成功率9割以上! 肥満外来専門家が指南する「食べ過ぎないコツ」

ダイエット

公開日:2013/6/1

 6月に入り衣替えのこの時期、気になってくるのはやっぱり身体のライン。「今年こそは夏までに痩せてやる!」とダイエットを心に誓ったものの、宣言もむなしく「今日だけ」「明日から」と、ついつい甘いお菓子に手がのびてしまう。こんなふうに「ダイエットできないのは意志が弱いから」と、自分を責めている人も多いのではないだろうか。

 しかし、「食べ過ぎてしまうのは、意志が弱いからではない」と主張するのは、5月末に発売された『なぜあなたは食べ過ぎてしまうのか 成功率9割以上の肥満専門外来が教えるダイエットの心理学』(岡嵜順子/講談社)だ。本書の著者は、タイトルにもある通り、肥満専門外来の臨床心理士として減量指導にあたってきたスペシャリスト。なんと、6歳から88歳まで2万人を超える肥満患者の9割以上を減量に導いてきたという。そんな著者は「痩せられないのは、適切な方法を知らないから」と述べ、パターン別の“食べ過ぎないための解決法”を伝授しているのだ。

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 まず、よくあるのが「おなかは空いてないのに、口が寂しくて間食してしまう」というパターン。3食ともバランスよく摂り、暴飲暴食もしていないつもりなのに、なぜか体重が増えてしまった……そんな経験はないだろうか。しかし、口にしたものを細かく洗い出してカロリー計算してみると、仕事や家事の合間に無意識で食べているチョコやアメが体重増加の原因であることも。この「何か口に入れたくなる」衝動の波は、「5分で消える」もの。人はストレスがかかると食べることで発散しようとするので、ストレッチをしたり、物を取りに歩いたりすることで、気分を少しでもスッキリさせて、この5分を乗り切るといいようだ。ちなみに、ラーメンやパンのCMを観て誘惑されそうになったときも「5分だけがまん」すれば、食欲は「たいてい消えているはず」という。

 また、朝や昼は何も食べず、夜だけ思い切り食べるといったような「1日1食でドカ食い」パターンも、太りやすい身体になってしまう食べ方。実際、ラットの実験でも、「総カロリーが同じなら、1日3食に分けて食べるより、1日1食のほうが、あきらかに多量の脂肪蓄積が見られるという結果が出ています」という。朝は忙しくても、たとえば温かい味噌汁を飲むだけでも心がけ、昼食が食べられなかったときは夜のドカ食いを防ぐために、夕方ごろに軽食を摂ること。とにかく「食事を分散させること」が大事だ。

 一方、「悩みや心配事を忘れたくて食べてしまう」という、ストレスから過食に走ってしまうパターンもあるだろう。たしかに、気疲れしているときに甘いものを食べると、なぜか心がほっと落ち着くことがある。これは「無意識のレベルで、脳が即効性のある栄養素“ブドウ糖”を欲しているから」だ。この場合は悩みや心配事を解決するのがいちばんの近道だろうが、それが難しければ、ストレスのガス抜きをするしかない。まずは「イライラ食いのきっかけ」を書き出してみて感情を整理したり、悩みを誰かに聞いてもらうことで気持ちを楽にしよう。あるいは「お散歩」「映画を観る」「カフェで本を読む」といったイライラ食いに代わる行動を考えてみるのも効果的だそう。

 「腹八分目に医者いらず」という言葉があるように、「バランスよくカロリー少なめ」の食事は、ダイエット時だけでなく普段から心がけたい健康の秘訣でもある。つねに「腹八分目」を忘れずに、もしも食べ過ぎてしまったときも、自分を責める前に「どうして自分は食べ過ぎてしまったのか」と、その理由を考えてみることからはじめてみてはいかがだろうか。