ドラマ化決定!お仕事小説「令和ブルガリアヨーグルト」も話題の「明治ブルガリアヨーグルト」発売50周年記念発表会レポート

文芸・カルチャー

更新日:2023/12/26



左から(株)明治 松田克也代表取締役社長、原菜乃華、博多華丸、博多大吉。

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 日本を代表するヨーグルト、「明治ブルガリアヨーグルト」が2023年に発売50周年を迎え、乳酸菌研究成果発表も兼ねたイベントが開催。ブルガリア共和国経済産業大臣や、世界最先端の医学・生物学の権威、フランス・パスツール研究所の教授らが来日。明治との共同研究から生まれた、ヨーグルトや乳酸菌の可能性などを発表した。また、明治全面取材協力のもと、乳酸菌視点(!)で描かれたお仕事&「推し事」小説「令和ブルガリアヨーグルト」が来場者全員に配布され、より「明治ブルガリアヨーグルト」を深く味わえるイベントだった。

写真/茂木行野 文/河内文博(アンチェイン)



明治HD(株)の川村和夫代表取締役社長CEO。「“meijiらしい健康価値”に挑む」とグループのスローガンを来賓や記者陣に伝え、その決意を新たにした。

原菜乃華ら登壇! 《正統こそが未来を作る》「明治ブルガリアヨーグルト」発売50周年記念発表会レポート

「本場」が称える「明治ブルガリアヨーグルト」!

「明治ブルガリアヨーグルト」は、1970年に開催された大阪万博の「ブルガリア館」で明治の社員が本場のプレーンヨーグルトを試食したことが開発のきっかけ。以後、本場の味を再現するため、何度もヨーロッパへ足を運んだのだとか。社員の努力が実り、71年に日本初のプレーンヨーグルトとして発売。ブルガリア共和国の国名使用許可も得て、73年に「明治ブルガリアヨーグルト」に名称変更。以降、現在に至るまで多くの人々に愛されている、日本におけるヨーグルトの代名詞だ。
 12月4日、乳酸菌研究成果発表も兼ねた「明治ブルガリアヨーグルト」発売50周年記念発表会が開催された。オープニングで登壇したのは、明治HD株式会社代表取締役社長の川村和夫CEO。いまや日本を代表する商品になった「明治ブルガリアヨーグルト」、そしてそこから生まれた明治グループとブルガリア共和国の縁について語り、今後も医薬品や食品開発に尽力したいと力強くスピーチを締めくくった。
 次いで、ブルガリアのボグダン・ボグダノフ経済産業大臣ほか来賓から、明治の乳酸菌研究や、健康長寿の研究への取り組みなど、50年にわたる功績に惜しみない賛辞が贈られ、明治が長年にわたって築いてきたブランド力、信頼関係を強く感じることができた。

研究者から見た乳酸菌の新たな可能性



パスツール研究所のジェラール・エベール免疫学部門教授。明治とともに乳酸菌などの共同研究を行っている。

「私たちは何10億の微生物とともに暮らしています。その最大の細菌叢(さいきんそう)があるのが腸です」。そう話すのは、明治と共同研究を行うパスツール研究所のジェラール・エベール免疫学部門教授。エベール教授はガンを患うマウスが、薬とR-1乳酸菌の菌株を併用して摂取すると、薬のみのマウスより、治療効果が強化されたと実験成果を発表。来年には、日本パスツール研究所の創設も予定されていると締めくくった。



慶應義塾大学・創薬研究センターの金倫基教授。「腸漏れ」や「腸管バリア」の構造メカニズムを分かりやすく発表してくれた。

「LB81乳酸菌の新たな可能性」と題して、「腸管バリア」のメカニズムと、乳酸菌の効果を発表したのは、慶應義塾大学・創薬研究センターの金倫基(キムユンギ)教授だ。彼が語ったのは、いま医学界で注目を浴びている「腸漏れ」について。現代人に多い慢性的な体調不良の要因と言われる「腸漏れ」とは、腸管に隙間ができること。腸に異物が体内に侵入し、炎症を招くのだとか。結果、引き起こされる可能性あるのが消化器系疾患など。金教授は、LB81乳酸菌が「腸漏れ」を改善する効果が期待できると話し、「腸管バリア」の機能をスライドで分かりやすく紹介。乳酸菌のパワーを科学的に解説しながら、その今後の発展にも期待を寄せた。

原菜乃華&博多華丸大吉も50周年を祝う!

 第2部では株式会社明治の松田克也代表取締役社長が登壇。「明治ブルガリアヨーグルト」の50年に渡る歴史を語り、その進化の道、先人たちの功績を振り返った。続いて、登場したのは女優で明治の新CMタレントでもある原菜乃華と、お笑いコンビ・博多華丸大吉の3人。原は、このCMで薬師丸ひろ子と共演。母娘役を演じた感想を「緊張しました。それぞれが遠く離れた土地で、お互いを想い合う母娘役で薬師丸さんと共演させていただいたことが嬉しかったです」と想いの丈をコメント。ゲストの華丸・大吉とトークセッションを展開していった。



(株)明治 松田克也代表取締役社長と新CMに起用された原菜乃華。「明治ブルガリアヨーグルト」を思わせる、青のドレスが眩しい。

 終盤は「未来の自分に向けた抱負」を込めた言葉を、原、華丸・大吉それぞれが舞台上で習字で披露するコーナーや、フォトセッションも。過去の「明治ブルガリアヨーグルト」のパッケージのパネル展示、新作の試食などで半世紀もの歴史の一端を知り、その歩みと現在、そして進化をたっぷりと感じられるイベントとなっていた。

小説「令和ブルガリアヨーグルト」で知る、乳酸菌パワーとその歴史!



小説「令和ブルガリアヨーグルト」は絶賛発売中。朋太子由寿と「ブルガリア菌20388株」の妙な絆に、ぐいぐい引き込まれる一作。

 イベント会場で出席者に配られたのは、明治の全面取材協力のもとに作られた小説「令和ブルガリアヨーグルト」。ヨーグルトと乳酸菌キャラクターたちの姿が、チャーミングな表紙の本作は、24年1月には「推しを召し上がれ~広報ガールのまろやかな日々~」としてドラマ化されることでも話題。さらにドラマの主演は、鞘師里保。モーニング娘。卒業後は女優、アーティストとして活躍する彼女の姿にも注目だ。
 本作の著者である宮木あや子は、恋愛小説はもとより、「校閲ガール」シリーズなどで知られる作家。同シリーズは、16年に石原さとみ主演でドラマ化し、以降は数々の「お仕事小説」でも多くの読者に魅了している。その宮木の新作「令和ブルガリアヨーグルト」は主人公、朋太子由寿(ほうだいし ゆず)が、学生時代に読んだ小説の影響で、ブルガリア菌が「推し」となり、「株式会社 明和」に新卒で入社するところから物語が始まる。
 以降、「ブルガリア菌20388株」の目線で、彼女の物語は進んでいく前代未聞の「乳酸菌視点による小説」。その後、大阪に配属された由寿は、初めての体験に苦労の連続。しかし、伝説の社員「おでん先輩」の話を聞き、仕事に邁進し始める。やがて、広報部に転属となった由寿は、「明和ブルガリアヨーグルト50周年」特集のため、さまざまな社員にインタビュー取材を行い、半世紀の軌跡をたどっていく――。

 まさに、「ヨーグルト」愛に貫かれた本作だが、魅力は「ブルガリア菌20388株」視点によるウィット&ユーモアたっぷりの語り。そこに魅了され、導かれるように読み進めば、営業の裏側、開発秘話に唸らされるばかり。気が付けば、由寿の仕事への奮闘ぶりに目頭が熱くなるというお仕事小説だ。
 この「お仕事」と「推し事」をミックスさせた新次元の物語に、ページを手繰る手が止まらないはず。この冬、「明治ブルガリアヨーグルト」で乳酸菌をたっぷり摂取して体調を万全にし、小説を読み、ドラマを観て、由寿の活躍をぜひ応援してほしい。

原作情報

令和ブルガリアヨーグルト
著 者:宮木あや子
発売日:2023年11月29日

あのヨーグルトが題材の、お仕事&推し事小説!
商品誕生に秘められたドラマ、新入社員の由寿の奮闘が始まる!
吾輩は乳酸菌である。名前はブルガリア菌20388株。
学生時代に読んだネット投稿小説がきっかけでブルガリア菌が「推し」となった朋太子由寿(ほうだいし・ゆず)の日々を温かく見守っている。
「株式会社 明和」に就職した由寿は、配属となった大阪支店量販部で、阪神・淡路大震災のときに活躍した「おでん先輩」のエピソードを聞き感銘を受ける。
入社して一年後、広報部で由寿は社内報の制作を担当することになり、「明和ブルガリアヨーグルト五十周年」特集のために関係社員にインタビュー取材を行ってゆくのだが……。

協力=株式会社 明治
装画=まめふく
装丁=名久井直子

詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322304001095/

*本作についての宮木あや子インタビュー記事が「ダ・ヴィンチweb」で公開中!
主人公は乳酸菌と、菌を宿したOL!? 史実に基づいた前代未聞のお仕事小説『令和ブルガリアヨーグルト』宮木あや子インタビュー