『天気の子』で描かれた不思議な形の“雲”はどうやって生まれるの?

スポーツ・科学

公開日:2020/11/11

『天気の子』で描かれた不思議な形の“雲”はどうやって生まれるの?

『君の名は。』の新海誠監督が手がけた新作映画『天気の子』。同作のポスターには巨大な柱のような雲が描かれているのが印象的ですが、実はこの雲が実在することが分かり話題を呼んでいます。

なぜ独特な形の雲が生まれるの?

 映画が公開された2019年の7月21日、『天気の子』の気象監修を務めた研究者の荒木健太郎さんがTwitter上で同作の雲について言及しました。

 荒木さんによると、ポスターに描かれているような上部が平らな雲は「限界まで発達した積乱雲」とのこと。まずは空気が持ち上げられて上昇流が生まれ、雲に変わるのが最初の段階。雲が一定の高度に達すると浮力を獲得し、外部から持ち上げられるメカニズムなしで上昇できるようになります。すると雲が上方向と横方向へと大きく広がっていくことに。

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 しかし雲は際限なく膨らむわけではなく、上昇が限界に達すると「対流圏界面」という壁に衝突。すると上昇を阻まれた雲が横に広がっていき、上部だけが薄く延ばされたような独特の形をした雲が出来上がります。

 ちなみにこのような雲は鍛冶を行う際に使用される金床(かなとこ)と似ていることから、「かなとこ雲」と呼ばれているそう。雲が生まれる仕組みを知った人からは、「あんな形の雲が本当にあるんですね…」「すごく分かりやすい説明だしワクワクしますね」「日常がまた1つ楽しくなりました!」と大きな反響が上がっていました。

『天気の子』で描かれた不思議な形の“雲”はどうやって生まれるの?

「アニメのような雲」が話題になった夏

 2018年8月には、実際に関東付近で巨大な「かなとこ雲」が出現したことも。その際にはスタジオジブリの映画『天空の城ラピュタ』を連想する人が多く、SNS上では「ラピュタ雲」という呼び名が広まっていたようです。

 同作に登場する空飛ぶ城は「竜の巣」という巨大な雲に覆われているという設定で、この時に目撃された「かなとこ雲」と形がそっくり。ファンからは「原宿で見たラピュタ雲がすごかったです。まるで本物の竜の巣みたい」「ラピュタの名シーンを思い出した。あの中に天空の城があるのかなって嬉しくなった」「とにかく大きくて、悠然と空に浮かぶ姿が圧倒的でした。ラピュタは本当にあるんだ!」と歓喜の声が続出していました。

 他にも変わった形状の雲には色々な種類があり、2019年5月には関東でモコモコとした突起が無数に垂れ下がった「乳房雲」が観測されて話題に。また帯状の雲が波のような形を作る「波状雲」も度々目撃されることがあるようです。

 ただ、ユニークな雲が出現した際には悪天候を伴うことが多い模様。空を見上げることに夢中になっていると危険かもしれないので気をつけましょう。

この記事で紹介した書籍ほか

「天気の子」Blu-rayスタンダード・エディション

出演:
監督:
出版社:
東宝
発売日:
ISBN:
4988104124012

小説 天気の子 (角川文庫)

著:
出版社:
KADOKAWA
発売日:

新海誠監督作品_天気の子 美術画集

著:
出版社:
KADOKAWA
発売日:
ISBN:
9784046046987