チャットの語尾が「。」だと冷たく伝わる問題を解決! 職場でのチャットをスムーズにする77のルール

ビジネス

公開日:2023/3/1

テキストコミュニケーション力の基本
テキストコミュニケーション力の基本』(小澤美佳/日本実業出版社)

 ビジネスシーンでは、メールに加えてチャットでのコミュニケーションが浸透した。Chatwork、Slack、Microsoft Teams……など、その場で即座に仕事相手とやり取りできるツールを、日常的に活用している人たちは少なくないだろう。

 ただ、便利さの裏には不便さもある。相手の感情が読めない、メッセージがわかりにくいなど、チャットならではの悩みはよく聞く。こうした声に応えるのが、書籍『テキストコミュニケーション力の基本』(小澤美佳/日本実業出版社)だ。

 メールやチャットを使うメリットやデメリット、メール・チャット上で意識するべき表現やルールを学べる本書は、現代ビジネスパーソンにとって必携の1冊ではないだろうか。

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文章に温かみをもたせるなら「ちょっとオーバー」気味に表現

 テキストコミュニケーションの悩みはさまざまだが、例えば、テキスト上で「温度」が感じられず、相手がひょっとして「怒ってるのかな」「機嫌が悪いのかな」と、ヤキモキした経験はないだろうか。もちろん逆もありうる話で、似た対応をすれば、自分がやり取りしている相手も同じ感情を抱きかねない。

 言葉の使い方次第で「リアルよりも冷たく」感じられかねないのが、テキストコミュニケーションの難点。伝える際は「ちょっとオーバー」気味で書くのがいいと、本書はすすめている。以下は、その例文だ。

テキストコミュニケーション力の基本 P109

 相手への感謝を述べるなど、ポジティブな内容のときは「具体的に、テンション高め」に伝えて、信頼関係をグッと縮める。不備を指摘するなど、ネガティブな内容のときは「状況を具体的」に伝えると、相手の理解がスムーズになり、のちの改善にもつながる。

語尾の使い方を工夫して相手との距離をグッと縮める

 相手が誰であろうと、コミュニケーションを円滑に進められる方が仕事は上手く行く。文章の「語尾」ひとつで相手への印象がガラッと変わるテキストコミュニケーションでは、ちょっとした気遣いも大切だ。

 例えば、後輩や部下へ指示する場合には、あえて断定をせず「かも」で文章を終わらせると、相手の気持ちも軽くなる。以下は、本書にある例文だ。

テキストコミュニケーション力の基本 P115

 報告書の誤りを指摘するケースだが「間違いがある」と断言すると、後輩や部下のモチベーション低下につながりかねない。「かも」を付けることでやわらげれば、本来の「間違いに気づいてもらって、正しく直してもらう」という目的を達成しやすくなるはずだ。

 また、語尾を「。」で終わらせないようにするのも、相手への配慮になる。先輩や上司から「自分の出した案を却下されそうな」場合のよい例と悪い例を見てほしい。

テキストコミュニケーション力の基本 P143

テキストコミュニケーション力の基本 P144

 先輩や上司の指摘に対して「わかりました。」と一言だけ返すのは、ムスッとしているように見えるのは想像が付くはずだ。「ご検討くださりありがとうございます!」と感謝を伝えた上で「わかりました!」とハキハキ返せば、より印象もよくなる。相手との距離が近ければ、絵文字で締めくくってもよい。

 本書ではこの他にも「1対1」「対複数」など人数別のシチュエーションに応じた具体例など、テキストコミュニケーションにおける77個のルールを学べる。もはや職場で必須となったチャット・メールの使い方を見直してみよう。

文=カネコシュウヘイ

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