更年期障害の上手な乗り越え方とは? 頑張り屋さんにこそ知ってほしい更年期のこと

健康・美容

2019/1/14

 女性特有のからだの不調やトラブルで悩んでいませんか。「お医者さんに行くほどではない…」「デリケートなことなので人には聞きにくい…」そんな体の悩みを、All Aboutガイドであり、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長の清水なほみ先生に聞きました。自分のからだと向き合い、健やかに過ごす手助けとなってくれることでしょう。

更年期障害

 更年期とは、だいたい45歳くらいから約10年の「時期」を指しますので、誰もがその年齢を迎えれば自動的に「更年期」になります。この時期にホルモンが急激に減少することによって、さまざまな体調の変化や精神的な症状が出るのが「更年期障害」です。

 どのような症状がどの程度現れるかは、個人差が非常に大きいので、「ちょっと汗が出やすくなったかな」「なんとなく暑がりになったような気がする」という程度でやり過ごせる場合もあれば、ほてり・めまい・頭痛・肩こり・動悸など体の不調がいっぺんに重なって日常生活が送りにくくなったり、うつ傾向が強く出て家事もできなくなるといったケースもあります。

 更年期の症状は、何か検査をして「このくらいの数値であれば治療が必要です」と判断するものではなく、「自覚的に」どの程度症状が現れているかによって治療の必要性を判断します。要するに、「本人がつらければ治療した方がよい」ものなのです。しかし、更年期症状が出やすい方の特徴として「頑張り屋さん」「我慢強い」という傾向があります。なので、本当は治療をした方がよいのに「自分の我慢が足りないからだ」と、ますますひとりで抱え込んで自分の負担を大きくしてしまう場合もあります。

 更年期障害の症状は、これからおよそ30年から40年あまりを女性ホルモンがない状態でいかに自分の心身とうまく付き合っていくか「人生の走り方」を見直してくださいね、というサインなのです。常にフルアクセルで、自分の許容範囲を超えて頑張り続けてきた人ほど、「そのままの走り方では早くガス欠になってしまいますよ~」と体が優しくブレーキをかけてきます。心身の不調が出れば、否応なしにいったん立ち止まる必要性が生じますので、体が自分を守るためにそういった症状を引き起こしてくるのです。

 そのため、更年期障害を改善するために最も大事なことは、「この先の人生の走り方を見直す」ということです。人によっては、この先の「行き先」が明確に設定されないまま、「頑張らなければ認めてもらえない」といった漠然とした不安に追い立てられて走り続けてしまっていることもあります。まずは自分の人生のハンドルを握り直して、カーナビに明確な行き先をセットし直し、アクセルもブレーキも「自分で」調整できるようにしていきましょう。

 そうは言っても、このつらい症状を今すぐにどうにかしたい!という場合は、我慢せず婦人科を受診してみてください。更年期症状を和らげる治療法には以下のようなものがあります。

*ホルモン補充療法:足りなくなってきた女性ホルモンを補う方法です。ほてり・発汗・関節痛・気分の変調などの症状に有効です。乳がんや血栓症になったことがある場合は使えませんが、ほとんどの方は安全に使える治療法です。

*漢方療法:出ている症状や体質に合わせて漢方薬を使います。更年期の症状かどうかはっきりしない、「なんとなく疲れやすい」「むくみやすい」「めまいや動悸」などの不定愁訴にも有効です。

*プラセンタ療法:ヒト胎盤ホルモン(プラセンタ)の注射を行う方法です。連日~週1回くらいの頻度で通院が必要です。乳がんの既往など、ホルモン補充療法が使えない場合にも使用できます。

*自律神経調整薬:自律神経失調症の症状に対して、主に神経を鎮める作用を持つ薬を使うことがあります。ほてりや発汗だけでなく、動悸や息切れなどにも有効です。

*抗うつ薬・抗不安薬・睡眠導入剤:抑うつや不安感や不眠など、精神的な症状がメインの場合、ひとまず症状を軽くするための薬を使う場合もあります。長期に使用すると依存性が現れてしまう薬もあるので、カウンセリングなどによる症状の根本解決も同時に行った方がベターです。

 更年期という時期は、人生を折り返してしばらくたった頃。まさに「第2のステージをどう生きるか」を見直す時期なのです。これからのおよそ30年から40年あまりをより自分らしく輝けるように、気になる症状があれば気軽に婦人科で相談してみましょう。