上司への資料は「100%」ではなく「67%」で提出するのが鍵? タイパを向上させ仕事を効率化させるヒント

ビジネス

公開日:2023/7/7

なぜ、サボる人ほど成果が上がるのか?
なぜ、サボる人ほど成果が上がるのか?』(理央周/日本実業出版社)

 ワークライフバランスも叫ばれる昨今、仕事だけにエネルギーを吸い取られてしまっては理想の生き方は実現できない。今必要なのは、いかに効率よく「サボる」かという意識。けっして手を抜くという意味ではなく、タイムパフォーマンス(以下、タイパ)を意識すれば、不思議と成果を上げることができるようになるのだ。

 書籍『なぜ、サボる人ほど成果が上がるのか?』(理央周/日本実業出版社)は、大手企業を渡り歩いてきたマーケティングコンサルタントの著者がタイパ向上のための具体的なスキルを教えてくれる一冊。日常のムダを改善すれば、できるビジネスパーソンになるのも夢ではなくなる。


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タイパ向上のためには一度「タスク」を書き出して整理するのがベスト

 本書では、ビジネスの現場でよくあるシチュエーションをもとに、タイパの低い人と高い人を比較しながら、具体的なメソッドを紹介してくれる。

 例えば、ビジネスの現場ではタスク管理の重要性がしきりに叫ばれている。ただ、タイパの低い人は「自分のタスクをなんとなく」でこなしている一方、高い人は「自分のタスクを一度整理する」ように心がけているという。

 そう聞くと“整理する時間がムダでは……?と考える人もいそうだが、“急がば回れ“ということわざもあるように、結果、タイパ向上につながるのは納得できる。

 著者の理央周氏は、自身の作業を「具体的に把握」するため、「自分の仕事を一度棚卸しして、すべてのタスクを書き出してみましょう」とすすめる。紹介されているのは「プロセスで整理する方法」だ。

 自身が営業係だとしたら「事前準備→アプローチ→アポイント→商談→受注」といった基本的なプロセスを書き、さらに、それぞれの段階ごとにどのような価値や作業があるかを書き込む。各タスクの重要性や意味合いを理解できると共に、一度作ってしまえば応用が利くので、その先の長期的なタイパ向上も期待できるはずだ。

上司に頼まれた資料は修正も考慮して「67%」の状態で提出

 ビジネスパーソンであれば、上司から資料作成を任されるときもあるはずだ。ただ、なかには修正指示を繰り返されて、そればかりに時間や手間を取られてしまう人もいるだろう。

 著者によると、タイパの低い人は「最初から100%の完成度」をめざして作業し、上司へと提出してしまう。しかし、タイパの高い人は「まずは67%のドラフト(叩き台)」を見せるよう、意識しているという。

 この「67%」とは「いい加減な資料」もしくは「分量が67%」という意味ではない。形式的には上司が骨格を把握できる状態の資料が真意であり、なおかつ、自身が修正可能な日数を計算したうえで提出する必要がある。

 例えば、マーケティング資料であれば「どんな人に、どんなアプローチで、どのぐらいの予算を使って、どのくらいの効果が期待できるか」を箇条書きにして、まず上司にドラフトを見せるのがベター。修正も考慮して余裕を持って作成すれば、かえってムダを省くことができる。

 本書ではこの他にもスケジュールの組み方や、メールの使い方など、ビジネスの現場でありがちな作業の最適解を伝えている。必要な項目を読むだけでもOK。日々の業務を見直せるはずだ。

文=カネコシュウヘイ

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