TLアニメ『僧侶と交わる色欲の夜に…』の応援上映イベントで「木魚持ち込みOK」ってどういう状況?

マンガ

公開日:2017/7/14

『僧侶と交わる色欲の夜に…』(真臣レオン)

 今年の4月から放送されていたTVアニメ『僧侶と交わる色欲の夜に…』(TOKYO MXほか)。同名漫画を原作としてアニメ化された作品なのですが、放送開始前から「地上波で流せるの……?」というファンの声が多数上がっていました。その理由は、同作が女性向け恋愛漫画“ティーンズラブ”というジャンルに属しているからなのです! ティーンズラブとは、ざっくりいうと少女漫画よりも夜のほうがお盛ん。少女漫画ならばお花のイメージカットで済ます部分を、詳細に描いてくれるのがティーンズラブというジャンルとのこと。

 そのため、もちろん原作『僧侶と交わる色欲の夜に…』(真臣レオン)にも、めくるめく色欲の夜がたくさん描かれています。物語は、主人公の大学生・深谷美桜が、中学の同窓会で初恋の人・九条隆秀に再会したところからはじまります。同窓会で九条が実家のお寺を継ぐために僧侶になったことを知り、僧侶=恋愛も結婚もエッチなこともしないと思い、落ち込み酒を飲みすぎた美桜。そんな彼女を介抱していた九条は、次第に「野獣」に変わっていき、激しい一夜を過ごす……という、かなり勢いのある内容なので、地上波放送に不安を感じるファンも。

 そんな心配をよそに、同作は「見えてはイケない部分を木魚で隠す」「激しいシーンは『TERA劇場』と名付けられた別映像に切り替わる」という斬新な方法で放送コードをクリアし、無事全12話の放送を終えました。

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 と、ホっとしたのもつかの間、なんと7月1日に白昼堂々「『僧侶と交わる色欲の夜に…』応援上映&トークイベント」の開催が決定。

 イベント概要を確認すると「声だし・コスプレ・サイリウム・木魚持ち込みOKです!」の文字。なんと、木魚を持ち込んで思う存分叩いてOK。ネット上では「木魚ってどういうこと?」という声も多く、筆者も「木魚ってどういうこと?」という疑問が拭えず、現場に急行しました。

会場入り口のパネル

 会場となった新宿ロフトプラスワンは、司会を務めるヴィジュアル系ヘヴィメタルバンドNoGoDの団長さん(Vo.)も驚きの超満員! そして、開演とともに鳴り響く木魚の音!! もはや、拍手代わりの木魚喝采!

木魚が鳴り響くロフトプラスワン

声に出して読むにはハードルが高めなコラボレーションメニュー

 そして、さっそくはじまった『僧侶と交わる色欲の夜に…』の応援上映。1エピソード3分半と、かなりコンパクトな作品なので、全12話を1時間弱で見終わることができる点も同作の特徴。

僧侶こと九条くんが登場するたび、鳴り止まない木魚と掲げられるサイリウム

ウワサの木魚登場シーンでは、鳴り止まぬ木魚の嵐

 今回は地上波放送版が上映されたので、刺激的なシーンは「TERA劇場」に差し替わり、多少のブーイングも。しかし、木魚が登場すると「木魚がんばれー!」という声援が送られる、なんとも不思議な空間でした。木魚人気が計り知れません。

 休憩中には、木魚を持ち込んだ姉さんたちにお写真をお願いしました。おそろいの木魚です。

Amazonで購入したそうなので、お求めの際はAmazonで!

 応援上映後には、荒木英樹監督、現役僧侶の千田匡真さん、原作の担当編集・宮本梓紗さんが登壇し、お客さんからの質問コーナーに突入。

左から、担当編集・宮本梓紗さん、現役僧侶・千田匡真さん、荒木英樹監督、NoGoD団長。

 普段は男性向けのアダルトアニメを制作している荒木監督。そのため『僧侶と交わる色欲の夜に…』のオファーが来たときは「地上波でやる意味がわからない」と感じたとか。

「とりあえず、原作に沿って作って流せないシーンは差し替えようということになりました。結果的に地上波は3分半の作品ですが、地上波版と通常版、アダルト版の3パターンを作ることになり、そこがすごく大変でしたね」(荒木監督)

 ちなみに、原作では木魚によるモザイク加工はありません。一般的なアニメ制作とは異なる苦労が、斬新な手法を生み出したのですね……!

 そのほかさまざまな質問が飛び交い、『僧侶と〜』のイベントは終了。つづいて、7月2日に放送がはじまったアニメ『スカートの中はケダモノでした。』(以下、スカケダ)(TOKYO MXほか)の第1話先行上映もおこなわれ、一粒で二度美味しいイベントでした。タイトルからもわかる通り、『スカケダ』もティーンズラブ作品。

イベントの都合上、スカケダの上映中も木魚が鳴り響きました

 同作は、男性が苦手な主人公・静歌が、街コンで出会ったのは涼と名乗る美女……だったはずが、涼のスカートの中には女性にはないはずの“ケダモノ”が! という、衝撃のストーリー。第1話はいいところでおあずけ。さすがに木魚は登場しませんが、この『スカケダ』は一体どんな手法で地上波放送を完走するのか、という点にも興味をそそられます……。

 上映後の『スカケダ』のトークタイムには、原作担当編集の寺澤美咲さんとアニメ制作担当の小林壮輝さんが登場し、意気込みを語りました。

「老若男女に観ていただいて、ぜひ新たな性癖に目覚めてください」(寺澤さん)
「僧侶先輩が培ったものを壊さないようにがんばります!」(小林さん)

 お二人とも、いろいろな意味で“僧侶を超える”のが目標とのこと。どこまで攻めるのか、楽しみです。ホントに。

左から、アニメ制作担当・小林壮輝さん、担当編集・寺澤美咲さん

みんなで1ポク締め

 最後は、会場のみなさんで一本締めならぬ「1ポク締め」でイベントが終了。終始なごやかでありながら、情熱的なイベントでした。木魚で隠させていただきましたが、会場のみなさんの笑顔、一生忘れないと思います。

 そして9月2日にはロフトプラスワンにて『僧侶と交わる色欲の夜に…』のBlu-ray&DVDの発売を記念した応援上映会&原作者の真臣レオン先生のサイン会&『スカケダ』の振り返り上映会のチケットが発売中とのこと。かなりてんこ盛りの内容なので、今回以上に木魚が鳴り響くこと間違いなし? 

イベントの詳細はこちら

文=田中ハルカ