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宇宙人が見つかったらどうする?… 各分野のトップ科学者18人の究極の回答とは?

『科学者18人にお尋ねします。宇宙には、だれかいますか?』(佐藤勝彦/河出書房新社)

 2017年2月某日、NASAが「太陽系外惑星について重大発表」を行う、というニュースが流れた。そのニュースを聞いた私は「とうとう宇宙人が発見されたのかも」と期待した。おそらく世界中の人々が同様の期待を持っただろう。しかしその期待虚しく、重大発表の内容は「39光年先に地球に似た太陽系外惑星を発見した」というものだった。せっかちな私は地球を離れる覚悟を決め、何人かの知人に「さよなら」を告げていた。しかし期待外れのNASAのせいで「やっぱり地球に残ることにする」という連絡をするハメになり、この連絡を受けた知人たちは、私がまだ地球で住み続けることを非常に残念がった。

 『科学者18人にお尋ねします。宇宙には、だれかいますか?』(佐藤勝彦/河出書房新社)は、生物学、化学、物理学、生命科学、天文学など、各分野のトップランナー18人が集結し、それぞれが最新成果をもとに地球外生命体に対する見解を説いている一冊だ。SFファンや地球外生命体の存在を信じてならない読者にはたまらないだろう。

 期待を胸に本書を開いてみると、トップランナーの出す見解がずらりと並んでいた。難しい論理と科学と哲学がつまっているので、頭の乏しい私にはイマイチ理解できない内容も多々ある。

 しかし「知的生命体が見つかったら、どんなアクションをしますか?」「知的生命体がいる世界には、どんな社会があると思いますか?」などの質問に淡々と回答する科学者たちに、宇宙のイメージがより鮮明になり、ますます宇宙への好奇心がわいてきた。毎日見上げている青空が、夜空に浮かぶ星たちがぐんと近く感じる。本書を読んでいると、わくわくが止まらなくなる。

■“知的生命体が存在するか”と“発見できるか”は本質的にレベルの異なる話

 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻の関根康人准教授は、「どうすれば地球外知的生命体を発見できるのでしょうか?」という質問に対し、こう答えている。

発見の可能性は低いんじゃないかと思います。(中略)現在のレベルでの人間の活動は、このあと千年ももたないんじゃないかと思います。“知的生命体が存在するか”と“発見できるか”は、本質的にレベルの異なる話です。人間程度の知的生命体は宇宙にザラにいると思いますが、仮に存在しても認識するためには、存在する時期がピタリと符合しなければいけない。これは非常に難しい。数十億年の中で、千年なんてあまりに一瞬です

■国際宇宙航行アカデミーのガイドライン「“地球外知的生命体”からの信号の発見に関する議定書」

 兵庫県立大学西はりま天文台天文科学研究院の鳴沢真也博士は、「知的生命体が見つかったら、どんなアクションをしますか?」という質問に対し、こう答えている。

そのときにとるべき行動は、国際宇宙航行アカデミーがガイドラインを草案・採択しています。『“地球外知的生命体”からの信号の発見に関する議定書』といい、全部で8条からなっています。私が発見者の場合は、できる限りこの議定書に従った行動をとると思います

 その議定書の要点は以下の4つだそうだ。

 1.間違いないか徹底検証せよ
 2.確定するまでは公表を避けよ
 3.確定したらその情報を隠蔽するな
 4.勝手に地球外知的生命体に返事をするな

 鳴沢博士はこの4つの要点を本書で詳しく解説している。

■自分たちが最高ではないと分かっている文明

 横浜国立大学大学院工学研究院の小林憲正教授は、「知的生命体がいる世界には、どんな社会があると思いますか?」という質問に対し、こう答えている。

(中略)我々地球生命体が最高だと思う人は、自分の国が最高だ、自分の宗教が最高だ、などと考えて戦争に走ってしまいます。そこに落ち込む文明は絶対に長持ちしません。長く続いたところの文明では、彼らは自分たちが最高ではない。それが分かっている文明だと思います

 広大な宇宙には、現代の私たちには解明できない謎が無数にあり、そのスケールのデカさもケタ違いだ。知れば知るほど深まる謎に、興味が尽きなくなる。私は、宇宙にはだれかいるのではないかと思う。そのほうが夢もふくらんで楽しいからだ。

文=いのうえゆきひろ



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