

――井口さんとしては、いつでもお話があれば応じるつもりで。

井口:そうです、そうです。もともとグラビアアイドルさんやタレントさんの写真集を見るのが大好きで、「機会があったらこういう表現をしてみたい!」みたいな欲はずっと溜まっていたんです。「今の私が写真集を出せるなら、こうしてみたいな」と、思い描いたイメージがあったというか……だから、企画が決まってから撮影までの3、4ヶ月のあいだに、がんばってしっかり体を作りました。

――写真集はどなたのものを?

井口:もう、ホントにいっぱいありますよ!! 一番好きなのは篠崎愛ちゃんで、他には深田恭子さん、優香さん、あとは三上悠亜ちゃんもすごい好きです。他にも大量に買ってます。

――どちらかというとスレンダーというよりはグラマーな方がお好きな印象ですね。

井口:そうなんです!! むちっとした方が好きなんです。シュッとしているより、女性らしい丸みがある女性の写真集が好きですね。

――眺めているときって、どんなお気持ちなんでしょう?

井口:まず、ひたすらにかわいい(笑)。かわいいものを見るとテンションが上がります。骨格から華奢な方の写真集だと、お人形さんを見てる感覚ですね。そして、むちっと触りたくなるような質感の女の子だと、単純に私がその方が好きだからというのもあるんですけど、「こんな体になりたいな」という、理想の体型を見ている感覚になります。触りたくなるような、包まれたくなるような、「ふわっと感」みたいなものが、私にとっては女性の写真集を見るときの最大の魅力です。

井口裕香さん

■「やっぱり、おしりだな!」

――井口さんの2nd写真集では、その理想に近づくために肉体改造にかなり本格的に取り組まれたというのがひとつポイントではないかと思うのですが。

井口:ポイントです! 人間は変われる!!(笑)

――(笑)。具体的にはどんなことをされたんですか?

井口:め〜っちゃくちゃトレーニングしました! まずはコロナ禍で10キロ以上太ってしまった体重を落とすことから始めて、ただ、30代を超えてからただダイエットをすると、やつれた、くたびれた感じに見えてしまうことが多いと聞いていたので、そうならないように残すところを残し、締めるところを締めるようなパーソナルトレーニングをお願いしました。毎日のようにいろいろなところでトレーニングをして、食事も変えて。たとえば、アフレコ現場で他のみんながクッキーとかのお菓子を食べてる横で、ひとり、私は持っていった芋をおやつとして食べてる……みたいな(笑)。

――方法自体はシンプルなんですね。食事を変えて、パーソナルトレーニングをしっかりやる。

井口:そうですね。パーソナルトレーニングはふたつ通いました。ひとつはその前から見ていただいていた、全身くまなくバランスを見てくださるところ。もうひとつは、この写真集を出すにあたって、「おしりを鍛えたい」と思ったんです。

――「おしりを鍛えたい」。

井口:女性には、お胸はもちろん、ウエストのくびれとか、いろいろ魅力的なパーツがありますけど、「やっぱり、おしりだな!」と最近思うようになって(笑)。

――努力の成果が如実に出るという。

井口:そうなんです! がんばればがんばるほど、ちゃんと引き上がったり、「ぷりっ」となる。布をまとっても、まとわなくても、女性らしさが出せる部位ってお尻だな……と考えるようになったので、おしりのトレーニングをしたくて、下半身を重点的に鍛えていただけるトレーナーさんを探して、お願いしました。あとは筋トレだけではなく、有酸素運動でフィールサイクルにも通いました。週5くらいのペースで運動していましたね。

井口裕香さん
撮影/倉本侑磨

――ストイックに取り組まれてらっしゃったんですね。声優業もお忙しいわけじゃないですか。

井口:いやいや、ぼちぼちでんな(笑)。

――あはは(笑)。仕事を変わらず続けながら、スケジュールの中にトレーニングを組み込むのは大変だったんじゃないですか?

井口:ぜんぜんです! というのも、1日の中でアニメのアフレコが入る時間は大体決まっていますし、その枠を全部使わないこともありますから、空いた時間にトレーニングを入れやすいんです。それにむしろ、体を動かすことで調子が上がるくらいで。

――そうなんですか?

井口:声優のお仕事ではなるべくノイズを立てないように、体を動かさないようにしゃべるのが基本なので、体が固まりがちなんですよ。ずっと同じ姿勢をしていると、「動きた〜い!」となる。だから運動をスケジュールの合間にするのは、いい気分転換になってました。

――社会人だと何かと会食の機会もありますよね。それはどうされてました?

井口:少し前から、「いろいろな人とご飯に行って、知らないこと、新しいことを得る」という目標を立てていたので、食事のお声がけをいただいたら、「ダイエット中だから」と断るのはなるべくしたくなかったんです。だから率先して行くくらいだったんですけど、行ったお店で自分が食べるものは選ばせてもらう感じでしたね。

■一緒にトレーニングしてくれる子を探させてください

――ボディメイクの成果は、写真集に先行してinstagramで積極的に発信されていました。こちらの反響はいかがでしたか? 新しいファンが増えたのでは。

井口:女の子のフォロワーさんが増えた気がします。イベントでも女の子が来てくれる回数が増えたような。もちろん男性も、「自分もトレーニングしてます!」みたいな方がフォローしてくださったりしたんですけど、同性で、トレーニング前の私を知っているからこそびっくりする方が多いみたいです。「こうやって努力したら、変われるんですね! ダイエットのモチベーションが高まりました!」みたいに声をかけてくれる女の子も増えていて、そういう人たちに向けて、「一緒にトレーニングがんばろうね!」みたいな気持ちで投稿することも増えています。そういうまた違ったコミュニケーションができているのは、うれしいですね。

――鍛えるといいことしかないですね。

井口:そうなんですよ! 健康的になるし、気持ちも明るくなるし。運動はいいぞ! ……これをね、声優界にも広めたい。みんなに「一緒にトレーニングしよう!」と誘ってるんですけど、ピラティスやヨガはよくても、ごつい筋肉がつきそうなものはどうも断られがちで。この場を借りて、一緒にトレーニングしてくれる子を探させてください! みんな、やろう!

――新しいファンということでは、セクシーな魅力に惹かれてフォローしてくださった方もいるのでは?

井口:それもあるかもしれませんね。声優の仕事とか、アニメとか、そこまで興味がなかった人たちにとって、作品に触れたり、より詳しく知ったりするきっかけになれていたら、それもまたうれしいことです。逆もそうですね。声優さんのことは知っていても、トレーニングには興味なかった人たちが、「ちょっと運動してみようかな」と思ってくれる、きっかけになれたらいいなとも思っています。

井口裕香さん

■「なんだか地球みたいだな」と思えるくらいの存在感のあるおしり

――今回の写真集の撮影に際してこだわった点を教えてください。

井口:35歳で女性声優が写真集を出せる……特に昨今、フレッシュな若手の子たちがいっぱいいる中で出させてもらえるのは、とても意味があるというか、ありがたいことだと考えていたんです。なので今の私が出せる表現を全て詰め込みたいと思って、好きな写真集を見ながら感じとってきた、35歳ならではの大人っぽさ、表情みたいなものが出せたらいいなとは、作っているあいだにずっと意識していました。フレッシュさよりは熟した感じの魅力が出せたらいいな、と。

――「こういうメイクにしたい」「こういうポージングはぜひ入れたい」だとか、あとはシチュエーションや衣装のこだわりはありましたか?

井口:それでいうと、おしりはもちろんなんですけど、私、下乳が好きなんです。お胸は谷間もいいんですけど、下乳の隙がある感じがたまらなくて。狙った大人っぽい写真も好きなんですけど、不意の瞬間をおさえた、飾らないエロさが、自然体な「下乳チラ見え!」みたいな写真がすごく好きなので、今回の写真集にも盛り込んでもらいました。

井口裕香さん
撮影/倉本侑磨

 おしりがはっきりとメインになっている写真は、私としては「なんだか地球みたいだな」と思えるくらいの存在感のあるおしりが撮れたと思うので、注目してほしいですね。そのおしりと、鍛えたからこそできる背中の筋……私の好きなところって、わかりやすくいうと「おしり」なんですけど、正確には「腰からおしりにかけてのライン」なんです。その部分を魅力的に撮ってくださったカメラマンさんにはホントに感謝、感謝です。個人的な写真集の推しポイントは、そんなところですね。

――ご自分としてもかなり手応えがあった感じですね。お話をうかがっていると。

井口:いやー、ホントに! 3ヶ月、頑張ってよかった! マジで手応えありです。自分の理想とする体を目指して、まだまだもっと絞りたいところはあるんですけど、ダイエットをする前の私と、してからの私は、体ももちろん違うけど、表情とか、他にもいろいろなものが違うなと思います。手応え……ありまくりですね!

■おしり、成長中です。

――写真集もそうですし、こうして目の前で向き合っていても、自然な自信を感じる表情だと感じます。

井口:内から来る自信というか、自然に楽しめているというか。ダイエット前は「こんなお洋服を着てみたいな〜。でもな〜……」と、何となく体のラインが隠れるような服ばっかり自然と着ていたんですが、今はそういうのもなく。服に負けないようなトレーニングをしてきたからこそ、大胆な水着だって着られる。「トレーニングは裏切らない!」……そんな気持ちを、この一冊に込めてみました。声優デビューから20年を経て、ずっと応援してくださってる方への「いつもありがとう」「私も知らなかった私を見てね」の気持ちも込めていますし、今まで私を知らなかった方にも届いてほしい。35歳、大人女子の気合いみたいなものを、見ていただけたら。

――それだけの写真集だと、率直に思います。

井口:おお〜、よかったです! これは私が勝手に考えているだけですけど、今後、女性声優さんが写真集を出すとき、露出度のひとつの基準にしてくれたらうれしいんですよね。「どうします? 井口裕香るか、井口裕香らないか」みたいなことを言われるような(笑)。

――井口さんご自身も、ここからまだまだ先を目指すわけですよね?

井口:撮影が終わってから年末年始を経て、結構お酒も解禁したり、甘いものも解禁したりしていますけど、美味しく食べるにはやっぱり運動が大事だなと思っているので、運動は楽しいし、続けてるんです。何よりもおしりは、育てれば育てるほどちゃんと丸くなっていく……理想とするおしりがあるので、まだまだ鍛えたいですね。多分、今の方が、写真集のときよりもさらにいいおしりをしてると思います。おしり、成長中です。

井口裕香さん

取材、文=前田久 撮影=金澤正平

【タイトル】井口裕香 写真集 MORE MORE MORE
【発売日】2024年4月3日(水)
【定価】3520円(税込)
【仕様】A4変形 / 104P
【発行・発売】(株)KADOKAWA
【撮影】倉本侑磨
【URL】https://lit.link/yukaphotobook

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