「なんかオレもう24時間アンタに発情してる……」年下男子に迫られる、甘く痺れる日々

文芸・カルチャー

2016/3/29


『Lovey-Dovey症候群』(ゴトウユカコ/三交社)

学生時代はとにかく「年上の男性」が好きだった。同年代は子どもに見えて魅力を感じない。となると、「年下の男」なんて問題外だと、サークルやバイトの後輩は恋愛対象には見られなかった。当時、周囲の友人に聞いても、「年下が好き」という子はあんまりいなかったような……。

だが、今になって「年下男子」というものがキラキラして見えるようになってきた。

何が魅力なのか分からない。ただ若くて笑顔が素敵でさわやかで、ちょっと甘えん坊なところが可愛く思えるようになってきたのだ。

「いまさら年下の男子と本気で恋愛する機会も勇気もないけど……」という方にオススメしたい一冊がこちら! 『Lovey-Dovey症候群』(ゴトウユカコ/三交社)は、ロックバンドのヴォーカルをしているイケメン年下男子に迫られ、甘い言葉をささやきまくられる小説だ。

主人公の高梨涼(たかなしりょう)は26歳。大手町の商社に勤務するOL。彼女は同じ会社の上司、矢上俊樹(やがみとしき)34歳と不倫の関係にあった。「妻と別れて涼と一緒になる」という矢上の言葉を信じて待っていたが、矢上は「妻とは別れられなくなった」と涼に告げる。別れの言葉だと思った涼は自暴自棄になり、その夜、泥酔し、とあるライブハウスに入ってしまう。そこでは銀髪の少年が歌っていた。

酔っていたせいで記憶がなくなり、翌朝目を覚ますと、見知らぬベッドの上に。しかも、隣に裸で寝ていたのは、昨晩歌声に魅了された少年だったのだ。

それが遠野一哉。年齢はなんと、18歳だった。

記憶もないままに、年下の未成年と肉体関係を持ってしまった涼だったが、ライブハウスでその歌声を聞いた時から惹かれていた彼女。それから一哉と恋愛関係になっていく。

一哉は中性的で整った顔立ちをしている、甘え上手な少年。未成年なのにテクニックがあり、ベッドの上では年上の涼も翻弄されてしまう。お互いの気持ちが通じ合い、うまくいくかに思えた二人の恋愛だったが、問題が浮上する。不倫相手の矢上が「涼と別れるつもりはない」と再び迫って来たのだ。別れ話を切り出されたと思ったのは涼の勘違いで、矢上にそのつもりは全くなかったらしい。

ここから涼(26)、一哉(18)、矢上(34)の、大人と少年と不倫の、三角関係が始まっていく。

と、いうのがあらすじなのだが、見所はなにより、「一哉がかわいい!」ということである。さらに、年下少年から繰り出される言葉責めの威力がすさまじい。若さゆえの直球な態度に、少し意地悪な言葉。かわいいのに床上手で甘えたがり……こんな最高な年下の少年はいるだろうか。

子どものように抱き付いて「涼さんの身体、気持ちいい……」とつぶやき、母性本能をくすぐったかと思えば、初めてライブハウスで会った時、酔った涼の顔をステージから見ていたらしい一哉が後日、「ほんとうは……めちゃくちゃそそられた」とオスっぽい一言で「羞恥心と女としての勘気が身体中を駆けめぐる」感動を覚えさせたりと、ただ甘えるだけではなく、ちゃんと女性あつかいしているところが、限りなくすばらしい。

その他にも「オレも涼が好き。マジで好き」とド直球に愛情を伝え、矢上に向かい、「オレが、彼女を守ります」と男らしさを見せる。数々の一哉の言葉は、魔法のように、読む人の心をときめかせ、甘く刺激的な体験をさせてくれる。官能小説ではないので、直接的な性描写はないが、一哉のキャラクターと言葉はプラトニックな官能を与えてくれる。

最近心に潤いがなくなってきたみなさん、こんな素敵な年下男子と恋に落ちてみませんか?

文=雨野裾