『なぜ、サボる人ほど成果があがるのか?』無駄を省いてタイパ向上! 年末年始に読みたい、ビジネスで差をつける本4選

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公開日:2024/1/3

 年末年始で心機一転、新年は前年の反省を生かしつつ、新たな姿勢で何事も取り組みたくなる。仕事環境もそのひとつで、前年に「上手くいかなかったなぁ…」と思う部分をリセットし、見直すチャンスにも繋げられる。

 そこで紹介したいのが、日常で取り入れるべき習慣を教えてくれるビジネス書の数々だ。テキストや対面でのコミュニケーション、効率アップに役立つものなど、内容も様々。寒さの厳しい年末年始、こたつやストーブで温まりながらじっくり読める、おすすめのビジネス書を4冊紹介していく。

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■温度感が伝わりづらいチャットのコミュニケーションを解決

テキストコミュニケーション力の基本
テキストコミュニケーション力の基本』(小澤美佳/日本実業出版社)

 テキストでのコミュニケーションでは、対面とは異なる気づかいも大切だ。そのコツを伝えるのは、書籍『テキストコミュニケーション力の基本』(小澤美佳/日本実業出版社)である。

 現代はメールだけではなく、チャットツールも日常化した。企業によって環境も様々、Chatork、Slack、Microsoft Teams……と、ツールの選択肢は数あれど、チャットでのコミュニケーションに必須の要素は変わらない。

 テキストコミュニケーションでは、温度感が伝わらず苦手意識を持ってしまう人もいる。その解消法として、ポジティブな内容ではとりわけ「具体的に、テンション高め」に発信する、温かさをもたらすために文末を「。」で終わらせないなど、文面の事例と共に展開する本書の内容は実践的だ。友人とのLINEなど、プライベートでの応用も利く。

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■人気お笑い芸人を育てた講師に学ぶユニークなビジネススキル

 お笑い芸人、タレントなどを養成するNSC(吉本総合芸能学院)の名物講師による『1秒で答えをつくる力――お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術』(本多正識/ダイヤモンド社)は、思考やコミュニケーションのスキルを得られる1冊だ。

 著者は、ナインティナイン、ケンドーコバヤシ、フットボールアワーらを育ててきた、吉本興業の漫才作家兼NSC講師だ。「限られた時間で自分の考えていること」を伝え、笑いを生む漫才のメソッドはビジネスにも役立つ。

 目にする情報を「強制的に」ほめてリアクション力を身につける、コミュニケーションでは「結論1つ、短文3つ、装飾品3つ」の法則で話を展開するなど、方法もユニーク。日常に新たな視点をもたらすようなノウハウが凝縮されている。

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■まず行動で「結果」を出すために注意したいビジネス用語の本質

 ビジネスでは、あらゆる言葉が多用される。ただ、結果にこだわるのであればその使い方も重要。ビジネスコンサルタントの著者による『絶対達成する人は「言葉の戦闘力」にこだわる』(横山信弘/PHP研究所)は、デキるビジネスパーソンへ近づくための第一歩となる。

 例えば、日常的に使いがちな「モチベーション」の一言も、注意を向ける必要がある。モチベーションとはすなわち「動機」だが、当たり前にやるべきことではなく「それ以上の行動をとるため」に使うのが、本来の理想的な使い方だと本書からは学べる。

 言葉に出すより、まず行動を。「PDCAを回していこう!」なども例に取り上げ、口に出すだけではなく言葉の本質をみきわめて、真の結果を出せる人間になるための方法を教えてくれる良書だ。

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■タイムパフォーマンス向上に役立つ「サボる」技術

なぜ、サボる人ほど成果があがるのか?
なぜ、サボる人ほど成果があがるのか?』(理央周/日本実業出版社)

 タイムパフォーマンスは、多くの人が求めるワークライフバランスを保つためにも欠かせない。大手企業を渡り歩いたマーケティングコンサルタントの著者による『なぜ、サボる人ほど成果があがるのか?』(理央周/日本実業出版社)は、日常から「ムダ」を取り除くヒントを与えてくれる。

 本書を読むと、タイムパフォーマンスの高低を決めるポイントは、数多くあると気が付く。例えば、必要な作業をみきわめる「タスク」管理の方法だ。急がば回れで、著者は実作業へ入る前に仕事をいったん「棚卸し」しようとすすめる。営業職なら「事前準備→アプローチ→アポイント→商談→受注」のようにプロセスを書き、各作業の意義なども整理しておけば、のちに似たプロセスの作業を任された場合でも応用が利く。

 提出書類は修正も見越して「67%」の完成度で出すのが理想など、効率化を図るためのメソッドを詰め込んだ本書。タイトルに「サボる」とはあるが、けっしてネガティブな言葉ではなく、上手にサボるのは効率化アップに必要だと気付かせてくれる。

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 他者の知見や経験を学べるビジネス書は、自身の姿勢を見つめ直すきっかけにもなる。様々なノウハウは、心機一転で臨む新年の職場でも必ず役立つはずだ。

文=カネコシュウヘイ

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