世界的にアマゾンの 業界支配力が拡大 電子書籍の取引を めぐってトラブルも【出版ニュース2014】

文芸・カルチャー

2014/12/27

出版業界でひとり勝ちといってもいいほどのシェアを誇るアマゾン。今年、その圧倒的な力を笠に着た強引な手法が、世界的に批判にさらされた。もっとも話題になったのは、世界的な大手出版グループ・アシェットと電子書籍の取引条件で折り合いがつかず、〝いじめ〞といわれるほど露骨な圧力をかけたこと。アマゾンは同社の出版物を予約注文できなくしたり、配送を遅くしたりしたのである。この問題は、ジョン・グリシャムやスティーブン・キングといったアメリカの作家900人以上が、『ニューヨーク・タイムズ』に全面広告を出してアマゾンを批判するという事態にまで発展した。

ドイツでも取引条件で有利な改定を求めたアマゾンが、大手出版グループ・ボニエルに同様の圧力をかけていることが問題視され、カルテル法違反として調査が入った。また、フランスでは本の無料配送を行うアマゾンから書店を守るため、反アマゾン法と呼ばれるネット書店の無料配送を禁止する法案が施行。アマゾンがこれを骨抜きにするために1ユーロでの配送を始めたことも、大きく報道された。

電子書籍の取引条件をめぐるアマゾンと出版社の間でのトラブルは日本でもあり、電子書籍の取次会社のひとつである出版デジタル機構が取り扱う電子書籍の一部に関して、大幅に出版社側の取り分が減らされたという。また、アマゾンが同社に支払われる手数料などで出版社を格付けし、上位の出版社の電子書籍を優先してユーザーに紹介する仕組みを導入したことも話題になった。出版業界でひとり勝ち状態のアマゾンだが、その業界に対する支配力は今後も強まっていくことが予想されている。

文=橋富政彦/『ダ・ヴィンチ』1月号「出版ニュースオブザイヤー2014」より

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