カンヌ受賞の坂元裕二脚本をお手元に! 是枝裕和監督『怪物』シナリオブックが上映劇場などで発売中

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公開日:2023/6/6

怪物

 ※本記事は、「MOVIE WALKER PRESS」からの転載になります。

『万引き家族』(18)の是枝裕和監督と、『花束みたいな恋をした』(21)の脚本家である坂元裕二、そして日本を代表する作曲家として世界で活躍した坂本龍一がタッグを組んだ『怪物』が公開中。TOHOシネマズ全上映劇場を含む82の映画館(※6月2日現在)や、全国の書店やAmazon、カドカワストア、MOVIE WALKER STOREでは、本作の公開に合わせて脚本の“決定稿”を完全収録したシナリオブックが発売された。

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カンヌ国際映画祭で2冠達成! 世界が認めた坂元裕二脚本のルーツを、隅々まで味わう
©2023「怪物」製作委員会

 先頃行われた第76回カンヌ国際映画祭ではコンペティション部門に出品された本作は、公式上映後には9分30秒におよぶスタンディングオベーションと共に熱烈な賛辞を獲得。日本映画としては、のちにアメリカのアカデミー賞で主要部門にノミネートされたことでも知られる『ドライブ・マイ・カー』(21)以来2年ぶり2度目の脚本賞と、日本映画初の「クィア・パルム賞」の2冠に輝いた。

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 物語の舞台は、大きな湖のある郊外の町。ある日小学校で起きたけんかをきっかけに、息子を愛するシングルマザーと生徒思いの学校教師、そして無邪気な子どもたちの主張が食い違い、やがてメディアを巻き込む大ごととなっていく。安藤サクラや永山瑛太、田中裕子ら実力派キャストに加え、これが映画初出演となった黒川想矢と柊木陽太が演じるふたりの少年の瑞々しく情感豊かな演技に、すでに世界中の批評家からも大絶賛が巻き起こっている。

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映画本編からこぼれ落ちたセリフや詳細な人物描写など、脚本の“決定稿”が完全収録

 シナリオブックに収録される“決定稿”とは、脚本家が最終的にまとめた脚本のことで、撮影現場での演出や編集によって完成した映画からこぼれ落ちた会話も盛り込まれた、いわば『怪物』のルーツと呼べるもの。これまで「東京ラブストーリー」から「カルテット」、「大豆田とわ子と三人の元夫」「初恋の悪魔」など幾多の傑作を世に送りだしてきた坂元裕二脚本の妙ともいえるセリフ回しや登場人物の描写など、映画本編だけでは味わいきれなかった細部まで知ることができるファン必携のアイテムとなっている。

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坂元裕二ファンはもちろんのこと、映画ファンならお手元に揃えておきたい一冊
©2023「怪物」製作委員会

 映画鑑賞後に読むことで、すれ違いながらも繋がろうとする人間の業や美しさを描いた坂元と是枝監督の想いがより鮮明に見え、読み返すたびに新たな発見と出会えることだろう。またシナリオブックを読んでから再び映画館に足を運び、初見時とは異なる視点からこの物語を観るのもおすすめだ。是非ともこの機会に、カンヌ国際映画祭で世界を虜にした坂元裕二脚本の世界をじっくりと堪能してほしい!

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