『バカテス』『ココロコ』『犬ハサ』…人気ライトノベルに続く新作はヒロインの “方言萌え”に身悶える!

ピックアップ

更新日:2015/2/9

作者インタビュー、ライターからラノベ小説家に転身、作品作りの苦労を聞く!

━━新人賞(「えんため大賞」以外も含め)に応募するのは何回目ですか?

 志田:2度目です。1度目の能力バトルものは、結果的に3次審査で落ちてしまい、これは思っていたより大変だぞ、と思い、ほぼ出来上がっていた2作目を急いで仕上げてえんため大賞に応募しました。自分が得意と思っているギャグを詰め込んだ3作目を書き始め、「4作目はスポーツものだ!」と思っていた矢先に、ファミ通文庫さんから受賞の連絡をいただきました。

━━キャラ設定や世界観は、何から着想を得たのでしょうか?

advertisement

 志田:本作は世界観から作りました。深夜アニメで部活ものをやっていて、不遜ながら「俺にもできそう!」と思ってしまったのです。当初は「放送部」の話として書き始めました。放送部であれば音に関する悩みを持った人々が集まるだろうと単純に考え、主要3キャラが生まれました。その後、放送部は全国大会などがあって盛んに活動していることを知り…架空の「朗読部」にしました(笑)なにより、放課後、楽しく過ごす部活の様子を描きたかったんです。

━━編集者さんにダメだしされた点や苦労した点を教えてください

 志田:まずタイトルです。応募時のタイトルは『田野音好の青春聞聞録~キミに一耳惚れ~』でした。
改題前は手に取りやすさに欠けていました。今のタイトルに落ち着くまで50案近く出しました。『受音~JUON~』とか『耳』とか、とんでもないタイトル案も…。改題後に苦労したのはキャラの明確化です。登場人物がどういう性格でどういう特徴を持っているのかを担当さんに聞かれ、もちろん作者なので全部答えられるのですが、分かっているのは自分だけで、読者には伝わらない状態だったんです。なので行動や台詞を最初から洗い直しました。キャラの輪郭は改稿前に比べてクッキリしたように感じます。

━━発売が決まった今だから暴露できることを教えてください

 志田:自分は編集プロダクションでライターをやっていました。ライターというのは「編集さんが送ってくれたものは詳細にチェックして返事せねばならない!」という意識で、いわば言いがかりのようなチェックを出すこともあります。そんな感覚で「イラストのこの部分は自分のイメージだとこうです」と返してしまい、すぐ編集さんから「スケジュール的に厳しいですが、なんとか修正お願いしてみます」と返事がきました。
ここでようやく、作者の発言は作品に対する“影響力”が大きいこと気づきました。快く修正してくださった(絵師の)三月さん、その節はすいませんでした…。個人的にはすっごく良くなったと思っております。どうもありがとうございます。様々な方の助力を得て、1冊の本はできているんだなと改めて感じた出来事でした。

━━今作について、こんな読み方がオススメ!といったことがあれば教えてください。

 志田:本作は“音”や“声”が大きなテーマです。なので、登場人物の声を好きな声優さんや俳優さん、または仄かに想いを寄せているあの人の声で脳内再生すると楽しいかもしれません。

次のページ>>キーとなるのは「黒」?『黒崎麻由の瞳に映る美しい世界』