「涙活」が全国的ブームに 最も効くのは土曜の夜!

暮らし

公開日:2014/3/4

 「婚活」「朝活」「終活」など、“○○活”と名のつく言葉は数知れず。そんな昨今、積極的に涙を流して心のデトックスを図る「涙活(るいかつ)」がブームだ。泣ける詩の朗読や、音楽、映画の上映などを行う涙活イベントが全国各地で開催され、毎回多くの参加者が集まるという。

「“泣く事=弱い証拠”という教育を受けてきた私たちは、大人になるほど涙を流す機会が減っていきます。やがて“もう何年も泣いていない”、ついには“泣き方を忘れてしまった”という状態になる人も大変多いです。しかし、涙にはストレスを癒し、心身に健康をもたらす素晴らしい効果があるのです」

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 とは、涙活の発案者で、『心が元気になる涙のキキメ』(有田秀穂:監修/マガジンハウス)、『涙活でストレスを流す方法』(有田秀穂:共著/主婦の友社)、『涙活公式ガイドブック』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などの著書がある、寺井広樹氏。同氏は「全米感涙協会」なるものを発足させ、「笑い」や「睡眠」にも勝る健康効果があるという「涙の力」を世界に向けて発信している。

 涙活といっても、ただやみくもに泣けばいいわけではない。同氏の『泣く技術 一瞬でストレスを消す「涙活」入門』(PHP研究所)によると、ストレス解消に効果があるのは「感動の涙」だという。悔し涙や悲しみの涙、玉ねぎを切った時に出る涙ではなく、他者に共感して流す「感動の涙」は、副交感神経を刺激し、自律神経のバランスを整えリラックスさせてくれるのだ。

 また、涙活では涙に集中できる環境づくりも大切だ。例えば、「泣けるDVDを観る前には、ティッシュと、泣きながら抱きつくクッションと、リモコンを側に置き、泣き疲れたまま眠ってもいいように化粧を落としておく」というのもひとつの手。部屋の照明を暗くしたり、リラックスできるアロマを活用するのもいいという。

 さらに具体的な方法として、「土曜日の18時から泣ける映画を見る」ことも推奨している。涙は脳がストレスを感じた時に分泌されるため、朝より夜、週頭より週末の方が効果的に涙を流せるというわけだ。さらに、人間の体温変化やホルモン分泌のリズムと合わせると、最も泣きやすい時間帯は19~20時頃。18時から映画を見始めれば、クライマックスの頃にちょうど感受性が高まっていることになり、より効果が期待できるのだ。

 本書ではひとりで実践できる涙活のほか、グループ涙活やカップル涙活のハウツーも紹介。巻末には映画やドラマ、音楽などの「泣ける作品26選」も収録されているので、参考にしてみてはいかがだろうか。

 “涙離れ”が進む現代社会に、ようやく「大人だって泣いていい」ムードが到来している。ストレス解消の最も身近で効果的な手段として、涙の力を活用しない手はない!?

取材・文=池田香織(verb)