あのド派手スタイルは健在! 74歳・志茂田景樹が猫まみれの新著と今後の作家活動を語る

文芸・カルチャー

2015/2/26

 7色の髪の毛、蛍光カラーのタイツ姿。カゲキな出で立ちで知られる志茂田景樹さんが、新著を出版した。それは愛らしい子猫の写真とともに添えられた、ちょっといい人生訓。「『猫様のお言葉』ネ・コ・ト・バ」では、志茂田さんと子猫の異色のコラボが実現している。

志茂田さんといえば、歴史小説を多く執筆。なぜ猫なのか? その理由を直撃してみることに!

Kindle書籍「『猫様のお言葉』ネ・コ・ト・バ」(志茂田景樹:著、レイナ里亜:占い、村田三二:写真/わんにゃんスターフォト出版部)

▲御年74歳にして、カラフルヘアーは健在!

猫はしゃべると、断言!

「猫はよく人間相手に語っているんですよ。ときにいさめたり、慰めたり…。たとえば書いた本の評判が悪いとき、“そんなこと気にして腐るな”“次がんばれよ”など。猫の言葉と思っているものは、もしかした自分の言葉かもしれない。けれど、猫と対峙することで救われ、心が豊かになりました」

志茂田さんの人生には、猫と縁があった。とくに最後に飼ったMOMOちゃんという猫は、雄弁に語る猫だったという。月明かりのもと、光る目を合わせると、そんなそぶりを見せたという。

「犬は人に従順だから人に合わせて感情を推し量っているようなところがありますが、猫は人と対等。だから自由に語る気がします」

▲猫の表情、仕草などから生まれた言葉の数々

絵本作家として大活躍していた!

『猫様のお言葉』ネ・コ・ト・バ」に収められた生き方、人付き合い、恋愛など、数々の言葉は、子猫たちの写真から得たインスピレーションを得て書きとめたという。すでに10冊以上も出版している絵本と同じような執筆方法だという。

近年では、Twitter上で含蓄のある発言にてファンを増やしている志茂田さん。だが以前は、バラエティ番組に出演し、ちょっと天然な姿を披露していた。絵本の執筆というと、正直イメージが湧かない。

「『キリンがくる日』(ポプラ社)という絵本は、第19回 日本絵本賞読者賞【山田養蜂場賞】をいただきました。実は、私は1998年から絵本読み聞かせ隊という活動をしています。そこで大きな節目となる経験をしたのです」

志茂田さんをキャラ変させた出来事とは、自著のサイン会でのこと。子連れ客が多いため、急遽絵本を子どもに読み聞かせたという。

「騒いでいた子供たちが物語の世界に入り、静かに聞き入って。大人も同じように絵本に見入っていました。ある女性は“気分が落ち込んでいたけれど、とても元気が出ました”と感想を述べてくれまして。周囲の反応も予想外でしたがもっと驚いたことに、自分自身も心が洗われたような気持ちになったのです」

聞く人も、また語る人も相互影響を与えあうという体験は、今までにないものだった。この経験に加え、志茂田さんが幼き日に母親から読み聞かせてもらった心地良い経験と交わり、「よい子に読み聞かせ隊」を結成。今ではライフワークとなっている。

▲ 絵本・読み聞かせ風景。地味な服装で行くとガッカリされるとのこと

小説より難しい絵本の執筆とは?

絵本は限られた文字数でメッセージを伝えるジャンル。創作に苦労はなかったのだろうか。

「小説とは書き方はまったく違いますね。小説には何かしらのテーマがあります。また、シノプシス(あらすじ)があって、それに対して登場人物をどう根回ししていくのか、ある程度頭のなかで構成し書くものです。けれど絵本は、イメージが湧いたときに文字に書き起こします。テーマを決めて書くことはほとんどしません。イメージが喚起するのを待つ創作方法です」

一見、誰でも書けそうと思えてしまうのが絵本。絵本作家とはよく誤解されがちな職業だ。だが小説よりも絵本の方が難しいという。

「“お話”を作ろうと思って書いてもダメなんです。また美しい文章だけでもダメなのです。優れた絵本とは絵本の世界が立ち上り包み込んでくるように、イメージが迫るものです。どれだけ読者の胸を打ち、心を揺さぶることができるのかだと思います」

▲ 『キリンがくる日』(志茂田景樹:著、木島誠悟:イラスト/ポプラ社)

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