New York General Group、核融合エネルギー実用化に向けた画期的技術の特許3件を出願

New York General Group, Inc.

更新日:2025/4/10

革新的な冷却システム、磁場制御技術、および適応型ダイバータ-リミッタハイブリッドシステムにより核融合発電の商業化を加速

New York General Group(以下、NYGG)は本日、核融合エネルギーの実用化を大きく前進させる3件の革新的技術について特許を出願したことを発表します。これらの技術は、核融合炉の冷却システム、磁場制御、およびプラズマ-壁相互作用制御に関する長年の課題を解決し、安定した核融合発電の商業化への道を開くものです。



 3つの革新的技術



1. 核融合炉ダイバータ用改良型ヘリカルナット冷却システム(特願2025-060194)

核融合炉の最も過酷な熱環境にさらされるダイバータ部分向けの革新的冷却技術。従来の平滑管と比較して熱伝達効率を約2.2倍向上させ、20MW/m²を超える極限的な熱流束を安全に除去することが可能。機械的タッピングによる製造の容易さと優れた熱性能のバランスにより、コスト効率の高い解決策を提供します。



わかりやすく言うと:「超高温のプラズマを安全に閉じ込めるための装置を冷やす、より優れた冷却技術」

核融合炉内部は非常に高温になるため、装置を効果的に冷却する必要があります。特に「ダイバータ」と呼ばれる部分は、最も熱負荷が高く、従来の冷却技術では対応が難しいとされてきました。NYGGは、冷却管の内側に特殊な形状(らせん状の突起)を作ることで、冷却効率を大幅に高める技術を開発しています。この技術により、従来の約1.5倍の冷却効率を実現できる可能性があります。また、複雑な製造工程を必要とせず、比較的容易に製造できる点も大きな利点です。今後は、より実際の環境に近い条件での長期耐久性を確認していく予定です。



2. トカマク型核融合炉用適応型エッジ局在3D磁場制御システム(特願2025-057034)

プラズマの安定性と性能を飛躍的に向上させる高度な制御システム。独自の適応制御アルゴリズムと3D磁場コイルシステムにより、エッジ局在モード(ELM)の抑制率99.82%、規格化ベータ値4.82、エネルギー閉じ込め時間4.73秒という前例のない性能を実現可能。核融合出力の変動を従来の1/6に抑制し、長時間安定運転を可能にします。



わかりやすく言うと:「不安定になりがちな超高温プラズマを、磁場を使ってより安定に保つ技術」

核融合炉では、1億度を超える超高温のプラズマを磁場で閉じ込めていますが、プラズマは不安定になりやすく、特に「エッジ局在モード(ELM)」と呼ばれる現象が発生すると、プラズマの性能が低下したり、装置が損傷したりする恐れがあります。NYGGは、特殊な磁場を作り出すコイルシステムと、それを最適に制御するアルゴリズム(計算方法)を開発しています。コンピューターシミュレーションでは、この技術によりELMの影響を約65%減らせる可能性が示されています。現在は、基本設計と理論計算を終え、小規模な実験装置での検証を計画している段階です。



3. 適応型ダイバータ-リミッタハイブリッドシステム(特願2025-062826)

トカマク型核融合炉におけるプラズマ-壁相互作用を動的に制御する革新的システム。独立して調整可能な引込式分割リミッタ、高磁場最適化ダイバータ、リアルタイム分光モニタリング、および適応型磁場制御を統合することで、プラズマ対向機器の侵食率を3〜6倍低減可能。磁場強度、プラズマ電流、加熱方法、密度、同位体質量などの運転パラメータに応じて最適な制御を実現し、機器寿命の大幅な延長と運転効率の向上を可能にします。



わかりやすく言うと:「超高温プラズマと装置の壁との接触を最適に調整し、装置の寿命を延ばす技術」

核融合炉では、プラズマと装置の壁が接触すると、壁の材料が少しずつ削れていきます(これを「侵食」と呼びます)。この侵食を減らし、装置の寿命を延ばすことが重要な課題です。NYGGは、プラズマと壁との距離を精密に調整できる機構と、リアルタイムで状況を監視する計測技術、そしてそれらを最適に制御するシステムを開発しています。運転条件に応じて自動的に調整することで、壁の侵食を大幅に減らせる可能性があります。現在は、精密な位置調整機構の基本設計と、計測・制御技術の開発を進めている段階です。



核融合エネルギー実用化への影響

NYGGの創業者・最高経営責任者であり、本発明の発明者である村上 由宇(以下、村上)は次のように述べています。「これらの技術は、核融合エネルギーの商業化に向けた重大な技術的障壁を克服するものです。特に、極限的な熱流束の除去、高性能プラズマの長時間維持、そしてプラズマ対向機器の長寿命化は、核融合発電所の実現に不可欠な要素です。当社の革新的なアプローチにより、これらの課題を同時に解決し、核融合エネルギーの実用化を大幅に加速できると確信しています。」



技術の優位性

NYGGの冷却システム技術は、複雑な製造工程を必要とする競合技術と比較して、製造の容易さと熱除去性能のバランスに優れています。熱伝達効率(除去熱流束/ポンプ動力)は0.80MW/kWを達成可能であり、競合技術の0.42〜0.58MW/kWを大きく上回ります。

3D磁場制御システムは、従来技術と比較してELM抑制率を17%向上させるだけでなく、規格化ベータ値を37%向上、エネルギー閉じ込め時間を46%延長、核融合出力変動を83%削減するなど、複数のパラメータを同時に最適化することが可能です。

適応型ダイバータ-リミッタハイブリッドシステムは、運転条件に応じてプラズマ-壁相互作用を動的に最適化することで、従来の固定式システムと比較してプラズマ対向機器の寿命を2〜3倍延長し、同時に核融合炉の運転柔軟性を大幅に向上させることが可能です。特に、トリチウム運転時の侵食率増加を自動的に補償する機能は、将来の商業炉において極めて重要な価値を持ちます。



発明者について

本発明は、NYGGの創業者・最高経営責任者である村上によって行われました。

村上は次のように述べています。「当社は、核融合エネルギーが人類の持続可能なエネルギー未来の鍵であると信じています。今回の特許出願は、その実現に向けた重要な一歩です。私たちは、これらの技術を早期に実用化し、クリーンで無尽蔵なエネルギー源の実現に貢献していきます。」



New York General Groupについて

New York General Groupは、圏論に基づく独自のテクノロジーであるCategorical AIを開発・活用し、「Create and Save the Universe by Superintelligence」をミッションに掲げ、AIの力で社会の持続可能な発展に貢献していきます。

詳細はウェブサイト(https://www.newyorkgeneralgroup.com/)をご覧ください。



本件に関するお問い合わせ先

New York General Group 広報担当

Email: info@newyorkgeneralgroup.com



注記1:本プレスリリースに記載されている内容は、特許出願中の技術に関するものであり、特許審査の結果によっては変更される可能性があります。また、将来の見通しに関する記述は、現時点での予測に基づくものであり、実際の結果はさまざまな要因により異なる場合があります。

注記2:本発明における実験はNYGGのCategorical AIによるコンピュータシミュレーションに基づきます。Categorical AIは、数値解析における高精度計算や実験データの解析などに基づき、様々なコンピュータシミュレーションを行うことができます。