食材冷凍を制するものは節約&時短を制す! メディアで話題の冷凍王子が紹介する冷凍のすべてがこの一冊に

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公開日:2022/7/24

冷凍王子の冷凍大全
冷凍王子の冷凍大全』(西川剛史/サンマーク出版)

 自炊をする人々にとって二大テーマと言えるのが“節約”と“時短”。実はそのふたつを同時に叶えてくれるのが、本書「冷凍王子の冷凍大全」(西川剛史/サンマーク出版)で紹介される冷凍術なのです。

 例えば節約をするためには、なるべく安いスーパーを探すのも大切ですが、一度に多くの量を購入することも大切。しかし使い切ってしまわなければ元も子もありません。せっかく安く買ってきたのに、結局使い切れず腐らせてしまった、という経験のある方も多いはず。

 しかし本書に書かれている意外な食材の冷凍術や小分け冷凍の方法を知れば、多くの食材を冷凍でき、使う分だけ取り出すことができるので節約、さらにはフードロスの解消にもつながります。また本書には買ったその時にひと手間加えて冷凍しておくことでそのまま料理に使えたり、冷凍のまま食べられたりする方法も盛りだくさん。休日にまとめて購入・冷凍しておけば平日にスーパーに寄る必要もなく調理時間も時短、そして料理のレパートリーが広がる利点もあります。

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 まず本書の序盤では冷凍のプロセスを「素材→下処理→凍結→冷凍保存→解凍」に分けて提示。そしてまず冷凍の基本ルールとして

・買ってきたらすぐ冷凍
・とにかく空気を遮断する
・できるだけ早く凍らせる

 の三つを挙げます。つまり買ってきたその日に、できるだけ空気に触れないように食材をラップに包み、冷凍用の保存袋に入れて、なるべく空気を抜いて冷凍すること。かつ早く凍らせるために、なるべく食材を薄く平らにすることが大切であると伝えます。また解凍方法については、鶏もも肉を使って、常温解凍や流水解凍など5種類の解凍方法のうち、どの方法がもっとも食材を良好な状態で解凍できるかという実験も。この部分を読むだけでも、普段の冷凍方法にだいぶ改善点が見つかりそうです。

 そして中盤以降は、野菜や肉・魚から果物・プリンまで124品もの食材それぞれに対して、もっとも適した冷凍・解凍方法を紹介。キャベツや大根はどの状態で冷凍・解凍するのが一番おいしく食べられるのかという明日からすぐ使えそうな技術はもちろん、じゃがいもやたけのこなど冷凍に向かないとされがちな食材がおいしく食べられる冷凍方法も掲載。さらに里芋は一度冷凍した方が皮をむきやすい、玉ねぎも冷凍した方が早く飴色に炒められる、など栄養価アップや調理の時短につながる豆知識まで網羅されています。

 さらに本書のすごいところは、たまご・豆腐・こんにゃくという冷凍すると食感が変わってしまう食材について、冷凍をお勧めしないのではなく、その食感を活かしたレシピを掲載しているところ。特に豆腐とこんにゃくはお肉の代わりにからあげ、そぼろ、キーマカレーなどに使えるとのことで、ダイエット効果もありそうです。

 果物や薬味、とうもろこしにクリームパンなど、凍ったまま食べられる食材も多数紹介されている本書。暑い夏を乗り切るための知恵も詰まっているので、ぜひこの時期に手に取ってもらいたい一冊です。

文=原智香

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