涙なしでは読めない展開に…「MixChannel」ファン17万人超! 今話題の“楠本Family”妊娠出産、結婚まで

恋愛・結婚

2017/4/29

『ずっと一緒にいられますように。』(楠本Family/KADOKAWA)

 「運命の人」というものを信じなくなって、どれくらいの年月が経っただろう。そんな独身女子にとって、他人の幸せな恋愛話ほど心がヒリヒリするものはない。

ずっと一緒にいられますように。』(KADOKAWA)というエッセイの存在を初めて知ったときも、自分の現状と比較して悲しみに暮れることになるかもと正直思った。でも、SNS上では、多くの女性たちから共感を集めていると大きな話題となっている。書籍も発売1週間で重版がかかったという。そこで、思い切ってページをめくってみた。

 本書は、動画投稿SNS「MixChannel」で「ファン」17万人超を誇る大人気カップル、楠本大悟さんと里歩さん(@daigoriho_06)が、17歳で出会ってから妊娠出産を経て20歳で結婚式を挙げるまでの3年間、どんな日々をどんな思いで過ごしてきたのかを綴ったもの。ふたりにとってのターニングポイントや印象的だったできごとが、それぞれ里歩さん視点と大悟さん視点で語られている。

少女漫画のような出会いと初デート、うらやましすぎか!

 ふたりが出会ったきっかけは高校野球の県大会。大悟さんが出場した試合を観戦した里歩さんが、そのときの写真付きで投稿したツイートを、大悟さんがお気に入りに登録したことで、メッセージのやり取りが始まった。

 実は里歩さんは、漫画『砂時計』に登場する北村大悟というキャラクターが大好きで「将来、大悟っていう男性と付き合えたらいいな(本書p.12より引用)」と思っていた。試合でのプレーを見て、そのかっこよさに目が釘付けになっていたという彼女は、大悟さんの名前を知ったとき、胸が高鳴ったという。

 一方の大悟さんも、里歩さんの写真を見た印象は「黒目がちで真ん丸の目。ちょっと童顔だな。八重歯がかわいいな(本書p.16より引用)」。しかも「どんな子なんだろう。この子のこと、もっと知りたい」そう思えたのは、彼女が最初で最後だった。(本書p.18より引用)」とか。

 ……その出会い! ほとんど少女漫画じゃないか。しかも、その後初めてふたりが対面したのは地元の夏祭り会場。ドキドキしながら一緒に屋台をめぐるなかで、少しずつ距離が近付いていく……。読んでいるこっちが照れてしまうような展開に、ニヤニヤが止まらなかった。

涙なしでは読めない展開に……!

 本書を読みはじめてすぐは、「なんだそれ、うらやましすぎか!」という嫉妬とも憧憬とも言える気持ちになった。

 しかし、お互いの嫉妬心からケンカをして、その度に気持ちを確認し合ったり、交換ノートを通して、普段は言えない素直な気持ちを伝え合ったり……。そんなふたりの軌跡を辿っていくうちに、なんだか心にじんわりとあたたかいものが広がっていく気がした。

2人が続けた交換日記

 「相手のことを本気で好きになると、心も、視線も、過去ですら自分のものにしたくなった(本書p.49より引用)」という里歩さんの思いには、かつてそんな恋愛をしていたこともあったなと懐かしい気持ちになった。

 そして、さまざまな障害を乗り越えて絆を深めていったふたりの間に新しい命が宿る。10代での妊娠と出産は、手放しで喜べるものではない。それでも、ふたりで「産む」という決心をして、結婚を決めた。

 大悟さんが、里歩さんの両親に結婚の承諾を得に行くシーンには目頭が熱くなった。泣きながら「産ませてください」と頭を下げる大悟さん。それを「みんなで子どもを育てていこう」と受け入れる家族。溢れ出る愛情がひしひしと伝わってきて、涙なしでは読めなかった。

「辛いことには必ず終わりがくる」。著者が本書にこめたメッセージ

 心をじんわりとあたためてくれた本書。著者である楠本大悟さんと里歩さんのおふたりに、実際に話を聞くことがきた。

──10代での出産を決意するのは大変ではなかったですか?

「産んであげないと、お腹に宿った赤ちゃんには、もう絶対に巡り会えないし、大切な人との赤ちゃんを産みたいという気持ちが強かったので、決心できました」

──早くに結婚をしたことで、諦めた夢ややりたかったことはありますか?

「ふたりの夢が『家族になること』だったので、むしろ夢が叶った生活をしています!」

──「ずっと一緒にいる」ためには、どんなことが必要だと思いますか?

「お互い素直になることが一番だと思います。 ケンカしても素直に気持ちを伝えることで、相手への思いやりも増えていくんじゃないでしょうか」

──『ずっと一緒にいられますように。』はどんな人に読んでもらいたですか?

「いろいろな人に読んでもらいたいですが、とくに今なにか辛い思いを抱えている人に届くといいなと思っています。私たちも、常に幸せだったというわけではなくて、辛いことや悲しいことを乗り越え続けてきました。でも、辛いことには必ず終わりがあるし、周りに支えてくれる人がいるはずだということが伝わるといいなと思います」

──最後に、メッセージをお願いします!

「応援してくださるみなさん、支えてくれる友だち、見守ってくれる家族がいるからこその私たちです。みなさんのメッセージが私たちの元気の源であり、よろこびにつながっています。どんな形でも、これから少しずつ恩返しをさせてもらいたいです」

楠本Familyが教えてくれた「運命のふたり」になる方法

 アラサー独身女子でさえ、最終的に「末永く幸せにね……!」と素直に応援してしまう、楠本Familyの物語。大悟さんと里歩さんの出会いは、もしかしたら運命だったのかもしれないが、なによりどんなときもお互いを一番好きで、一番大切にしてきたからこそ、「運命のふたり」になることができたのではないだろうか。

 自分より、相手のことが大切。そんな純愛のすばらしさを『ずっと一緒にいられますように。』は教えてくれる。

文=近藤世菜