妻のイライラは、夫のせいです! 産前・産後の妻の取扱説明書

出産・子育て

2016/4/19


『出産・育児ママのトリセツ~「子どもができて妻が別人になりました」というあなたへ』(山本ユキコ/忘羊社)

 妊娠は、思いがけないタイミングで始まるものだ。女性のお腹に赤ちゃんができた途端、ある日突然2人の夫婦は親になる。特に女性はつわりによる体調不良から育児休暇まで、すべてが不安になることばかり。さてこんな時、新米パパになる男性は何と声をかけるのが正解なのか。

 そんなイクメンを目指す男性のための入門書が、本書『出産・育児ママのトリセツ~「子どもができて妻が別人になりました」というあなたへ』(山本ユキコ/忘羊社)である。

 冒頭から「この本は、産前産後のママのイライラにさらされる夫のための、ママのトリセツ(取扱説明書)です」とある。母親たちが陥りやすいマイナス思考には一定の法則があり、これを父親がケアしてこそ子育てが順調になるという。本書では妊娠初期から子供が1歳になるまでの「あるあるネタ」を、夫婦それぞれの“ツイート”と“ツッコミ”というスタイルで紹介。心理学博士であり子育て教室を主宰する著者が回答する。

 例えば「妻、つわりなう」では、夫のツイートからスタート。妻からお腹に赤ちゃんがいると言われても実感がわかず、むしろ毎日ゴロゴロしてうらやましい、と夫はつぶやく。それを読んだ妻は、理解のない男だと一喝する。

 こうした2人のやりとりに対して、著者の回答は「妻のホンネに耳を傾けましょう」と、どこまでも妻を味方することをアドバイス。妊娠、出産という大勝負に挑む妻は、ホルモンの変化で攻撃的になる。妻の精神状態が良くなると出産のリスクも少なくなることから、夫はトコトン妻の願いと本音に耳を傾けるべき、とある。

 また「同窓会のお誘いがきた。久しぶりにパーっと飲みたいな」では、夫が妻の出産後に行われる同窓会に参加したいとツイート。それを見た妻は「アホなの?」とピシャリ。

 この回答は「飲み会に行っといでは、修羅場のフラグ」とし、「たまには飲みに行ってきたら」には、妻が我慢すればいいという思いが隠れているからこそ、飲み会は基本的にキャンセルすることが無難とある。

 さらには、「パパが赤ちゃん連れて出かけた!」では、夫が生後6か月の赤ちゃんを連れて、初めて、パパだけでお散歩に行くことを心配するママのツイートを紹介。

「マジで心配」という妻に対して、「パパは赤ちゃんとお出かけの練習を」とコメントがある。しかもパパ一人で赤ちゃんと一緒に外出した経験を踏まえた上で、妻に対して「いつもお世話をしているママはすごいよ!」とねぎらいの言葉をかけることまでアドバイスする。新米パパたちにとっては、至れり尽くせりのトリセツだ。

 このほかにも、育児・出産時に欠かせないコラムとして、実母と義母とのバトルの防ぎ方から、20代ママとアラフォーママとのキャラの違いなども紹介されている。特にコラムには子供に発達の遅れや障害がある場合、自らを責める母親に対して父親がしつこいぐらい「ママのせいではない」と言い続けることの必要性まで記載がある。

 すべては「まずは、子育てのチームメイトであるあなた=パパが、妻の味方でいましょう。そして、彼女にわかるように、あなたが味方であることを伝えてください」という一文につながるのであろう。

 妊娠から生後1年まで、男性が夫からパパにうまく変身できることが、子育てを幸せにする鍵になるという。「子育て」が「孤育て」とも言われる現代は、育児のすべてに夫の協力が欠かせない。そしてそれを息子たちに教える実母や義母たちにとっても、頼れる一冊だ。

文=富田チヤコ