「働き方改革=残業減らす」でいいの? 人気職場改善士が説く、社員も会社も元気になる職場の作り方

ビジネス

公開日:2017/6/21

 働く人が「最高!」と思えるようになる働き方を紹介する『働く人改革 イヤイヤが減って、職場が輝く! ほんとうの「働き方改革」』が、2017年6月16日(金)に発売された。

 いまや、働き方改革は日本企業における社会的責任とも言われている。安倍首相の「働く人の立場に立った改革を進める」という声を筆頭に、日本政府も2016年8月に働き方改革担当大臣を新設。多くの企業では、残業禁止やプレミアムフライデーなどの長時間労働の抑止に取り組んでいる。

 一方で、「仕事量は変わらないのに労働時間だけが減っていく」など、現場には“やらされている”空気が漂っているのも事実。さらに、ニュースやワイドショーでは隠れ残業や給料激減、ジタハラ(時短ハラスメント)などが取り上げられ問題に。

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 同書は、コミュニケーションの観点から職場を見つめ直し、「働く人」の欲求や不満を度外視しない、働く人のための改革を紹介。そのような改革を「働く人改革」と名付け、課題発見から解決策、改革が定着するコツまでを企業事例とともに解説している。

 著者は、人気職場改善/オフィスコミュニケーション改善士であり、2017年のビジネス書大賞にもノミネートされたビジネス書作家の沢渡あまね。大手から中小企業まで数々の職場改善を提案・解決している「働く人改革」のプロフェッショナルだ。同書は、職場改善の取り組みを「ネガティブな仕事を減らす」と「ポジティブな仕事を増やす」の2つの面に分け、それぞれのアプローチから社員が主体的に働ける社風や仕組み作りのポイントを具体的に説明している。

 同書の第4章では、日本企業10社が取り組む14の改革事例も掲載。たとえばヤマハ発動機株式会社の社内報、株式会社ポッケの社内SNSやブログの取り組みなど、会社の外からはあまり知る機会のない他社の職場作りを知ることができる。「改革の手引き書」として多くの職場の参考になるように、大手企業から中小企業、店舗、工場までさまざまな企業の事例を見て学ぼう。

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<改革事例まとめ>
・ヤフー「全館フリーアドレス」
・ヤマハ発動機「社内報」「朝のストレッチ」
・ナムコ「部門トップからのメッセージ」
・ジヤトコ「定例会議」
・興津螺旋「女性職人の登用」「女性が働きやすい環境作り」
・ポッケ「社内SNSとブログ」「オフィス居酒屋」
・カウネット「共有スペースのリフォーム」
・ラクーン「近距離通勤支援制度」「本社移転場所固定宣言」
・日本ビジネスシステムズ「社員食堂」
・メディアシーク「社内勉強会」

 改革を進めるにあたって、多くの職場が直面するのが改革推進側と現場側の間に生じる温度差。同書では、すれ違い、くい違いが起こりがちな両者の声を手掛かりに、職場改善士である沢渡がそれぞれのケースに合った解決策を導く。

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 たとえば「仕事や職場に対して興味のない人をどう改革に巻き込むのか」「改革に対して現場から消極的な声があったときはどうすればよいか」などをテーマに、職場改善時に頻出する疑問や問題を踏まえ、改革を職場に定着させる道筋を明らかにしている。「イヤイヤ」が減る“働く人改革”を実践してみよう。

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沢渡あまね(さわたり・あまね)
1975年生まれ。あまねキャリア工房代表。業務改善・オフィスコミュニケーション改善士。日産自動車、NTTデータ、大手製薬会社などを経て、2014年秋より現業。企業の業務プロセスやインターナルコミュニケーション改善の講演・コンサルティング・執筆活動などを行っている。著著に『仕事の問題地図 ~「で、どこから変える?」進捗しない、ムリ・ムダだらけの働き方』『職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方』、『新人ガール ITIL使って業務プロセス改善します!』などがある。

※掲載内容は変更になる場合があります。