保育士の仕事って? 保育の現場で起こっていることとは? マンガで学ぶ、保育の世界

出産・子育て

2017/1/17

『じんぐるじゃむっ~保育の世界がまるっとわかる(笑) マンガ~』(大枝桂子/小学館)

「保育士・保育園不足」「保育の質がその子の将来の“生きやすさ”に影響するという研究結果」などから、「保育」という仕事にあらためて注目が集まっている。

 保育士というと、「きつい仕事の割に給与が安いため離職率が高い」といったマイナスなイメージが先行するかもしれない。『じんぐるじゃむっ~保育の世界がまるっとわかる(笑) マンガ~』(大枝桂子/小学館)によると、保育者をめざす学生に希望する勤続年数をたずねたところ、6割以上が「1~6年」と答えたという。これは「同じ専門職である看護師の多くが、一生働き続けたいと考えているのに対し、保育者希望の学生は、保育を一生の仕事ととらえていないことになる」と、保育の未来を憂いている。

 本書は、多くの人が実態を知らない保育の世界を、綿密な取材をもとにマンガ化したもの。保育士の日常保育における喜怒哀楽が詰め込まれており、それぞれのエピソードが楽しくも心に刺さる。

 保育士は、なぜ低賃金なのか。本書によると、「家庭内で営まれてきた子育て(保育)・介護は『タダだったんだから』」というかつての考え方が根底にある。しかし、保育が多くの低賃金の仕事に比べ決定的に異なるのは、「目の前で乳幼児が亡くなるリスクを負っている」点。世間にあまり認知されていないかもしれないが、保育は専門的な仕事なのだ。今、保育の世界では、保育者全体の専門性を高めつつ、それを周囲に納得させることで、処遇改善に結びつけようと努力がなされている。

 本書いわく、保育を含め子ども周辺業界で働く人々は、「子ども」というキーワードでかなり強固につながることができる。「子どものため」という言葉がマジックワードだ、という専門家もいる。裏を返せば、「子どもで食ってる」ということ。いい加減な仕事は「子どもを食いもの」にしてしまう。だからこそ、子ども周辺業界で働く人々…なかでも保育士は「子どもを神格化しない。目線は子どもと同じレベルに下げても、子どもより上手の『経験知』や『メタ認知』があること。大人はそこを誇りに仕事をする」という高い専門意識が必要だと述べている。

 このような深い話が、めくるめく日常保育のユニークなエピソードで語られている。保育の未来を憂いている人には、ぜひ本書で保育の尊さを知り、保育の仕事と保育士が置かれている現状に理解を示してもらいたい。

文=ルートつつみ