「この曲を聴いたらあの時を思い出すみたいな感覚を表現したい」“音楽×漫画”の可能性を描く、漫画家・くそごりインタビュー

マンガ

更新日:2021/11/1

日曜日のボクはまた肩を落とす

 新人コミック大賞佳作(小学館)、ヤングスペリオール新人賞佳作(小学館)、モーニング月例賞奨励賞(講談社)など、数々の新人賞の受賞歴を持つ期待の新人漫画家くそごり氏。キャッチーで可愛らしい絵柄ながら、名曲を想起させ深く読む人の心に残るその作品はどのようにして生まれているのか。着想を得ている音楽や、作品に込めた思い、作画に影響した意外な人気作などを聞いた。

――新人賞の受賞作に選ばれたときの気持ちを教えてください。

くそごり氏(以下、くそごり)受賞連絡を受けたとき、残業続きで心が荒んでいたので、精神的にかなり回復しました。ちなみに、講評を読んだときにボロクソ評価で心が荒みましたのでプラマイゼロです。

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――普段はサラリーマンなんですね。受賞作は、「Teenage Dirtbag」(新人コミック大賞佳作)「live forever」(ヤングスペリオール新人賞佳作)など、タイトルに曲名を使用しているものが多いですよね。漫画に音楽の要素を取り入れることについて、どのような思いがありますか?

くそごり 名曲という虎の威を借る狐です。まぁ、音楽を聴いて、創作意欲が沸くタイプなので、音楽を基に作品を作ることが多いです。Oasisの“LiveForever”について言えば、カートコバーンの自殺に対して「いや生きろよ」というノエルなりのアンサーソングだと思っています。ノエルが「自殺」とか「生きること」に対してこのように表現しているのなら、俺はこう表現するかなという感じで、作品を作りました。

――他にはどんな音楽から着想を得て作っていますか?

くそごり 最近は、テクノみたいな漫画を作りたいなと思っています。繰り返し繰り返しからの解放みたいな感じです。面白いのかわからないです。

日曜日のボクはまた肩を落とす

――くそごりさんの作品に登場する女の子は、目を惹く可愛さがありますよね。女の子を描くときにこだわっていることを教えてください。

くそごり 自分の絵柄は、基本的に『実況パワフルプロ野球』から影響を受けているので、パワプロを参考に描いています。特に、『栄冠ナイン』のマネージャーの女の子に多分に影響を受けています。

――言われてみれば…気が付かなったです。新人賞を受賞されたり、SNSで作品をアップされたりしていると、さまざまな反響があると思います。嬉しかったコメントはありますか?

くそごり 僕の作品を引用RTして、自分語りしているツイートが好きです。あぁ、僕の作品があなたの人生のちょっとした隙間に入り込むことができたんだぁ…みたいな。

――ダ・ヴィンチニュースでの新連載「日曜日のボクはまた肩を落とす」の作品に込めた思いを教えてください。

くそごり 僕は、人生の中で、音楽を聴かなかった期間がなく、自分の思い出というのが音楽とリンクしています。この曲を聴いたら、あの時を思い出すな~みたいな感じです。その感覚を表現したいなと思っています。

――楽しみにしています!「くそごり」というペンネームがとても印象的ですが、由来を教えてください。今後変更する予定はありますか?

くそごり 僕が幼少期の頃に、「うそ!?」を「うほ!?」と言っていたらしく、その頃から、兄姉から「ごりら」と呼ばれるようになりました。その名残です。「くそ」の部分は、口の悪さです。地元では普通です。

――ご出身は福岡県柳川市でしたよね(笑)。最後に、今後の目標はありますか?

くそごり 人の心に残るような漫画を描いていきたいです。「あぁくそごりの漫画は俺のバイブルだ…」と世のサブカル系の人達に言わしめたいです。下北沢で売れたいです。

日曜日のボクはまた肩を落とす

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