「気づいたら泣きながら笑ってた!」大人も子どももハマる擬音しか出てこない最新絵本『そそそそ』その気になる中身とは!?

文芸・カルチャー

公開日:2024/2/7

そそそそ
そそそそ』(たなかひかる/ポプラ社)

 「頭は良くならない絵本シリーズ」の最新作『そそそそ』が、2024年2月7日(水)に発売された。まったく予想がつかない展開と、クセになる“擬音”の数々が大人気の同シリーズ。これまでも読者から「息子も私も大ファンです!」などと大好評を博しており、新刊への期待も高まっているようだ。

 同シリーズの作者は、絵本作家と漫画家、そしてお笑い芸人の三足のわらじを履きこなしているたなかひかる。累計30万部を超えるヒット作となった『サラリーマン山崎シゲル』(ポニーキャニオン)や『私たち結婚しました』(小学館)といったコミックスを出版し、2019年に自身初となる絵本『ぱんつさん』を世に送り出している。

 『ぱんつさん』は見事「第25回日本絵本賞」を受賞し、子どもだけでなく大人の頭と心をやわらかくしてくれそうな世界観が注目の的となった。その後も絵本『ねこいる!』で「第6回未来屋えほん大賞」の第3位に輝き、前作『すしん』では「MOE絵本屋さん大賞」で8位を獲得。これまで出版した絵本すべてが、何かしらの賞を受賞している“受賞率100%”の絵本作家として、ファンと業界からの期待を一身に背負っている。

advertisement

 たなかが生み出す絵本の魅力は、シュールでユーモア溢れる独自の世界観。キャッチコピー通り、絵本から得られる知恵や学びは一切ないのだが、子どもがお腹を抱えて笑う“ツボ”を絶妙に抑えているのだ。

すしん
すしん』(たなかひかる/ポプラ社)

 例えば前作の『すしん』では、お寿司が「すしっ」「すしーん」と走り回ったり、「すししししし」とヘリコプターのように空を飛んだりと、聞きなれない効果音で奇想天外な動きをしているかと思ったら、強烈なオチで絵本が終了する。

ねこいる!
ねこいる!』(たなかひかる/ポプラ社)

 猫探しをしていく『ねこいる!』も、ほぼ「ねこいる?」「ねこいる!」というセリフだけで話が進んでいき、こちらも奇想天外のオチが待ち受けている。たった数分で読み終えてしまう絵本にもかかわらず、子どもが「もう一回読んで!」とせがんでくるような要素がたっぷりと入れ込まれていた。

 テンポよく進んでいくストーリーと、続きが気になる独特のイラストは、多くの親子を虜にしている模様。SNS上には、歴代作品に対して「おすしたちがやいのやいのしている姿が可愛いー! 2分でこんなに笑わせてくれるなんて最高の絵本です!」「疲れながらボケーっと手に取ってみたのが最初でした。気づいたら泣きながら笑ってて、本当に出会えてよかった本です」「甥っ子にプレゼントしたら、家族で爆笑したよ!って良い報告もらえました!」「何回読んでも子どもたちが笑ってくれるからありがたい!」といった大好評の声が上がっている。

そそそそ
(C)たなかひかる/ポプラ社

 ファンが1年間待ちわびた最新作『そそそそ』も、読者の期待を裏切らないヘンテコな世界が舞台。まず始めに、表紙になっているコアラの親子が「ぷるぷる」し、「ぐにゃり」と曲がり、そして「にゅーん!」となってしまう。

そそそそ
(C)たなかひかる/ポプラ社

そそそそ
(C)たなかひかる/ポプラ社

 コアラの親子たちは「にゅーん」と伸びるパンダや、「ふんすふんす」と繰り返すキリンと独自の交流を深めていくのだ。

たなかひかるの写真
たなかひかるの写真

 ちなみに作者のたなかは、同書について「この絵本で励まされたり、勇気をもらったりはしません。勉強にもなりません。全くもって意味のない絵本です」とコメントを寄せている。自他ともに認める「頭は良くならない絵本」の最新作。どれほどタメにならないのか興味がある人は、ぜひ手に取って確かめてみてほしい。

あわせて読みたい