“自分らしく生きる”ために必須の知識が優しく学べる! 幸せに生きるために知っておきたい、お金の価値と生き方の選択肢

暮らし

公開日:2023/2/24

僕らの未来が変わる お金と生き方の教室
僕らの未来が変わる お金と生き方の教室』(池上彰:監修、佳奈:マンガ、モドロカ:イラスト/Gakken)

 現代日本において、誰もが無関係ではいられない「お金」。しかし、いざお金について知りたいと思ったとき、「めんどくさい」「難しそう」と感じてしまったり、「がめつい」「汚い」と“品がないもの”とする風潮があったりと、なかなかに学ぶハードルが高い。『僕らの未来が変わる お金と生き方の教室』(池上彰:監修、佳奈:マンガ、モドロカ:イラスト/Gakken)は、そうしたお金への“思い込み”を取っ払い、生き方の選択肢を示してくれるお金の教科書。

 マンガやイラストが豊富に挟まれたストーリー仕立てになっており、それでいて大事なことは略さずきちんと解説されているこの本は、「大切なことをわかりやすく伝えてくれている」「答えのない問いに正面から向き合っている誠実な本」と、読者の満足度99.7%という驚異の数字をたたき出しているという。

 本書は、高校2年生の女子・中倉美帆が、夏休みに大学で実施される特別授業を受けるところからスタートする。

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僕らの未来が変わる お金と生き方の教室 P.20~P.21

 最初は嫌々だった授業だが、高校生にして大学で受講する高揚感もあり、少しずつ授業を受けることに楽しみを見出していく。では、その内容とはどんなものなのか。

 まず第1章では、「お金はどんなイメージ?」というところから始まり、お金の流れや歴史、社会におけるお金の役割、インフレとデフレ、キャッシュレスや仮想通貨のことなど、お金に関する基礎知識に幅広く触れていく。

僕らの未来が変わる お金と生き方の教室 P.26~P.27

 たとえば、チェーン店で提供される500円の牛丼が消費者に届くまでには、どのような流れでどのような価値が提供されているのか。牛丼の価格として算出されている500円は、飲食店に支払ってはいるが、全体的に見ると携わっている多くの人に配分されている。こうして考えると、お金を払って対価を得ることの重みを強く感じられる。

 そして第2章では銀行の仕組みや企業の役割、株式や円高・円安について、第3章からは、日々にかかる生活費や稼ぎ方、雇用や税金、一生のうちにかかるお金のことなど、より身近な内容に切り込んでいく。

僕らの未来が変わる お金と生き方の教室 P.120~P.121

 どこに住み、どんな働き方をして、何にどれくらい使って生きるのか。人生の満足度を上げるには、自分に与えられている可能性をきちんと把握して、自らの意思で選択していくことが必要なのだ。

 また、そうした生活をするには、第4章にある「お金の持つ6つの機能」を知り、税金や保険についても学んで、お金をいくら貯めるべきなのか、貯めるにはどうしたらいいのかを知っておくことも大切だ。何も知らずに何となく使っていると、金銭トラブルに巻き込まれたり、借金が増えて人生が破たんしたりしかねない。

 そしてお金を増やす「投資」も、知っておく必要があるだろう。政府は「貯蓄から投資へ」の号令の下、NISAの非課税枠の拡大を検討している。正しい投資のマインドを身につけたうえで資産運用をしていくのが、これからの常識になっていくのかもしれない。

僕らの未来が変わる お金と生き方の教室 P.184~P.185

 ほかにも社会が抱えている問題や現状、稼ぐために知っておきたいこと、価値を提供する重要性、お金の使い方など、自身の幸せを見失わないために忘れてはいけないことにも言及されている。

 こうしてお金のこと、社会のことを学んだ美帆は、それによってどう変わり、どう成長していくのか。また、仕事に対してしっくりこない様子だった美帆の父は――。この2人の変化にも注目だ。

 社会は決して平等ではないし、今なお不完全な状態にある。さらに自身や家族をどう守っていくか、どう生きていくのが正解か、その答えも明確には存在しない。しかしだからこそ、その決定権は自分にある。本書を読んで改めてお金の価値を考え、「自分はこう生きたい」という生き方をしっかり模索してみては?

文=月乃雫

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