仕事ができる「頭のいい人」と仕事ができない「惜しい人」の違いとは?

ビジネス

更新日:2016/8/9


『入社1年目から差がついていた! 仕事ができる人の「集中」する習慣とコツ』(石井貴士/すばる舎)

 私は『入社1年目から差がついていた! 仕事ができる人の「集中」する習慣とコツ』(石井貴士/すばる舎)を読んで、終始反省しきりだった。(なんて「仕事のできない人」のやり方をしていたのだろうか…)そんなことが頭をよぎった。途中で読むのが辛くなったが、10年後「自分はここまでの人間か…」と嘆かないためにも、手元にあったうちわをムチにして頭をしばき、何とか読み終えた。

 本書は、一流人事マンである中尾ゆうすけ氏が、仕事ができる「頭のいい人」と仕事ができない「惜しい人」を比べ、何が違うのか、どう改善したらいいのか、上に行く人がやっている仕事のポイントを分かりやすく解説している。そのポイントの数、なんと27もある。これは生まれ変われそうだ。

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 中尾氏によると、「頭がいい人」と「惜しい人」は、入社1年目からじりじりと差がついているとか。その差は何か。それは「期待されているアウトプットを確実に出せる能力」だという。その「期待されているアウトプットを確実に出す」ためには、「考え方や姿勢」「スキル」「作業プロセス」「人間関係の構築」が一定のレベルに達していないといけないらしい。しかし、これらは属人化しやすく、目に見えないので、できる人とできない人の差が大きくなりやすいのだ。

 もうすぐ6月。新入社員の方は入社して2カ月というところだろうか。そろそろ会社にも慣れ、「バリバリ仕事やるぞ!」と意気込む人も、「どうすれば…」と頭を抱えている人もいるだろう。中尾氏によると、達すべき上記の4つは誰でもできるという。できる人のマネをするのだ。マネをするのは能力向上の基本だ。つまり! 誰でも仕事のできる「頭のいい人」になれるというのだ! フリーランス3年目で人生をヨタヨタと歩く20代の私としても、この言葉は心強い。

頭がいい人は、途中から途中までやる
惜しい人は、一気にやろうとする

 頭がいい人は「時は金なり」という思想を持っている。なので、どんな仕事も着手が早いそうだ。手をつけてしまえば、その仕事への心理的な不安や抵抗が減るということも経験的に知っているという。しかし、忙しいときは手が回らないと嘆く方も多いだろう。私もそうだ。私は毎日「手があと4本生えますように」と神様に祈りをささげているが、肩に生えてくるのは産毛がいいところだ。そんなことはどうでもいい。「頭のいい人」は、そんなときどうするか。なんと「途中から始めて途中でやめる」という仕事の仕方をするという。たった5分も見逃さずに、企画書の一文だけでも書いたり、資料を少しだけでも読み進めたり、何かしら時間を見つけて、何かしら仕事を進めるという。この「仕事の細分化」は一見無駄のようで、実際にやってみると仕事のはかどり具合が大きく変わってくるという。

頭がいい人は、資料は薄く、手元の情報は厚い
惜しい人は、資料にすべての情報を書く

 この章を読んで、私は大反省をした。企画書は読むのが大変だ。数十ページの大作となると、めまいがする方もいるだろう。私など、ヤギに食わせるほどの企画書を書いて怒られたことがある。きっとヤギもゲリをするだろう。ぶ厚い企画書は、打ち合わせ時間の大半を資料説明に費やすことになる。すると、意見や要望を言うディスカッションの時間が減り、結論が出ず、また次回も打ち合わせということになる。しかし、分かりやすく簡潔な薄い企画書だと、ディスカッションの時間もとれる。その場で結論が出せるのだ。そして頭のいい人は、企画書が薄い代わりに手元の資料がぶ厚い。企画書に載せなかった情報を手元に置いておくことで、何を聞かれても即答できるように準備しているのだ。

 この他にも目からウロコの仕事のコツが、非常に分かりやすく読みやすく書かれている。私は本書を読み終えて、中尾氏の頭脳を吸収して「頭のいい人」になれたような気がした。しかし、記事の冒頭で述べたように、いかに「期待されているアウトプットを確実に出す」かが重要だ。人生の目の前に伸びている、上へと続く階段を上っていくためには、1つずつ着実に、得た知識と経験をフル活用してチャレンジしていくしかあるまい。

文=いのうえゆきひろ