「高山一実の“人たらし力”」乃木坂46特集番外編【ダ・ヴィンチ2017年10月号】

特集番外編1

2017/9/6

「高山一実の“人たらし力”」乃木坂46特集番外編【ダ・ヴィンチ2017年10月号】

編集K

 10月号の表紙&巻頭特集は「乃木坂46」です。

 女性アイドル・グループが表紙を務めるのは『ダ・ヴィンチ』の創刊23年で初のこと。

 23年間なかったことが起きた、それにはやはり理由があります。

 一つは乃木坂46メンバーが出演している舞台『あさひなぐ』、そしてそれに続く映画が本当に素晴らしかったこと。

 この作品に触れるまで、題材となっている薙刀について詳しくは知らなかったんですが、道具の長さが2メートル以上(!)と定められているんですね。

 身長よりも長い武具を操るからこそ生まれる縦長のシルエットの美しさと、切っ先を交わしながらの駆け引き、息遣い……。

 その凛(リン)とした空気感は、『スピリッツ』で連載されている原作マンガ『あさひなぐ』から受け継がれたものです。

 個人的に原作の好きなところって、圧倒的なセリフの“浸透力”なんです。

 欲しいときに欲しい言葉が、しかも予想をはるかに上回るインパクトで踏み込んできて、感情を揺さぶられる……自然と涙が流れて、その分だけ心が軽くなります。

 描き手の情熱とキャラクターの意志がぶつかり合って生まれてきたような名セリフの数々は、どれも「強くなりたいと願う女性たち」が発するもの。それを映画では耳で聞いて、身体で感じることができる。

「自分もがんばろう!」と素直に勇気付けられる言葉ばかりなので、その悦びをぜひ味わってほしいなと思います。

 そして理由のもう一つは、いま一度このタイミングで「乃木坂46」を推したい!と思ったこと。

『あさひなぐ』にかける、メンバーやスタッフの皆さんの意気込みの強さが伝わってきたということもありますが、それ以上に乃木坂46というグループの魅力をいま改めて知ってほしい!と感じているんです。

 特集でも繰り返し出て来る言葉ですが、彼女たちは「自分を変えたい」「強くなりたい」という思いを抱いて成長し続けているグループだと思います。

 その中心となっているのは38,934人が応募したオーディションを勝ち抜き、2011年の結成当初からグループに加入した一期生の皆さんです。

 あれから18枚のシングルをリリースし、結成7年目を迎えた乃木坂46には、『あさひなぐ』に主演する西野七瀬さんや、ソロ写真集が20万部を突破した白石麻衣さんなど、グループの枠を超えて知名度を高めつつあるメンバーがたくさんいます。

 その中でも、テレビのバラエティ番組などで活躍し、弊誌では「乃木坂活字部!」、そして長編小説「トラペジウム」を連載してくださっているのが高山一実さんです。

 今回高山さんは『あさひなぐ』出演メンバーではないのですが、特別に表紙と特集にご登場頂きました。

 高山さんと言えば大の小説好き。じつは連載が始まる前の2014年に一度、読書についてのインタビューをさせて頂いたんですが、あれから3年で小説家の中村文則さん、朝井リョウさん、羽田圭介さん、住野よるさん、崔実さん、川村元気さん、東京大学の酒井邦嘉さん、そしてなんと「頭の体操」シリーズの生みの親である多湖輝先生まで……ここまで豪華な面々と対談して頂くようになるとは思ってもいませんでした。

 すごいのは、そんな皆さんが「高山さんと会ってみたい」と思ってくれたということ。

 で、会うとちゃんと盛り上がるんです。これが高山さんのすごいところ。

 そしてもっとすごいのは、そんな文化人の皆さんと直接言葉を交わしながら、高山さんは自分でも文章を書き始めた!

 そもそもアイドルをしながら小説を書く必要性って、全くありません。
いまでこそ連載仕事になっていますけれど、雑誌に小説を連載するなんていうオファーは断ることだってできたのに、それを続けているのが高山さんです。

 だからその思いを何とか形にしてあげたいとスタッフも感じる。
そういう“人たらし力”が高山さんにはあるんだと思います。

 そしてそれは各雑誌、ラジオ、テレビ番組で活躍している他の乃木坂46メンバーもそうなんだと思います。

 そうしたメンバーが何人もいることで、乃木坂46はここまで人気のあるグループになったのではないか。今回の特集の取材を通じてそう感じました。

 余談ですが、以前別の仕事で高山さんの地元に立ち寄った際に領収証をお願いしたところ、「KADOKAWAさん! 高山一実さんが連載していますよね!?」と言われたときにはどれだけ地元で愛されているんだ!と驚きました(しかも高山一実のイントネーションが「た」と「か」が高い独特なもので)。

 二年連続の紅白出場、三作連続のミリオン達成と、いまでこそトップアイドルの名をほしいままにしていますが、それ以前に、高山さんは房総半島が誇る「自慢の娘」であり続けているんですね。

 結成当初、前を走っていたAKB48と比較されていたグループは、彼女たちとは異なるスタイルで一つのカルチャーを築き上げてきました。その一方で2015年に結成された妹分の欅坂46が圧倒的なスピードで人気を拡大しています。

 新たに3期生を迎え、成熟した1期生を中心に据えた乃木坂46が、そうした環境でどういった姿を見せて行くのか。本当にワクワクします。

 そうしたグループとしての転換期に、彼女たちの〈言葉〉という切り口で迫った特集です。ぜひご一読ください!

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