コロッケで号泣!? 新世代レーベルが贈る『NOVELiDOLラジオ』について声優・竹達彩奈に聞いてみた
更新日:2015/7/30
NOVELiDOL(ノベライドル)という存在をご存知だろうか? 小説(ノベル)とアイドルを組み合わせた造語で、現在、文野はじめというキャラクターがプロデューサーと呼ばれる作家陣と共に「執筆」した書籍5冊が、同名のNOVELiDOLレーベル(ディスカヴァー・トゥエンティワン社)から発売されている……と説明しても、あまりに先鋭的な試みに「?」マークが浮かぶ人も多いかもしれない。そこでこのNOVELiDOLという概念に大きく関わるラジオ番組『竹達彩奈 文野はじめのNOVELiDOLラジオ』の収録現場にお邪魔し、ナビゲーターを務める声優の竹達彩奈さんに話を伺った。
本推しのラジオ……なのにコロッケが美味しい!
――『竹達彩奈 文野はじめのNOVELiDOLラジオ』がどんなラジオか、教えてください。
竹達:NOVELiDOLの“ふみのん”(注:文野はじめのニックネーム)や、本の魅力をお伝えする番組です。ふみのんは高円寺に住んでいる小説家で、執筆に専念するため番組には出演していませんが番組内では彼女の日記を読んでいます。ただ最近はスランプに陥ったのが日記の内容から察せられて、「作品を生み出すのは大変なんだなぁ」と感じています。
――番組を3か月ほど続けてきて、変わったことは?
竹達:毎回ライトノベルの朗読をしていますが、ようやく慣れてきました。まず主人公が男の子の作品が多いですし、ライトノベル自体が朗読用に作られているものではありません。地の文はナレーションとモノローグを合わせたようなものとして処理できるのですが、普段あまり演じない初老のキャラクターなどがいても全部演じる必要があるので……いかにリスナーへ内容を伝えるか、悩みながらやっているコーナーです。
――ラジオのテーマである本について、好きなものを教えてください。
竹達:あまり本を読むほうではないですが、よく覚えているのは『永遠の愛を誓って』です。白血病で亡くなったかたの半生を描いた本なんですけど、亡くなるまでの過程、希望や絶望がリアルに描かれていて、すごく考えさせられました。
――竹達さんはマンガ好きとしても知られていますが、最近好きなものは?
竹達:雑誌だと少女コミックにハマっていて、あとはデザートやマーガレットもよく読んでいます。作品で挙げるとすると、『夏目友人帳』や『失恋ショコラティエ』でしょうか。
――それらの魅力は?
竹達:どちらも心にズシンと来るメッセージがあるんですよね。『夏目友人帳』は妖怪が見えるせいでみんなに嫌われていた貴志君が、その妖怪を通じてやさしさを知ったり、周辺の人と仲よくなれたりと、少しずつ世界が広がっていくところが素敵です。
――すっかり読み込まれていますね。『失恋ショコラティエ』だと奏太とオリヴィエ、どちらがタイプですか?
竹達:オリヴィエです。奏太はいつ浮気されるかわからない不安がありますし(笑)。『失恋ショコラティエ』の魅力は、彼の心の弱さから来るサエコさんへの情熱や葛藤みたいなところだと思います。激情的な彼は人間として素敵ですけど、包容力のあるオリヴィエのほうが一緒にいて安心はできそうですね。
――ラジオ内では文野さんが好きというコロッケをよく食べられています。特に覚えているものは?
竹達:まさに今回、第12回の放送の収録で食べたコロッケです。私の誕生日が近いということで、特別にスタッフが地元の商店街で売っているものを買ってきてくださって。もう子供のころから食べている思い出の詰まったコロッケで、それを10年ぶりくらいに食べられて、号泣してしまいました。
NOVELiDOLの新刊から竹達さんのおすすめは……?
――NOVELiDOLレーベルからは6月現在5冊発売されています。朗読していて気になったタイトルはありますか?
竹達:『黒死のデフォルト』です。タイトルからして厨二心をくすぐられますし、内容も、黒死病は死に至る病なのに、主人公の男の子だけは逆になぜか黒死病によって力を手に入れて。「世の厨二男子、絶対こういうの好きだよ!」と思いながら読んでいました(笑)。あと『何をしたんだ、清川くん』もイラストがキャッチーで気になります。
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『黒死のデフォルト』
――それらを書いているという文野さんですが、初めて観た時の印象はいかがでしたか?
竹達:衣装が近未来的だし、かわいいですよね。スカートの外側に着いているキーボードとか、どうなっているか気になりますけど! 彼女はマイペースでおっとりした感じの女の子なので、そういったイメージで日記を読んでいました。ただ最近はおっちょこちょいというか、少し砕けてきた感じはありますね。
――今後、文野さんに書いてほしいジャンルはありますか?
竹達:私が昔から大好きな、魔法少女モノです。ラノベの主人公は男の子が定番ですが、女の子目線の作品がもっとあってもいいと思います。
▲左がノベライドルの文野はじめ。好きな作家は夏目漱石と星新一という、駆け出しの小説家アイドルだ。詳しいプロフィールなどはこちらのサイトで確認してほしい。
お肉でパワーアップし続ける竹達さんの今後にも注目!
――竹達さんは“お肉大好き声優”として有名ですが、特に思い出深い活動は?
竹達:吉野家のCMに出演したのはよく覚えています。スタジオ撮影の現場なのにお肉ができたてで本当に美味しかった。その後、誕生日ライブではサプライズで60人前の巨大牛丼を頂いて、感動しました。
――吉野家は普段から行かれますか?
竹達:普通に行きます。「アタマの大盛り」がまだメニューにない時は「牛丼大盛り、つゆだく、ご飯少なめ」と頼んでいましたが、今は「アタマの大盛り、つゆだく」だけで済むので楽です(笑)
――7月からは『おくさまが生徒会長!』で主演を務められます。どんなアニメでしょうか?
竹達:私は主人公の若菜羽衣という女子高生役なのですが、彼女は学校で恋愛の自由化を進める生徒会長なんですけど、副会長で婚約者の和泉隼斗君の押しかけ妻でもあって。ちょっぴりエッチなことがあったりなかったり(?)するラブコメです。
――羽衣はどんなキャラクターですか?
竹達:普段はボーイッシュな喋りかたですが、隼斗君とふたりきりの時は女子らしい部分を見せる――そんな二面性を持ったかわいい女の子です。
――そちらも楽しみにしています。最後に、竹達さんがいずれ本を出されるとしたらどんなものにしたいですか?
竹達:私はあまり想像力がないので、小説ではなく自分の中にあるものを出すような本になりそうですね。たとえば自伝とか。でも、まだしばらくはお芝居をすることに集中します(笑)
竹達さんの言葉によって、NOVELiDOLについて少しはご理解頂けただろうか? NOVELiDOLレーベルからは、7月にも新刊が2冊リリースされるほか、文野はじめは音楽方面への進出など、よりアイドルらしい活動もする予定とのこと。このあまりにキュートな“新時代の作家”が今後どのような執筆を続け、活躍を見せるか、目が離せない。
好評発売中
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『黒死のデフォルト』
新刊情報
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『可憐百景』
各1200円(税別)