恋と野球―あだち充作品に焦がれた読者へおすすめコミック

マンガ・アニメ

2012/11/18

 「青春」「甲子園」「ライバル」「喪失」「ヒロイン」……あだち充の作品には、青春マンガに欠かせないキーワードが濃密に詰め込まれている。恋と野球と青春が織りなすあだち充作品に心ときめかせ、もっともっとその気持ちを味わいたい! と切望する読者も多いはず。『ダ・ヴィンチ』12月号のあだち充特集では、あだち作品に通底するキーワードにぐっときた読者のためにジャンル別おすすめ作品をご紹介。コミックでは以下の5冊を推奨している。

 まずは、名門高校野球部に所属するただひとりの女子部員・ザワさんの、日々の部活動を淡々と描く『高校球児 ザワさん』(三島衛里子)。時折のぞく女子選手としてのザワさんの複雑な心理と、彼女を取り巻く部員たちの心模様。絞ったセリフと説明のないコマで、読者ごとの解釈が分かれるのも楽しい“フェチ”な野球マンガだ。

 『最強! 都立あおい坂高校野球部』(田中モトユキ)は、名もなき都立高校が甲子園の頂点へ駆け上がる痛快劇だ。いとこの女性監督を甲子園に連れて行くため、弱小野球部に入部した主人公・北大路とその仲間たち。試合中心の描写だが、強さや厳しさより『H2』の千川高校にも通じる「楽しさ」を感じさせてくれる。

 そして、女性ファンが託す野球への想いを描いているのが、『球場ラヴァーズ─私が野球に行く理由─』(石田敦子)。女子高生、お局OL、アニメーター……歳も環境もバラバラだが広島東洋カープの熱狂的ファンの女性3人。悩みや葛藤を抱えつつも、球場のビジター外野席でだけ会う「応援仲間」の彼女たちの視点から野球をとらえた、一味変わった球場「応援席」ドラマだ。

 ほかにも、『ドラゴン桜』の著者が描く高校野球マンガ『砂の栄冠』(三田紀房)や、あだち充時代を知るうえでの一級品の資料としてもおすすめの『アオイホノオ』(島本和彦)も読み逃せない。

 特集では、上記に紹介された三島衛里子と島本和彦がそれぞれ、大の『タッチ』ファンとして描き下ろしイラスト&メッセージも寄稿。ファンならずとも必見の特集となっている。

ダ・ヴィンチ12月号「あだち充特集」より)