キャラクターグッズが犯罪被害に繋がることも…子どもと一緒に学びたい、セコム流・防犯の第一歩

出産・子育て

2017/7/4

『子どもの防犯マニュアル』(舟生岳夫/日経BP社)

 気が付けばもう夏。ここ数年の異常気象も手伝ってか、過ごしやすい気候はあっという間に終わってしまいますね。大人にとっては体力的にもしんどい季節ですが、子どもたちにとっては、楽しい夏休みシーズンでもあります。子どもだけで出かける機会が増える時期だからこそ改めて学んでおきたい、防犯に関する書籍のご紹介です。

『子どもの防犯マニュアル』(舟生岳夫/日経BP社)はその名の通り、子どもが自分の身を守る能力を身に着けるためには、親や周囲の人間がどんなふうに接し、何を伝えるべきかを解説した書籍です。著者である舟生岳夫氏は、セコム株式会社IS研究所で、リスクマネジメントグループの主務研究員を務める人物。子どもの安全と防犯について長年にわたり研究してきた、いわば、小さな命を守るプロフェッショナルです。

 研究の傍ら、防犯に関するセミナーで講師を務めたり、学校現場でのセキュリティコンサルタントにも携わったりと、多方面で活躍中の舟生氏。同書にはそんな、防犯の現場を知りつくした彼だからこそ着目する、安全のためのポイントがたくさん詰まっています。中でも私が「なるほど!」と思った点を、以下に少しご紹介しましょう。

◆キャラクターグッズが犯罪被害に繋がることも…

 近年、登下校中は名札を隠すようにという指導が、多くの小学校でおこなわれていることをご存じでしょうか。これは児童が「○○くん」「○○ちゃん」と名前で呼びかけられることで、不審者を「知っている人かもしれない」と勘違いしてしまって、言われるがまま車に乗せられてしまうという、連れ去り事件が多発したためです。簡単に名前を知られることが、どんなにハイリスクか…これは今や、子を持つ親の常識となりつつあります。

 しかし、実は名前以外にも、気をつけておきたいものがあるのです。そのひとつが、子どもに人気の漫画や、テレビ番組のキャラクターグッズ。不審者にとってはこれが、声掛けのヒントとなってしまうのです。「●●が好きなんだね。おじさんの家に来たら、いろんなグッズが置いてあるよ」と話し掛けられても、お子さんはその誘いを振り切って、逃げられるでしょうか?

 キャラクターものは絶対にダメ!とまではいかなくとも、対策するに越したことはありません。マスコット類ならカバンの中など、外から見えないような位置に付けておくとか、イラストの入ったTシャツで外出させる際には上着を羽織らせるとか、子どもと話し合った上で工夫ができるといいですね。

◆スマホ以外のGPS端末も上手に利用を

 防犯目的で、キッズ用のスマートフォンを子どもに持たせている方も多いかと思います。こうしたスマホの多くには、端末の現在地を特定できるGPS機能が内蔵されており、これをオンにしておけば、子ども(が持っているはずのスマホ)が今どこにいるのかを、ほかの通信端末からリアルタイムで確認できます。ただし、一般的にGPS機能を常時オンにしていると、スマホのバッテリー消耗は激しくなります。本体の電池が切れてしまえば、GPSと同時に電話帳や通話機能も使えなくなってしまいますから、スマホのGPSをつけっぱなしにしておくことは、ある意味ではハイリスクなのです。

 位置情報サービスは何も、スマートフォンにしか付いていないわけではありません。最近はGPS機能の付いたキーホルダーなども市販されていますから、そういったものを子どもに身に着けさせておくのも、ひとつの方法です。また、セキュリティ会社と契約したGPS端末なら、緊急ボタンを押すことで、警備員による駆け付け対応もおこなわれるそうですから(サービス提供会社によって一定の条件があります)、そういったものの利用についても、必要に応じて検討してみるとよいでしょう。

 同書にはこのほかにも、普段通る道での危険予測のコツや防犯ブザーの選び方、不審車両からの逃げ方などといった、大人でも知っておきたいトピックが多数収録されています。しかし一方で、子どもを狙った犯罪の手口は年々進化しており、「こうすれば大丈夫」と大人が教えるだけでは不十分であるとも、舟生氏は話しています。危険を予測し、回避できる子に育てるには、どうしたらいいのか――そのヒントはぜひ、実際にページを開いてお確かめくださいませ。

文=神田はるよ