コミュニケーションで重要なのは「質問力」より「応答力」!?

ビジネス

2017/6/12

 質問をリープ(跳躍)して最強の答え方を実践する方法を紹介した、『「答え方」が人生を変える あらゆる成功を決めるのは「質問力」より「応答力」』が2017年5月31日(水)に発売された。

 「答え方」を制する者は、コミュニケーションを制し、そして人生を制する。なぜなら、答え方は、人生や会社の命運や人間関係を大きく左右するのはもちろん、自分自身でコントロールして無限大のパワーを発揮することができるから。つまり、答え方の戦術を知らないことは、「一生の不作」とも言える。「質問が聞いていることに答える」だけではダメで、「相手が満足して、あなたを高く評価するリープ(跳躍)した答え方」こそ、大きな利益を生み出していくのだ。

 同書は、イェール大学、マッキンゼー他で25000人を指導した言語学者がその経験と分析から解明した、その最強の答え方のための基本と戦術を一挙に公開したもの。いかに「答え方」が人間関係や組織や世界をより良くしていくかをまったく新しいユニークな視点から解き明かしている。

 コミュニケーション能力で、脚光を浴びてきたのは常に「質問力」。しかし、現在そして未来においては、「応答力」のほうがはるかに重要な役割を果たすという。それは、高度に専門化、分業化した世の中では、いい質問をすること自体の難度が高いから。一方、答える側は、ただ質問が聞いている情報を提供するだけでは十分でなく、相手やチームや組織の理解やパフォーマンスを上げるために、質問を跳び越えた答えこそが求められている。さすがの人工知能でも、人間のように質問者の目的や文脈を敏感に察知して質問以上に答えることはできない。つまり、いまや「答え方で活躍する時代」に突入したと言っていいだろう。

 では、質問をリープ(跳躍)した応答とはどのようなものなのか? 一例を挙げてみよう。私たちは、インターネットやSNSの影響によって「短い」「早い」「シンプル」こそ素晴らしいと信じ込んでいる。しかし、話すコミュニケーションは例外で、私たちが考えるよりは少し多くの説明が必要。それはその使命が、相手が憶測しなくても意味が分かる、しかも相手が知りたい、確認したい情報を過不足なく伝えることにあるから。そこでそのテクニックとして、著者はPISTOLを応答に含めることを提案している。PISTOLとは、以下の6要素の頭文字からとっている。

・問題(Problem)⇒問題の指摘
・重要性(Importance)⇒問題の重要性や価値
・解決法(Solution)⇒問題の解決方法
・タイムライン(Timeline)⇒時間を特定
・所属する人(Ownership)⇒影響する人や責任がある人
・場所(Location)⇒問題が起こっている場所

 たとえば、こんなやりとりをよく聞く。
質問「報告書はどうなっていますか?」
答え「若干遅れる可能性がありますが、順調です」

 これを、PISTOLを盛り込んで質問をリープしてみよう。
「報告書(Problem)は、ある販売データを入手しなければならないので(Importance)、遅れるかもしれません。私が(Ownership)名古屋オフィスに電話し、その数字をもらってから(Solution)仕上げます。金曜日までには(Timeline)ドロップボックス(Location)へ入れておきます」

 相手が知りたい、確認したい本質的な要素が脱落することなく網羅されているので、相手はもちろん、他のプロジェクト・メンバー、社外パートナーが聞いても満足できる情報のフローがつくれる。ビッグデータの時代だからこそ、「ビジネスにおける理想的な答えの基本形」としておおいに役立つだろう。

 「質問をリープする」の補足として、アップル社に伝わる逸話をひとつ紹介しよう。スティーブ・ジョブズは、生前社員にこんなシンプルな質問をよくしていたという。
「What are you working on?(何に取り組んでいるんだい?)」

 この質問は、人生を通じた頻出質問のひとつで、あなたとあなたのクリエーション(考え、意見、報告書作成、発明など)への率直な興味を示している。あなたは、この質問にうまく答えられる自信があるか? ちなみにアップルの社員は、皆この質問を怖れて逃げ回ったと面白おかしく伝わっているとか。ただ逆にいえば、自らを売り込む大きなチャンスの到来であり、質問をリープして応答するまさにそのとき。同書には、この質問への人を動かす答え方についても詳しく解説されているほか、さまざまな事例がとり上げられている。

 答え方の基本と戦術にフォーカスした内容のため、日常会話からプレゼン、同僚や顧客への対応、営業、交渉、就職面接まで、すべての答えに応用できる。これからは「質問力」より断然「応答力」! どんな状況でも誰が相手でも通じる最強の答え方を学べば、文字どおりあなたの人生は変わっていくだろう。

<目次>
イントロダクション――ウィリアム・A・ヴァンス
第1章 あなたを最高の コミュニケーターにするのは「答え方」である
第2章 「質問をリープする」が最強の答え方である
第3章 「答え方」の基本7原則――「質問をリープする」ための条件
第4章 どんな場面でも自由自在に自分の意見を述べるには?(第1のリープ)
第5章 相手と効率的に、より深く理解し合うには?(第2のリープ)
第6章 あなた自身をさりげなく売り込むには?(第3のリープ)
第7章 情報の本質を人と分かち合うには?(第4のリープ)
第8章 あなたへの信頼を不動のものにするには?(第5のリープ)
エピローグ―神田房枝
参考文献

ウィリアム・A・ヴァンス(William A. Vance)
言語学博士。シカゴ大学卒業後、イェール大学大学院にて言語学博士号取得。現在イェール大学にてビジネススクールや世界のエリートが集うワールドフェロープログラムで教鞭を執る他、フォーチュン500社、研究機関、国際機関のクライアントに成功に導くビジネスコミュニケーションを指導している。

神田房枝(かんだ・ふさえ)
コミュニケーションコンサルタント。日本航空入社、国際線客室乗務員として日本国政府専用機にも乗務。米イェール大学大学院にて東アジア学修士号、博士号を取得。現在は株式会社エグゼクティブボイスジャパン東アジア開発ディレクターとして活躍している。

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