小学生に大人気! 夢中で読んでいるうちに理系脳が育つ学習漫画「サバイバルシリーズ」の魅力

マンガ

公開日:2023/1/29

テーマパークのサバイバル
テーマパークのサバイバル』(ポドアルチング:文、韓賢東:絵/朝日新聞出版)

 歴史・ことわざ・四字熟語……いろんなことが学べる学習漫画。あなたも小学生の頃に読んだことがあるのではないでしょうか? そんな学習漫画の中でも近年人気を集めているのが、「科学漫画サバイバルシリーズ」(朝日新聞出版)です。1冊目の発売はなんと2008年。現在81冊目が刊行され、累計1200万部を超えるロングセラーシリーズです。人体から宇宙まで、あらゆるテーマに触れてきたこのシリーズの魅力をご紹介したいと思います。

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わくわく&どきどきの冒険ストーリー

 主人公は、本シリーズの対象読者である小学生と同世代の少年少女。彼らがある時は恐竜のいる島、またある時は大噴火直前の火山……と危険な状況に直面するのが物語の始まりです。その危機的状況の中を、知識と度胸でサバイブする彼らの活躍はまさにワクワクとドキドキの宝庫。“冒険”という言葉が大好きな子どもたちが、自分が主人公たちになったかのようにのめり込むのも頷けます。本書に載っている科学の知識は、例えば「人体のサバイバル」では口の中の口蓋垂や喉頭蓋の働きについてや、腸の順番とそれらでどう栄養が分解・吸収されるかなど、科学が苦手な筆者には「こんなに難しいこと小学生で習ったっけ…?」と思うほど本格的。しかしそれも物語に夢中になっているうちにするっと読めてしまうのが、本シリーズの一番の特徴です。

マンガと解説部分のバランスも絶妙

 物語の部分は小学生が好きそうなおバカギャグも満載。でも各章の最後には、章ごとに出てきた科学知識が文章と、時には図解も交えて再度わかりやすく説明されています。小学校低学年ではこの解説をすべて読むのは難しいかもしれません。しかし子どもは気に入った本を何度も読むもの。マンガの部分を繰り返し読んでいるうちに、文章のページも読めるようになってきます。そんな普段読書をしない子どもへの、読書体験の入り口としても使えるのが本シリーズなのです。

どれから読んでもOK! どの学年でも楽しめるラインナップ

 これまで既刊81巻、40以上のテーマについて取り上げてきた本シリーズ。“恐竜”や“昆虫”などの人気テーマから、災害・環境問題、さらには“微生物”などマニアックなテーマまで幅広くテーマ設定がされています。その上、本書の物語はどの巻から読んでも楽しめるようになっているので、その子が一番気になるテーマから読むことができます。しかし一言で小学生といっても、理解力は学年や個人で差があるもの。公式ページによると比較的わかりやすいのが「鳥のサバイバル」、「恐竜世界のサバイバル」「昆虫のサバイバル」なので、まずはこのあたりから手に取ってみるのもいいかもしれません。ちなみに2021年に行われた人気投票によると、第1位は「新型ウイルスのサバイバル」。2009年刊行なので新型コロナウイルスについての記載はありませんが、“ウイルスとはなんなのか”という解説や感染の仕組み、免疫力を高める方法などが紹介されています。

 最新刊「テーマパークのサバイバル」では「ゾンビパーク」というテーマパークを訪れた主人公たちが行く先々で事故に遭遇。テーマパークの抱える謎に迫りながら、アトラクションにちなんだ物理の知識を身に着けることができる一冊です。

文=原智香

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