小学生の時からオーラが違った、“ブレない香川真司”がすごいワケ

スポーツ

更新日:2017/7/18

『MYSELF 香川真司』(香川真司/KADOKAWA)

 6月15日に発売された『MYSELF 香川真司』(KADOKAWA)は、サッカー日本代表の10番を背負う香川真司の“人間”としての魅力に迫る一冊だ。

 同誌には香川本人はもちろん、近い距離感で彼とかかわり、フットボーラーとしての香川をよく知る人々が登場。日本代表の10番に対する思いの丈を語っているのだが、その言葉を並べると、香川が子どもの頃から「ずっと変わらない」ことがよく伝わってくる。

 小学生時代の恩師であるセンアーノ神戸の大木宏之監督が、15年前の記憶を呼び起こす。全国大会につながる神戸市予選、その決勝で香川は相手チームのマンツーマンマークを受けた。香川はそのプレーを制限され、チームは0-2で敗れた。

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「真司は本当に悔しそうでした。小学生にして、誰も話しかけられないようなオーラを出していましたから。一緒に過ごした2年間で強く記憶に刻まれているのは、とにかく“負けず嫌い”だったということです」

 中学時代に所属した「FCみやぎバルセロナ」の同級生で、今はヘアメイクを担当するスタイリストが言う。神戸からやって来た香川は確かに上手かったが、決して“スーパー”ではなかった。

「でも、アイツは僕らとは目線が違うんです。上の学年と一緒にプレーしていたから“学年”というくくりで自分が評価されることに全く興味がない。真司はすごいですよ。子どもの頃からずっと、コツコツと結果を積み重ねてきて、いまでもずっと上ばかり見ている」

 2014年から専属トレーナーを務める谷田亮太は、初めて会った頃からアスリートとしてのポテンシャルの高さを感じている。

「これまでさまざまなアスリートを見てきましたが、香川選手は抜群に飲み込みが早い。『この人はちょっと違う』と思いましたし、取り組む時の集中力もケタ違いであると感じました。現状からさらに進化しようとする。その姿勢が彼の魅力だと思います」

 当の本人である香川は、笑いながら言った。

「メンタリティーは子どもの頃からずっと変わりません。自分よりすごい選手がいたら『いつか必ず追い越してやる』といまでも思える」

 負けたくない。勝ちたい。うまくなりたい。子どもの頃から抱くその思いが変わらないからこそ、香川はピッチに立ち続ける。

 誰だって多少の“変わりたい願望”はある。だから久しぶりに会った友人に「ずっと変わんねえな」と言われるとなんとなく悔しかったり、否定したくもなる。ところが年齢を重ねて大人になると、「ずっと変わんねえな」はむしろ褒め言葉だ。仕事をしたり、家族ができたり、友人が変わったりする環境の変化にあって、自分自身の根っこがブレず、“らしく”あり続けることはそう簡単じゃない。

 “変わらない香川真司”は日本サッカー界のエースだ。その魅力が詰まった『MYSELF』を読むと、少しだけ、“変わらない自分”を勇気づけることができるかもしれない。

文=細江克弥(スポーツライター)

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