休み明けに憂鬱なとき、どうすれば? うつ病とは異なる「適応障害」のセルフチェックも。心療内科医に聞く、適切な「会社の休み方」
更新日:2025/1/16
どのくらいの期間、休めばいい?
そもそも体調が整っていないと、社会人として働けません。まずは有給休暇で1週間休んで体調を整え、それでもダメなら次のステップに進みます。その場合、私は1カ月くらいの休職をお願いしています。1カ月でも足りないようなら、休職の延長を相談します。
心療内科の予約がなかなか取れない時は…?
心療内科の初診予約はなかなか取れず、2~3カ月後や半年後になることがよくあります。初診を待つ間に、ご自身でも「ご飯をしっかり食べる」「体をしっかり動かす」など、基本的な社会人生活をなるべく崩さないようにして体を整えましょう。環境面を整えるにしても、人の補充や入れ替えには時間がかかるはずです。体調面と環境面、どちらかが詰まる時があると思うので、詰まったらもう片方を進めるなど、保険をかけて進めていくのがおすすめです。
繁忙期で休めない時はどうすれば?
有給休暇で1週間仕事から離れると少しは体調が良くなるはずです。休んだら、その場をしのぐために一旦復帰し、落ち着いてから改めて休職するのがおすすめです。体調が悪い時は何も考えられないと思いますので、体調を少しでも整えてから次の手を考えましょう。
心療内科医からのメッセージ
自分が休むと会社に迷惑をかける…と気にする人は多いのですが、会社は意外と合理的に考えています。会社の規模にもよりますが、体調不良で調子が悪いと事情を話せば、基本的に、速やかに対応してくれる印象があります。会社にとっても、社員の体調が悪くては働かせることはできませんから、働きやすい環境をどんどん整えてくれるようです。クリニック開設から1年9カ月ほど経ちますが、診断書を書いたのに休めなかったケースは2~3件しかありません。
「会社の休み方」を考えることは、働き方を考えることでもあります。ただ、その調整には時間がかかります。ストレスがまだ軽いうちに主治医や人事・労務に相談することで、早い復帰を望めるはずです。
文=吉田あき
(プロフィール)
薮野淳也(やぶのじゅんや)
産業医・心療内科医。1988年、東京都出身。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、徳島大学医学部へ。認定産業医、認定スポーツ医、健康運動指導士、健康運動実践指導者。大手企業の産業医として日本オラクル株式会社のほか、スタートアップ企業から東証プライム上場企業まで、10社以上の様々な規模・職種の企業の産業保健業務に従事し、経験を積む。2023年より、南青山にビジネスパーソンのための内科・心療内科「Stay Fit Clinic」を開設し、院長を務める。得意分野は職場のメンタルヘルスと運動療法。