テーマは“駄菓子”! 駄菓子屋を継ぎたくない主人公と駄菓子マニアなヒロインの駄菓子コメディ

マンガ・アニメ

2016/1/22


『だがしかし』(コトヤマ/小学館)

 体に悪いんだろうな、と思いながらも、何となく買いたくなる駄菓子屋さんの駄菓子。駄菓子自体はスーパーにも売っているが、駄菓子屋さんで見る駄菓子はなぜか異様に魅力的。むしろ駄菓子屋さんが魅力的、と感じている人も多いはず。

 そんな駄菓子屋が舞台のアニメ『だがしかし』が、この冬のアニメとして放送開始となった。本作の原作『だがしかし』(コトヤマ/小学館)は、『週刊少年サンデー』で連載されており、現在4巻まで刊行されているコミック作品。

 主人公は、田舎に住む、家業の駄菓子屋を継ぎたくない高校1年生男子・鹿田ココノツ。夏休みのある日、そんなココノツの家である「シカダ駄菓子」に、駄菓子マニアの不思議な美少女・枝垂ほたるが現れる。ほたるは、ココノツの父親・鹿田ヨウを「枝垂カンパニー」に引き入れるため、あらゆる手段を使ってココノツにシカダ駄菓子を継がせようと挑んでくる。

 「駄菓子」、そして「駄菓子屋」という、魅力的ではあるが地味でもある素材をテーマに描かれるこの話。一体どんな内容なのだろう? ゆるい日常系? そう思ってページを開くと、そこには、駄菓子がテーマとは思えない、とんでもないハイテンションな世界が広がっていた。何だこれ、面白い!!

 まず、登場からインパクト大なメインヒロイン、枝垂ほたる。大手駄菓子メーカーの社長令嬢でありながら、駄菓子愛ゆえに終始暴走している。出会って早々、「私のライバルにふさわしいか……確かめてあげるわ!!」とココノツに「うまい棒」で戦いを挑み、ココノツの提案したうまい棒の組み合わせにヨダレをたらす。その後も、「私、好きな人いるもの」と頬を赤らめ「フライドポテト」のポッチ君を指さしたりする。彼女の駄菓子への愛は、もはや変人レベルである。

 そして、ほたるの対極のような性格のもう1人のヒロイン・遠藤サヤ。見た目や口調はヤンキーっぽいが、中身はいたって普通の女の子。特に特異な行動をするキャラクターではないのだが、メインヒロインの大暴走を見続けている合間に登場すると、どうしようもなく和む。普通って大事!と思わざるを得ない。コーヒーを入れる姿が天使に見えてくる……!

 もちろん、キャラクターだけでなく、次々と登場する駄菓子情報も魅力的。うまい棒の種類の多さや、フライドポテトのキャラクターの「ポッチ君」という名前、その他さまざまな駄菓子のキャラクターや名前の由来、豆知識など、思わず駄菓子屋へ行って確かめたくなる、身近なのに知らなかった情報が満載! 筆者も元々駄菓子は大好きで、駄菓子屋を見つけるととりあえず入ってしまうのだが、本書の、そしてほたるの影響で、駄菓子愛に拍車がかかってしまいそうだ。

 アニメ版では、原作にはないオリジナル展開も豊富に待ち受けている。駄菓子好きな人は、ぜひとも原作とアニメどちらも観て、駄菓子の、そしてこの『だがしかし』の世界に迷い込んでみてほしい。

文=月乃雫