北村匠海「読むことも、書くことも好きなんです。いつか本当に小説を書いてみたい。それが僕の“プチ夢”です」

あの人と本の話 and more

公開日:2019/9/10

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、劇場アニメーション『HELLO WORLD ハロー・ワールド』で声優に初挑戦した北村匠海さん。SFに対する熱い愛について聞いた。

北村匠海さん
北村匠海
きたむら・たくみ●1997年、東京都生まれ。9歳でデビュー。2011年より、ダンスロックバンド「DISH//」としても活動。主な映画出演作に『君の膵臓をたべたい』『君は月夜に光り輝く』など。今年11月には『影踏み』、20年には『サヨナラまでの30分』『思い、思われ、ふり、ふられ』などが公開予定。
ヘアメイク:佐鳥麻子 スタイリング:Shinya Tokita 衣装協力:シャツ2万9000円(リトルビッグ/リトルビッグTEL03-6427-6875)、パンツ 3万2000円(ヨーク/スタジオ ファブワークTEL03-6438-9575)(すべて税別)、その他スタイリスト私物

 まもなく公開される『HELLO WORLD ハロー・ワールド』で主人公・堅書直実の声を演じる北村さん。自身が大変コアなSFファンであり、声優初挑戦がSFアニメーションとは無上の喜びと語る。

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「SFって単純にめちゃめちゃかっこいいですよね。僕はまず、『ファーストガンダム』から『ガンダム』シリーズにハマって、一番好きなのは『機動戦士Ζガンダム』です。それから『AKIRA』にやられました。同じ大友克洋さんの作品『スチームボーイ』、押井守さんの『攻殻移動体』『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』なんかも大好きです。今年は『AKIRA』に描かれた2019年。2020年に東京オリンピック開催っていうのも、重なるんですよね。今、『AKIRA』ファンにとって熱い時代なんですよ。『HELLO WORLD ハロー・ワールド』では、『AKIRA』のネオ東京ならぬ2027年の京都。そういう設定も嬉しくて興奮しました」

 ネオ東京に限らず、今、かつてアニメーションに描かれた未来が、どんどん現実として近づいてきているのではないかと北村さんは続ける。

「伊藤智彦さんが助監督をされた『サマーウォーズ』の仮想世界とかアバターとか、もう目の前の未来ですよね。本当に『攻殻機動隊』の電脳世界とか、実現するんじゃないかと思ったりもします。そうしたら僕、真っ先に義体化(サイボーグ化)します(笑)。最先端技術大好きですから。PlayStation VRも実は買っちゃって、VRでテトリスやったりしてます(笑)」

 本誌では読書についての思いも語ってくれた北村さんだが、“書くこと”にも興味があると言う。

「学生の頃、村上春樹さんに憧れて、一度小説を書いてみたことがあるんです。まあそれはひどい出来だったんですけど(笑)。でも今も読むこと、書くことが好きなんですね。音楽では作詞作曲もやっていて、物語を書くように曲を作るタイプなんです。曲は4~5分という短いものですが、それをもっと膨らませて、いつか本当に小説を書いてみたい。それが僕の“プチ夢”なんです」

(取材・文:松井美緒 写真:鈴木慶子)

 

映画『HELLO WORLD ハロー・ワールド』

映画『HELLO WORLD ハロー・ワールド』

監督:伊藤智彦 脚本:野﨑まど キャラクターデザイン:堀口悠紀子 出演:北村匠海、松坂桃李、浜辺美波、福原 遥、寿 美菜子、釘宮理恵、子安武人 配給:東宝 9月20日(金)全国ロードショー
●京都に暮らす男子高校生・堅書直実の前に、10年後から来た自分を名乗る青年ナオミが現れる。ナオミによれば、直実は同級生の瑠璃と結ばれるが、その後彼女が事故で命を落とすと言う……。
(c)2019「HELLO WORLD」製作委員会