100度以上の熱湯の中で生きる、硫酸なみの強酸を浴びても死滅しない…“超能力微生物”の驚きの生態

ライフスタイル

2017/5/28

 酵母、細菌、カビに秘められた驚異のパワーに迫った『超能力微生物』が、2017年4月20日(木)に発売された。

 古来から日本人は麹(酒)、味噌、醤油など、微生物の働きを利用した食品を大切にしてきた。発酵によってアミノ酸などの「うまみ成分」が増し、保存期間も長くなる。また、健康維持に「腸内細菌」が大きな役割を果たしていることも近年になって分かってきた。人類は、微生物に支えられて生きていると言っても過言ではないだろう。

 それだけではない。地球上には、人類が考えもつかないような“超能力”をもった微生物がまだまだ無数に存在している。たとえば、100度以上の熱湯中に生きる微生物、超高濃度の塩水(死海)に生息する微生物、硫酸なみの強酸や強力放射能を浴びても死滅しない微生物…。

 さらに、人類に天の恵みをもたらしてくれる微生物も続々と発見されている。動物性脂肪を植物性油脂に変換する微生物、天然希少香料を醸す微生物、汚染物質や有毒化学物質を分解してしまう微生物、天然資源(レアメタル)のありかを探し出す微生物…。新たな抗生物質、特効薬を作り出すのも微生物で、食糧難を解決してくれる可能性さえ秘めているという。

 分子生物学の進歩によって、「ゲノム編集」「遺伝子組み換え」がブームになっている。だが人為的にDNAを組み換えてわけのわからない生物をつくるより、自然界にまだまだ人知れず存在する“超能力微生物”を見つけ出してきて利用するほうが、はるかにエコロジカルかつ合理的ではないだろうか。

 同書では、様々な「超能力」を持った微生物を紹介。人間の常識を超える微生物の正体に迫っている。また驚愕の「微生物グルメ」のエピソードも掲載。味覚を刺激されつつサイエンスミステリーも味わえる。まだまだ未知な部分が多い“超能力微生物”の生態を楽しもう。

小泉武夫
東京農業大学名誉教授(農学博士)。1943年福島県小野町の酒造家に生まれる。東京農業大学農学部醸造学科卒業。専門は醸造学、発酵学。ありとあらゆる微生物および発酵食品を研究対象とし、世界中の発酵食物を味わいつくしてきた。現在、広島大学、鹿児島大学、琉球大学、石川県立大学、福島大学等の客員教授を務める。NPO法人発酵文化推進機構理事長。

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