【ひとめ惚れ大賞】自分だけが見られると思うと、余計にかわいく見えてくる『寝起き女子』写真家・花盛友里インタビュー

文芸・カルチャー

2018/4/7

    『寝起き女子 girls in the morning』
    花盛友里
    装丁:加藤タイキ、星山真輝(LAUNDRY)
    編集:小島一平
    ワニブックス 1500円(税別)

家に泊まりに来た友人の寝起きをよく撮っていたんです。最初は特に意識していなかったのですが、個展用の写真を選んでいたとき、寝起きのカットを多く選んでいる自分に気づいて。寝起きってかわいい、とあらためて思って始めたのが、このシリーズです。
寝起きの顔ってあまり目にしないから、特別感がありますよね。誰もが見られるわけじゃなくて、自分だけが見られる。そう思うと余計にかわいく見えてくるんじゃないでしょうか。

撮っている私が女性なので、この作品群はもちろん男性視点は入っていないです。なるべくニュートラルに、セクシーに見えすぎるカットは避けました。でも、帯にはちょっと男性視点を入れたくて。「次にこの顔を見るのは誰なんだろう」というコピーを書いてくれたのは男性です。とてもいいですよね。男の人の視点だけど性的ではない。この『寝起き女子』は、ずっと寄り添っている女の子の寝顔を撮りたかったんです。仲良しの子とか、ずっと付き合っている彼女とか。愛があるからこそさらにかわいく見える、という。

撮影させてもらったのはもとからメイクも濃すぎず自然体の子が多いのですが「(起きたら)そのままにしておいて」とお願いしていました。私、何もしていない無防備な姿が好きなんです。普段の仕事ではきれいにお化粧をしている姿を撮っているわけですが、モデルさんがすっぴんでスタジオに入ってきた瞬間こそいちばんきれいに感じたりするんですよね。

それにしても、大人になればなるほど友人の寝顔を見る機会って減っていきます。当たり前のように見ていた寝顔も、だんだん会わなくなってしまったりして見られなくなる。あとから、すごくいい時期だったと気づく。寝起きを見られる青春っていうものがあるぞ、ということも伝わったらうれしいです。

|| お話を訊いた人 ||

花盛友里さん●1983年大阪府生まれ。フォトグラファー。2009年よりフリーランスとして活動開始。本作の姉妹編とも呼べる『寝起き男子』を5月末に発売予定。「女の子には気を遣いましたが、男子は予告時間より前に突撃して撮りました(笑)」と花盛さん。

取材・文/田中 裕 写真/首藤幹夫